受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあ何でも相談室

 地理が苦手で、「重要事項がなかなか頭に入らない」というお子さんも少なくありません。そこで今回は、地理に対する興味・関心を喚起して、効果的に学習を進める方法について、巣鴨校校舎責任者にお聞きしました。

第99回「地理の学習を効果的に進める方法は?」回答者/巣鴨校校舎責任者

地名はアトラス(地図帳)を開いて位置を確認
実体験を通じて知識を得れば関心が高まる

 地理が苦手なお子さんを見ていると、地名を正確に漢字で書くことはできても、それがどこにあるのか、地図上で位置がわからないというケースをよく見受けます。こうした場合は、アトラス(地図帳)を開いてすぐに場所を確認することが学習のポイントとなります。
 アトラスを開くと、地名の横に小さなマークが描かれています。たとえば、千葉県には日本ナシ、落花生、スイカなどいろいろなマークがあるので注意して見てください。このように、地名だけを覚えるのではなく、位置や特産物・産業をセットにして、さまざまな情報をリンクさせながら学習することで、頭の中に地図のイメージを描けるようになります。
 ただ、地理に苦手意識のあるお子さんに、単純に「アトラスを開いて勉強しよう」と言っても、なかなか実行しないかもしれません。そこで、みずからアトラスを開きたくなるように、地理に対する興味・関心を引き出す工夫も必要になります。
 そこでお勧めするのが、家族旅行の機会を活用することです。たとえば、アトラスを持っていき、親子で目的地までの経路を記録しながら地図を眺めてみるのはどうでしょうか。車窓から見える実際の景色を目に焼き付けていくことで、知識に深いつながりが生まれるでしょう。
 さらに目的地では、その地域の風土に根付いた産物を使って、その地域独自の調理方法で作られた郷土料理を食べることもお勧めです。その際、「夏でも涼しい気候だから、こんな農産物が育つんだね」などとお子さんに話し掛ければ、自然と地理の知識が頭に入っていくでしょう。このように実体験を通じて得た知識が増えていけば、地理に対する苦手意識は徐々に薄れていくと思います。

スーパーに並ぶ農産物に目を向ける
自分で調べる習慣を身につけてほしい

 もっと身近な場所として、スーパーマーケットも活用できます。店内にはその時々の旬の農作物が並んでいます。春先であれば、たくさんの種類のイチゴがありますが、それらがどの地域で生産されているのかに目を向け、家に帰ったらアトラスで確認しましょう。そうすると、特定の地域に集中していることや、意外な地域で生産されていることなどがわかり、地理の力を高めることにつながります。
 また、街の歴史や人々の暮らしに迫るNHKの紀行・バラエティー番組「ブラタモリ」もお薦めです。この番組では全国各地を歩きながら、ふだんは気に留めない街の「高低差」や、ひっそりとたたずむ路地などに注目し、さまざまな種類の地図を使いながら、その地域の魅力をわかりやすく紹介します。こうした番組を通じて、ふだんの学習とは違った視点から地理の世界に触れれば、新たな興味が湧いてくるかもしれません。
 こうして地理に対する興味・関心が広がれば、家庭でも当たり前のようにアトラスを開いて勉強するようになるでしょう。そうなれば知識も増えて、家庭学習に余裕が生まれます。また、アトラスを開くことで培った「自分で調べる」という習慣も、さまざまな場面で役立ちます。
 たとえば、サピックスの授業でわれわれ講師は「どうしてこうなるのだろうね」と、具体的な答えを言わずに、質問を投げ掛けることがあります。そんなとき「自分で調べる」という習慣があるお子さんは、板書以外の講師のことばもノートに書き留め、家庭で確認しています。そして講師の投げ掛けたことばの意味に気づいて、授業内容をより深く理解しているのです。これは地理に限らず、ほかの分野の学習でも重要になる姿勢です。そのためにも、地理に苦手意識のあるお子さんは早い段階から「アトラスを開く」「自分で調べる」ことに、こつこつ取り組んでほしいと思います。

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