受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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 4年生以上を対象として、授業後に行っている質問教室。学習の効果を高める場として、正しい利用法を理解したうえで、上手に活用していただきたいものです。質問教室に行く前の準備と行った後のフォロー、質問する際に気をつけるべき点などを、お茶の水校校舎責任者に伺いました。

第107回「質問教室の上手な利用法」回答者/お茶の水校校舎責任者

質問前に、わからない点を明確に
質問後はご家庭でフィードバックを

 本来は、集中して授業を受け、学んだ内容をその場で理解する、あるいは家庭で復習して理解するのが学習の理想だといえます。しかし、授業中に身につけなくてはならないことが不完全なままで、家庭で復習してもわからないということもあります。そのような場合は、ぜひ質問教室を利用してください。
 ただし、「わからないときはすぐに質問しよう」という姿勢は、必ずしも良いとはいえません。まずは家庭で復習し、自分で精いっぱい考え、わからないことを解決しようと調べることが大切です。「何でも質問すればいい」と思ってしまうと、自分で学ぶ姿勢がなくなり、他人に「依存」することになってしまいます。これでは、質問教室を利用することが、かえって効果的な学習を妨げる原因にもなりかねません。
 自分で考えてみてもどうしてもわからず、質問教室を利用する場合も、ある程度の準備が必要です。問題にもう一度取り組み、自分でできるところまでやってみて、どこまでわかっているのか、どこでつまずいているのか、明確にしてください。自分で問題を解いたノートに、「ここがわからない」などのコメントをプラスしてもらえると、わたしたち講師もアドバイスしやすいのですが、そこまで形が整っていなくてもよいので、自分なりにわからない点を説明してもらえると、講師も適切に対応できると思います。
 また、お子さんの進捗状況に応じて、発展的な事項に関する質問も受け付けますが、「今はそこまでは踏み込まなくてもいい」という内容については、現時点での取捨選択を指導することもあります。お子さんの質問に対する直接の解答ではなく、「今、何をするべきか」を考えて学習のアドバイスをする場合もありますので、ご家庭でもこの点をご理解いただければと思います。
 質問教室に行った後は、授業と同様にその復習をすることが大切です。算数の問題なら、もう一度初めから考えて、自分で手を動かして答えを出してみましょう。質問教室で解説を聞いて、頭ではわかっていたつもりでも、実際にやってみるとできないこともあります。「聞いたことを形に表す」ことで、確実な理解を定着させることができます。
 さらに、質問教室を利用したときは、ご家庭で、質問教室でのやりとりを確認するとよいでしょう。保護者の方が「質問教室でどんなことをやってきたの?」と尋ね、お子さんがその内容を答えることで、もう一度“咀嚼”して理解を深めることができます。ご家庭で上手に誘導して復習につなげていただけると、質問教室でただ「聞いてきただけ」ではなく、次につながる力になります。

行きづらい場合は講師に相談を
質問の待ち時間も有効に活用

 質問教室を利用したことがないお子さんは、初めて行くときに不安があると思います。「本当は質問教室に行きたいけど、行きづらい」と思っていたら、保護者の方から講師に相談していただければ、講師からお子さんに声を掛けて利用するように促します。それがきっかけで質問できるようになれば、わからない点をそのまま残すことがなくなり、成績を好転させる道筋をつくることになります。
 一方で、「帰りが遅くなるのが嫌だ」というお子さんや保護者の方もいらっしゃるでしょう。質問教室では、日によって待ち時間が長くなってしまうこともありますが、その間に授業の復習をするなど、時間を有効に使えるように気を配っています。帰宅前に復習を進められれば、家での復習は短時間で済むので、帰宅が遅くなってもそれほど気にならないのではないでしょうか。
 講師は1から10まですべてを教えるわけではありません。子どもたちの「考える力」を育てるように指導しています。「質問教室に行けば安心」と、完全に“お任せ”の状態にするのではなく、聞いてきた内容をご家庭でもフィードバックするなど、つかず離れずの「理想的な距離感」を保ちながらお子さんを見守ってください。授業、家庭学習というサイクルと併せて、質問教室という仕組みを上手に活用していただきたいと思います。

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