受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあ何でも相談室

 たとえば、生き物や歴史、漢字、計算など、お子さんが興味を持っていることがあるかと思います。興味を持った分野については、楽しく学ぶことができるかもしれませんが、興味・関心と学習が必ずしも結びつくというものではありません。保護者はお子さんの興味・関心に対して、どのように向き合えばよいのでしょうか。若葉台校校舎責任者に伺いました。

第110回「興味・関心と学習との
つながりは?」
回答者/若葉台校校舎責任者

低学年から
さまざまな「体験」をさせる 
保護者の姿勢が子どもに
影響を与えることも

 興味・関心は学ぶことの「原点」だといえます。興味を持ったことに対しては、保護者の方が何も言わなくても、お子さんが自分で調べて、自然に理解を深めていることもあるでしょう。お子さんがみずから進んでやるのはいいのですが、保護者の方が「これに興味を持たせたい」と方向性を決めて、お子さんに押し付けるようにしてしまうと、うまくいかなくなるケースが多いように思います。
 お子さんの興味・関心を広げるためには、まずは低学年のうちから幅広く「体験」をさせるとよいでしょう。親子でさまざまな土地に出掛けたり、科学館や博物館、動物園などに見学に行ったりするのがお勧めです。自宅で生き物を飼育したり、一緒に読書をしたりしても、そのなかからお子さんが“はまる”ことが見つかるかもしれません。興味を示したら、保護者の方が一緒に調べるなど、自然な形でサポートしてください。
 また、低学年のお子さんの場合は、保護者の方の影響を受けやすいので、保護者自身が何かに熱中している姿を見せるのも効果的だと思います。その姿を見て、お子さんが「やってみたい」と興味を持つようであれば、お子さんと一緒に体験してみたり、調べたりすることができます。その場合も、大人が張り切り過ぎて主導権を握ってしまうのではなく、お子さんの「やってみたい」という気持ちを尊重するようにしてください。
 興味を持ったことについては、しばらくは「学習とのつながり」を意識させないほうがよいと思います。純粋に「好きなことに自分で取り組みたい」という意欲がそがれてしまうこともあるからです。
 たとえば理科の生物分野の授業であれば、生き物を飼っているお子さんのほうがその分野の内容に入っていきやすく、理解しやすいということはあります。しかし、生き物を飼っているお子さんが、授業中にその生き物の様子や飼い方を話しているのを聞くことでも、一つの「体験」を吸収できるので、それを理解につなげることも可能です。
 逆に、授業で教わって「もっと知ってみたい」と思ったことをきっかけに、その分野に深く入っていくというケースも考えられます。たとえば、理科や社会のテキストで出てきた場所に実際に行ってみると、「習ったことが目の前にある」という感動を覚え、より深く調べてみたいと思うお子さんもいることでしょう。

お子さんと向き合い、
対話することが大切 
長期的な視野で興味を育ててほしい

 学年が上がると、自分の興味がはっきりしてくるお子さんも多く、「興味がない分野にはなかなか取り組めない」という悩みも出てくると思います。特に5・6年生は、低学年とは違って受験までの時間も限られているので、その場合は、無理に興味を持たせようとするのではなく、「学習」だと割り切り、お子さんにもそう割り切らせることが必要です。
 保護者としては「興味を持てれば楽しく学習できる」と思い、お子さんに興味を持たせるように仕向けてしまいがちですが、無理強いをしても、かえって反発を招いてしまいます。場合によっては「学習」と「興味・関心」を分けて考え、興味を持てないものでも、「受験に必要なら苦しくてもやるもの」ととらえたほうがよいでしょう。
 保護者の姿勢として大切なのは、お子さんと「向き合う」ことです。一緒に食事をしたり、出掛けたりするなかで、お子さんとしっかりと「対話」をしてください。保護者の方が一方的に話すのではなく、お子さんの話を聞いて、それを受け止めていれば、今、何が好きなのか、何に興味を持っているのかをきちんと把握できるはずです。
 お子さんが興味を持ったことは、目の前の「学習」に直接つながらなかったとしても、長い目で見れば何かしらのつながりがあるものです。大人になって職業につながったり、生活で役に立ったりすることもあるので、その興味を大切に育ててください。

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