受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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 中学入試においては、最近のニュースを題材にした「時事問題」の対策は欠かせません。社会科ではもちろんのこと、理科でも宇宙開発や気象災害などが題材として扱われています。サピックスでは6年生になると、授業で時事問題対策をしていますが、家庭でどのように学習をすればいいのかわからないという声もお聞きします。東京校校舎責任者にアドバイスを頂きました。

第102回「時事問題に興味・関心を持たせる方法とは?」回答者/東京校校舎責任者

社会科は「社会を学ぶ」こと
ニュースを身近に感じられるようにしよう

 社会科は時事的要素を題材とする出題が多い教科です。特にここ数年は、世の中で起こっている出来事について、単に知っているかどうかにとどまらず、机上で学んだ知識をベースにして、主体的に考える力が試される傾向にあります。それは、「どれだけ世の中のことに興味・関心を持っているか」を確かめるためと考えられます。そこには、子どもたちに「社会でどのようなことが起こっているのかを自分なりに考えてほしい」という学校側の強いメッセージが込められています。
 早い段階から時事問題に興味があるようなら、小学生向けの新聞を親子で一緒に読んでいくのもよいでしょう。ただし、興味がないのに、あえて低学年から取り組む必要はありません。学年が上がり、興味・関心が出てきてから、新聞やテレビのニュースを見始めても十分だと思います。目安としては、地理をある程度学んだ5年生の夏ごろから、新聞やニュースに意識的に触れるようにしてほしいと思います。
 時事問題に触れていくなかで優先すべきなのは、重要語句を覚えることではありません。話題となっていることや、それに関連する事柄について「調べてみよう」とすることと、社会で起こっていることに対して「自分なりの意見を持つ」ことの二つが大切です。まずは、こうした経験を通じて、ニュースを身近なものと感じるようにしていきましょう。
 どうしてもニュースに関心が向かない場合は、自分の好きなテーマから入るのも一つの手です。たとえば本が好きなら、利用者が増えている電子書籍に関するニュースをきっかけとして、その功罪について家族で話し合うのはどうでしょうか。また、スポーツが好きであれば、サッカーのワールドカップに関連することでも構いません。今年の開催国であるロシアのほか、日本と対戦したコロンビア、セネガル、ポーランド、ベルギーといった国々について、地図で場所を確認したり、盛んな産業や日本とのかかわりなどを調べたりしてみましょう。自分の好きなテーマから関心を深めていくことで、知識の幅が広がっていきます。

家族で話し合える環境づくりと、
多面的な思考を促す声掛けを

 ニュースにまつわる会話が多いご家庭は、お子さんも関心を持ちやすく、のみ込みも早いという傾向が見られます。夕食のときに少し話題にする程度でもよいので、家庭で時事問題について話し合える環境づくりを心がけてください。その際は、お子さんの意見を否定しないようにしましょう。たとえば、被災地の復興や過疎対策といった地方創生の話に及んだとき、子どもは安易に「都会から人を移住させればいい」などと答えるかもしれません。そんなときは、「どんな方法で移住してもらおうか」などと質問して、みんなが納得するような実現可能な方法があるかどうか、本人にじっくり考えさせてみてください。
 また、物事には必ずといっていいほど、利点と問題点といった二面性があるので、そこに触れるようにしましょう。さらに、一つの出来事でも、立場が違えば意見や考え方も変わってきます。ご家庭では、それを踏まえて話し合ってほしいと思います。
 たとえば、日本は現在、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて、国全体として観光事業に力を入れており、訪日外国人観光客が増加しています。これには、日本経済に好影響を与えるといった良い面が当然ありますが、その一方で、急に病気になった訪日外国人観光客が日本の病院で治療を受けようとしても、そのための制度や体制が不十分であることなどが心配されています。原発の再稼働に関する話題であれば、立場や境遇の違いにより、それに対する賛否の意見は変わってきます。こうした二面性や、異なる立場のさまざまな意見に目を向けることで、物事を多面的に思考する力が育まれます。
 そんな親子の会話のテーマを探すのにお薦めなのが、サピックスと読売新聞がタイアップして運営しているサイト「じじもんスクラム」です。毎週1回、中学受験で取り上げられそうな記事をピックアップしているので、それをもとにお子さんといろいろ話し合ってみてください。
 また、サピックスでは毎年10月末に『重大ニュース』を発行しています。受験生が注目すべき社会・理科の時事問題がわかりやすくまとめられており、サピックス作成の入試予想問題も収録されています。巻末には1枚ずつ切り離して使える「一問一答カード」も付いていて、重要語句の確認もできます。年末から始まる6年生の正月特訓では、この『重大ニュース』をテキストにした授業も行われるので、それまでにじっくり読み込み、予想問題を解いたうえで臨んでいただければと思います。

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