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さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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 社会科の学習といえば、要点を「ノートにまとめる」という方法が思い浮かぶのではないでしょうか。しかし、“ただまとめるだけ”では完全な理解にはつながりません。そこで今回は、まとめる際に気をつけるべき点や、ノートの活用法について、社会科の副教科責任者でもある中野校校舎責任者にアドバイスを頂きました。

第108回「社会科の要点をノートにまとめるときの注意点とは?」回答者/中野校校舎責任者

文字だけでなく、
地図や資料と連動させる 
スペースを空けて、後からも書き足す

 重要な事項をノートにまとめることはとても大切ですが、「まとめる」ことと「理解する」ことは、イコールではありません。ただ「まとめなくてはいけない」とやらされている状態では、それで理解ができているのか不安があります。一方で「きれいにまとめよう」ということにこだわり、時間をかけ過ぎてしまうのもけっして良くありません。
 理解につなげるようにするためには、まず「見返したくなるノート」を作ることが重要です。それは、きれいに書くことではなく、自分が「見返してわかるようにまとめる」ことです。時折、文字だけをきれいに、びっしりと書いたノートを目にしますが、見返したいとは思えず、見返したとしても理解しづらいでしょう。
 そこで、文字を地図や資料などと連動させて「見える化」すると、断然わかりやすくなります。自分で手を動かして地図や絵を描きたいところですが、うまく描けなかったり、時間がかかり過ぎてしまったりする場合は、地図が印刷してあるノートを使ったり、資料集に載っている図版を軽く写してみたりする方法から始めてみましょう。文字だけではなく、地図や絵に置き換えることで、お子さんの考える力がふくらんでいきます。
 ノートはすべてを埋めるのではなく、スペースを空けた形でまとめておくと、後から書き足すことができ、知識を連動させやすくなります。たとえば、地理で最上川の流域を勉強し、地図を使ってまとめた後に、歴史の学習で、「西廻り航路」や「北前船」などに関連して再び最上川が出てきます。そのときに、すでにまとめてあるノートに書き足していくと、一度に見返すこともでき、地理と歴史の融合問題への対応力も養われます。
 5・6年生は、家庭学習ノートと授業用のノートを分けて使っています。家庭学習ノートでは、テストで間違えた問題を解き直したり、テキストの確認問題を解いたりすることも多いと思いますが、答え合わせをして復習する際に、解説をそのままノートに写すことは避けてください。解説を読んで、どこを間違えたのか、どんな点が足りなかったのかを考え、自分が理解しなくてはならない“キーワード”をコンパクトにまとめるのが理想です。
 また、ある語句をテストで間違えたり、答えられなかったりしたら、正解のみをノートに書いて終わりにしないで、関連する事柄も書いておきましょう。この場合も、グラフや図版などを使うと、頭に残りやすくなります。原因と結果、かかわった人物や地図など、“合わせ技”で理解することが大切だと思います。

“見返したくなるノート”は
“最高の参考書” 
入試直前まで十分に活用しよう

 ノートのまとめ方に気をつけると同時に、ノートを「活用する」ことによって、理解が伴ってきます。授業用のノートには、講師が黒板に書いた最重要ポイントを写していると思いますが、お子さんはその後に見返しているでしょうか。時にはお子さんが先生役、保護者の方が生徒役になって、お子さんにノートを見ながら授業をしてもらうのも効果的でしょう。社会科の学習はどうしてもインプットが多くなりがちですが、アウトプットすることで、どこまで理解しているかを確認できます。理解が不十分なところがあったら、それをまたノートに書き足していけばよいのです。
 保護者の方は、お子さんのノートを時々開いて、見返したくなるようにまとめているか確認してみてください。ノートに書かれている語句の意味をお子さんに説明してもらい、わかりづらい点があったら保護者の方が質問して、答えてもらうということも、理解の定着につながるでしょう。
 このようにして作ったノートは、お子さんにとって“最高の参考書”です。テストの前には必ず見返して、理解を完全なものにしてください。がんばってきた6年生のノートの中には、“宝物”がいっぱい詰まっているはずです。学習の積み重ねを表すこれまでのノートを振り返り、入試の直前まで十分に活用してください。

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