受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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 計算ミス、問題文の読み誤り、答えの写し間違いなど、ケアレスミスで点数を落としてしまうのは、本当にもったいないことです。入試本番であれば、一つのミスが合否にかかわることもあります。ケアレスミスを減らすためには、どのようなことに気をつけたらよいのでしょうか。用賀校校舎責任者にアドバイスを頂きました。

第115回「ケアレスミスを減らすには
どうすればよいか」
回答者/用賀校校舎責任者

ミスの原因を「分析」、
それに応じて「改善」
「正確さ」「ていねいさ」を意識し、
時間をかけて練習を

 「ケアレスミス」は、注意していれば防げる間違いです。しかし、人間がやることにはミスが起こりうるので、100%なくすことは不可能だと思われます。そこで、「ケアレスミスとどのようにつき合っていくか」を考えることが必要になります。
 まず始めたいのは「反省」と「分析」です。ミスのなかには、ケアレスミスだけではなく、知識不足や理解不足が原因のものもあります。その二つを混同しているケースもあるので、どれがケアレスミスなのかをきちんと分けて、実際にどんなミスをしているのかを分析します。
 そのうえで取り組むのが、「改善」と「工夫」です。たとえば、筆算のミスが多い場合は、「意識して位をそろえる」「繰り上がりの数字をはっきり書く」ということに特に気をつけるようにします。漢字の形はわかっていても、「とめ・はね」があいまいな場合は、書き取りを10回練習するところを5回に減らしてもいいので、少し大きめにゆっくりと書いてみます。
 このように「正確さ」「ていねいさ」を意識することが、ケアレスミスを防ぐには何よりも大切です。テストでは解き急いで間違えることが多いと思いますので、家庭で問題を解くときには、ていねいに細かい部分まで注意して取り組むようにしましょう。家での練習では、多少時間をかけても構わないので、正確さを重視していくことを目標にしてください。同じ問題意識を持って繰り返し取り組んでいくと、解くスピードも徐々に上がっていくはずです。

日常生活での行動もていねいさを意識
地道な努力が
「きちんとできる」という成果を生む

 「反省」「分析」「改善」「工夫」という一連の流れを繰り返すことで、ケアレスミスを減らす効果は期待できますが、お子さんだけで取り組むのは容易ではありません。最初はやはり保護者の方のサポートが必要です。「今回はどんなミスをしたのか」「ミスの原因は何か」を一緒に確認しましょう。この作業をすることで、お子さんがケアレスミスを「自覚」できるように導きます。
 そして、どうしたらよいか指示を出し、それが継続できているかを保護者の方と共に確認します。高学年はテストで正答率50%以上の問題、低学年は授業で△や×がついた問題を見直すとよいでしょう。最終的には、お子さんが自分で完結できるようになり、保護者の方は温かく見守る、というのが理想です。
 保護者の方が特に注意しなくてはならないのは、精神論だけで終わらせないことです。つい「気をつけなさい」「もっとしっかりしなさい」などと言ってしまいがちですが、それだけでは何も変わらず、次に同じミスをする可能性もあります。「数字の書き写しでミスが多いから、『0』と『9』、『1』と『7』をていねいに書き分けよう」というように、「具体的な改善策」を示してあげてください。
 ケアレスミスが多いお子さんは、実は、日常生活からていねいさが足りないというケースも少なくありません。「玄関で脱いだ靴をそろえない」「洋服や靴下を部屋に脱ぎっぱなしで置いておく」「勉強する机の上がいつも散らかっている」など、思い当たることもあるかもしれません。そのような日常生活での行動も、意識して改善していくことがお子さんの成長につながり、勉強する姿勢にも変化をもたらすと考えられます。「机の上の勉強だけが特別」ではないのです。
 ケアレスミスに対しても、低学年のうちから対策するのが望ましいので、まずは日常生活での行動を改善していくとよいのではないでしょうか。この場合も「脱いだ靴下は洗濯しなくてはならないから、洗濯かごに入れようね」などと、具体的に指示を出し、それができるようになったら、ほめることも忘れないでください。
 ケアレスミスで落としてしまった問題は、本来ならできるはずのものです。時間と手間はかかるかもしれませんが、地道に改善策に取り組めば、「きちんとできる」という成果につなげることができます。「地道な努力がいちばんの近道」ということを理解したうえで、根気良くサポートしてあげてください。

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