受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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 サピックスでは、「マンスリー確認テスト」や年に2〜3回行われる「組分けテスト」などの成績によって、授業を受けるコース(クラス)を決めています。コースが落ちてしまうと、ショックを受けるお子さんや保護者の方も多いようですが、次につなげられるようにしていくことが何よりも大切です。コース昇降のあるテストを受けた後の対応について、大船校校舎責任者に伺いました。

第111回「コース昇降のある
テスト後、
どう対応すればよいか?」
回答者/大船校校舎責任者

「コース落ち」は
失敗から学べる貴重な経験 
悔しさをやる気に変えて、
強さを身につける

 コース昇降にかかわるテストは、基本的には「それまでに学んできたことをどれだけ定着させることができたか」を測るものです。低学年ではだいたい2か月に1回、高学年では1か月に1回の割合で行われます。
 コース落ちを経験すると、不安や焦りから、お子さんに対して感情的になってしまう保護者の方も見受けられますが、「何がいけなかったのか」を冷静に見極めることが大切です。学習量が足りなかった、学校行事で疲れがたまっていてやる気が出なかった、テスト当日に焦ってミスを連発したなど、原因がはっきりとわかることもあります。明らかに怠けていた場合は、少し厳しく接することも必要かもしれませんが、そうでない場合は根本的な学習の仕方は間違っていないので、まずは、やってきたことを認めてあげる姿勢を持ってください。
 コースが落ちた直後のお子さんは、「なんとしても上のコースに戻ろう」とやる気になっていることが多いものです。ここでどのように取り組むかが、その後の分かれ道になります。やる気になっているうちに立て直し、次のテストで上のコースに行けるように、お子さんの様子に合わせて適切な声掛けをすることが大切になってきます。それまで学んでいたコースに戻るのですから、しっかりと学習に取り組めば、すぐに上がることは可能なはずです。しかし、時間がかかるようだと、下のコースに定着して、その状態で満足するようになってしまうこともあります。お子さんの悔しい気持ちが大きいうちに、保護者の方も一緒にこれからどのようにすればよいかを考え、次のテストに向かって励ますように心がけてほしいと思います。
 ただし、コースを上げることは最終目標ではありません。「志望する中学校での生活をめざしてがんばる」ことを忘れないでください。入試本番以外のテストは、すべて“練習試合”だと考えられるので、そこで失敗し、その失敗から学ぶことも貴重な経験です。そのときに味わった悔しさは、飛躍のために必要なことだともいえます。コースと入試の結果は必ずしも一致するものではありません。むしろコース落ちを経験し、そこからはい上がってさらに強くなったというお子さんをたくさん見ています。

お子さんの力を引き出す
ポジティブな声掛け 
保護者の方の
“お膳立て”が大切に

 日々の学習で力がついていると感じられるのに、コース昇降のあるテストでは実力が発揮できないということもあるでしょう。自信が持てず、テストになると緊張してしまうというお子さんの場合は、まず授業のなかで行われる小テストに力を入れてみてください。範囲が決まっているテストなので、学習したことが得点に結びつきやすく、「努力が報われる」ことを体感できます。すると、やるべきことをやれば結果が出せるとわかり、徐々に自信を持てるようになっていきます。
 この場合も、保護者の方の声掛けが重要です。ネガティブなことばはお子さんを不安にさせるだけなので、ポジティブなことばに変えるようにしてください。たとえば、臆病な性格のお子さんであれば、「あなたは慎重なタイプだから、きちんとやればミスを減らせるよ」と声を掛けると、お子さんも前向きな気持ちでがんばれると思います。
 テストで解けなかった問題を解き直すことも、もちろん大切ですが、すべての問題をやみくもに解く必要はありません。成績報告書には問題ごとの正答率も載っているので、お子さんのそのときの実力なら解けていたはずだった問題を重点的に復習することをお勧めします。保護者の方が正答率を確認して、解き直すべき問題をピックアップすれば、復習もしやすくなるでしょう。
 保護者の方がお子さんの性質や思考の傾向などを把握していると、コースが落ちたときなどに原因をつかむことができ、講師も適切なアドバイスがしやすくなります。お子さんの学習に干渉し過ぎてもいけませんが、放置するのではなく、保護者の方が“お膳立て”をすることが大切です。

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