受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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 小学1~3年生からサピックスで学ぶお子さんが増えています。低学年から通塾するメリットはたくさんありますが、高学年で息切れしてしまわないように気をつけなくてはならない点もあります。低学年での学習の特徴と保護者の方が気をつけるべきことについて、茅ヶ崎校校舎責任者に伺いました。

第114回「低学年の学習で
気をつけなくては
ならないことは?」
回答者/茅ヶ崎校校舎責任者

学習が「楽しい」と思えるように
お子さんの様子をよく見て
「ほめる」ことが大切

 低学年の学習が4・5・6年生と異なるのは、「中学受験をするうえで、この時期にやらなくてはいけない」という制約が少ないことです。低学年ではまず、「楽しく授業に参加する」ことが大切だと考えています。
 高学年になると、「学習が点数につながるようにしなくてはならない」と認識していますし、「周りにがんばっている友だちがいるから、自分もがんばる」という意識もあります。しかし、低学年のお子さんは、まだ友だちがやっていることをそれほど意識はしないものです。ただ、「できること、わかることが増えたり、周りの人からほめられたりするとうれしい」という気持ちは強く持っています。そこをうまくコントロールしていくと、お子さんが「楽しい」気持ちで学習できるのではないかと思います。
 サピックスの低学年担当の講師は、お子さんを「ほめる」ことを心がけています。保護者の方もお子さんの様子をよく見て、がんばっていることを大いに評価してあげてください。「注意する」ことは、お子さんに接する機会があれば、大人は比較的誰でもできると思うのですが、「ほめる」ことに関しては、愛情を持ってお子さんを見守っている保護者の方に勝る存在はいないと思います。また、どこまでやればいいのか、ハードルやゴールを見守ることも保護者の方の役割になるでしょう。
 低学年でも、確認・復習・組分けテストを受ければ、偏差値や順位などほかのお子さんと比較した情報が手に入ります。しかし、それだけを見るのではなく、ぜひお子さんの過去の様子や取り組み方も振り返ってみてください。それは、成績表だけではわからない、保護者の方だからこそわかる貴重な情報です。以前はできなかったのに、できるようになった点、上手に表現できるようになった点はあるはずなので、できたところをしっかりほめて、楽しく次の授業に向かえるようにしてあげてください。そのうえで、偏差値よりも「正答率」を参考に、設定した目標がクリアできたかどうかを振り返ってみましょう。
 最近はインターネットでさまざまな情報を調べる保護者の方も見受けられますが、そうした情報はしょせん他人の話です。保護者の方は、お子さんと誰よりも長く接しているはずなので、ご自身の見る目を大事にしてください。

今の学習がいつか役に立つときが来る 
結論を急がず、
長い目で見守ってほしい

 高学年にも当てはまることですが、学習は大きく分けて二つの種類があると考えてみましょう。一つは漢字や計算など、練習すればできるようになるもの。もう一つはサピックスの授業で扱うような、思考力や表現力を要求される深い理解が必要なものです。
 漢字や計算などの練習が必要なものは、低学年から取り組んだほうが望ましいのは確かです。練習してできるようになったという経験があると、学習が楽しく思えるようになることもあります。家庭学習の習慣をつけるという意味でも、毎日少しずつでも継続してできるとよいでしょう。
 まず、同じ曜日の同じ時間帯に同じ教科を学習するように決めると、習慣にしやすいと思います。そのうえで、低学年の学習時間は、5分・10分という短い単位で見ていくことが必要です。短時間でもしっかり取り組めているようなら問題ありません。このようにして、ある程度レールに乗せることができれば、その後も継続して学習することができます。
 一方、深い理解を要求される難しい問題に低学年で取り組むと、個人差が出てきます。少し考えて解けるお子さんもいれば、考えてもなかなか正解にたどり着けないお子さんもいます。しかし、低学年の段階では、できなくてもまったく心配することはありません。たとえ正解までたどり着かなかったとしても、考えたことは経験として残ります。高学年になったときに、その経験が生きてくると考えてください。
 どうしても“目先の効果・結果”を期待してしまう部分もあるでしょうが、学習は「続ける」ことに意義があります。今学習していることがいつ役に立つかわからないので、結論を急がず、長い目で見ていただければと思います。それが、低学年の学習を見守るうえで、最も大切なことだといえるでしょう。

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