受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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 中学入試で必ずというほど出題される漢字。学校によっては、かなりの問題数を割くところもあります。「覚えなくてはいけない」ことはわかっているはずですが、なかなか覚えることができずに、苦労しているお子さんもいるようです。漢字の学習に楽しく取り組むにはどのようにしたらよいか、自由が丘校校舎責任者に伺いました。

第112回「漢字を楽しく
勉強する方法は?」
回答者/自由が丘校校舎責任者

「ただひたすら書く」のではなく
漢字の成り立ちを調べ、意味を考える

 現在、小学校で学習している「配当漢字」は、6年間で合計1006字。ところが、新学習指導要領の実施により、2020年度から6年間で学ぶ漢字が20字増え、合計1026字になります。これは、埼玉の「埼」や、新潟の「潟」など都道府県名に用いる漢字をすべて学ぶようにするためです。社会で日本地理を学ぶ4年生までに、都道府県名に用いる漢字を配当し、それに伴い、もともと4年生で学んでいた漢字を5年生、6年生に配当するという変更があります。1~3年生では、それぞれの学年で学ぶ漢字の数は変わりませんが、4年生は200字から202字に、5年生は185字から193字に、6年生は181字から191字に増えることになります。そうすると、漢字の学習の負担も増えるといえるでしょう。
 「漢字が嫌い」というお子さんは、「ただひたすら何も考えずにマス目に書く」というやり方で覚えようしていることが多いものです。しかし、“ただ書くだけ”ではおもしろくないので、漢字が模様のように見えてしまっていたり、途中から間違った漢字を書いていることもあったりします。「書いている割に頭に入らない」ということが起こりがちなのです。
 そこで、興味を持って学習できるように、漢字の成り立ちに注目してみましょう。漢字はその形によって意味を表していることが多いので、複雑に見えるものでもいくつかのパートからできています。たとえば、「休」は「人」が「木」に寄りかかる、「男」は「田」んぼで「力」仕事をするというように、パートごとに分解してみると、漢字の意味が頭に入りやすくなります。小学生用の漢字辞典や『SAPI×漢』には、そのようなことが詳しく載っているので、ぜひ活用してみてください。また、漢字が持つ意味を考える際には、訓読みを押さえておくことも重要です。その読み方が表している状況がどのようなものなのか、自分なりにイメージをつかめるとよいでしょう。
 とはいえ、「書いて覚える」ことも、もちろん必要です。家庭で書く練習をする場合は、黙ってやるのではなく、声に出して書いてみると、耳から音でも入ってくるので、より覚えやすくなると思います。また、時には空中に大きく漢字を書いてみると、書くときの流れがわかりやすくなります。書き順にもきちんと理由があり、書きやすいような順番になっているので、漢字の意味とともにしっかり覚えてください。

低学年のうちに
漢字への興味を育んで 
一緒に調べるなど
保護者のサポートも

 サピックスの授業では、毎週、新しい漢字を覚えていきます。たとえば「木へん」など、共通のくくりの漢字をまとめて覚えるようにしたり、間違えやすい漢字は強調して解説したりしていますが、授業中に漢字の成り立ちを伝える時間が十分に取れるというわけではありません。新出漢字を覚えるには、家庭での学習が重要になるのです。
 そこで、特に低学年のうちに、保護者の方が学習のきっかけをつくってあげるとよいと思います。お子さんが新しい漢字を覚えようとしていたら、一緒に辞典を引いて、漢字の成り立ちを調べてみてください。この“ファーストコンタクト”で印象に残るようにすることが大切です。ある漢字の意味を知ると、同じ部首の漢字なども調べてみたりして、興味が広がっていくかもしれません。早い時期に「漢字はおもしろいな」と思えると、その後も苦手意識を持たずに、自分で調べながら学習できるようになると思います。
 また、漢字を覚えるための語呂合わせを自分で作ってみたり、その漢字を使った例文を作ってみたりすることもお勧めです。これにも保護者の方が一緒に取り組むと、より楽しく学べて、お子さんの印象に残るのではないでしょうか。
 漢字は日本の大事な文化でもあります。今の子どもたちはデジタル世代で、以前よりも書くことが少なくなっていますが、漢字の学習を通して「文字を大切に書く」ということも身につけてもらえたらと思います。

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