受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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 中学入試の社会科では、必ずといっていいほど時事問題が出題されます。その年に起こったニュースが問題に反映されるため、どのように学習したらよいか悩むご家庭も多いのではないでしょうか。今回は、時事問題の学習の進め方について、柏校校舎責任者に伺いました。

第121回「時事問題の学習を
どのように進めたらよいか」
回答者/柏校校舎責任者

生活に直結する身近な問題や
世界で起きている問題に注目する

 中学入試で時事問題が出題されるのはなぜでしょうか? それは、子どもたちにも、いろいろなニュースを他人事ではなく、自分にかかわることとしてとらえてほしいからです。今、日本や世界で起きている問題に注目することが、より良い未来を生きていくことにつながります。世の中では、人々の活動で、また自然現象で、さまざまな事件が起こります。そのことがわたしたちの生活にどのような影響を及ぼすかを、自分の下に引き寄せて考えることは大切です。今を生きていく子どもたちに、日ごろから知って考えてもらいたいから、時事問題が出題されるといえます。
 では、どのように学習すればよいのでしょうか? それは難しいことではありません。たとえば、サピックスで昨年度、「小学生に知っておいてほしいニュース」について、私立中学校の先生にアンケートをとったところ、第1位は「消費税の税率アップ」でした。消費税は8%から10%に上がり、軽減税率も適用されました。子どもたちは、このニュースを聞いたときにどう思ったでしょうか。「消費税が上がるなんて、今までより負担が増えて嫌だ!」などと思ったお子さんもいるのではないでしょうか。物を買ったり、サービスを受けたりするときに必要な支払いに関係しているだけに、消費税は子どもたちにとっても身近な問題です。
 それだけに、ぜひ「どうして?」と疑問に思って、考えてもらいたいのです。増税は、もちろん理由があって行われるものです。「どうして消費税が上がったのだろうか?」「軽減税率って何? どうして導入されたの?」という疑問を持ってもらいたいのです。そして、それらの疑問を解決するために調べたり、家族で話し合ったりすることが、時事問題の学習になります。
 先ほどのアンケートの第2位は、「米中などの貿易摩擦について」でした。一見すると、アメリカと中国で起きていることなので、日本は関係ないと思われがちですが、今、世界はグローバル化しています。どの国もみんなつながっているので、他の国で起きたことが、日本にも影響を与えることが多いのです。
 5年生の後半に、歴史で世界恐慌について学びます。世界恐慌はアメリカのニューヨークで始まりましたが、瞬く間に不景気が世界中に広がり、日本もかなりの影響を受け、十五年戦争につながっていったことは、6年生だったら知っていると思います。今はその時代以上に世界がつながっているといえるので、世界で起きていることも自分のこととして考えてもらいたいところです。

時事問題の学習で大切なのは
「疑問」を持ち、「調べ」「考える」こと

 今起こっているニュースを理解するためには、地理や歴史、公民の基本的な知識を知っていなくてはなりません。たとえば、台風が来て大雨が降り、洪水になった場所があったら、『アトラス』を開いてみましょう。地形を見たときに、何か気づくことがあるはずです。また、昨年、韓国からの訪日観光客が大幅に減ったとニュースで流れました。子どもたちには、そこで「なぜ?」と思ってほしいのです。ここには、歴史・公民にかかわるさまざまな問題があります。コンビニの24時間営業の見直し問題も話題になりました。アルバイトが集まらないために店長が休みなく働くなど、公民の人権に関する問題にもつながっています。つまり、ただニュースや新聞などを見るだけではなく、塾や学校で学んだこととどう関係があるかを考えながら学習することが大切です。
 これから時事問題を学習するに当たって、今までのことが変わり、それによって生活も変わるようなことに注目してください。消費税の税率アップがまさにそれに当たります。また、目まぐるしいスピードで変化する世界情勢にも注目する必要があります。
 時事問題の学習では、単に地名や人名、用語を覚えるだけではなく、現実の社会について自分なりに理解をして、自分なりの考えを持ち、そのうえでどのように行動するべきかを学ぶことに大きな意味があります。ですから、いちばん大切なのは、「疑問」を持ち、「調べ」て、自分の頭で「考える」ことといえるでしょう。
 サピックスでは、毎年秋に『重大ニュース』という時事問題の本を出版しています。6年生は主に正月特訓で『重大ニュース』を使って学びますが、4・5年生でも役に立つと思いますので、ぜひご家庭でも活用してみてください。

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