受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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 お子さんに合った志望校を選ぶことは、受験生活を送っていくに当たって、重要な意味を持ちます。親子で学校見学に行くことも多いと思いますが、お子さんが心から「この学校に行きたい」と思える学校を見つけるためには、どのようなことに気をつけたらよいのでしょうか。今回は志望校選びのポイントについて、吉祥寺校校舎責任者にアドバイスを頂きました。

第122回「志望校を選ぶ際の
ポイントは?」
回答者/吉祥寺校校舎責任者

選択肢を広げて、4・5年生で学校を見学
「通っている生徒」の様子に注目

 志望校選びの第一段階として、4・5年生のうちに、できるだけ幅広く学校を見学しておきましょう。初期段階で男子校・女子校か共学校か、あるいは進学校か付属校かという学校のタイプを決めるご家庭も多いかと思いますが、その枠にあまりとらわれずに、選択肢を広げておくことをお勧めします。最初からタイプを絞ってしまうと、学校の数も限られてくるため、お子さんに合った学校を見つけることが難しくなってしまうケースもあります。
 通学時間や偏差値についても、幅を持たせて、多くの学校を候補として考えてください。距離的に離れた学校でも、実際に行ってみると、「スムーズに行けて、通学にも負担がなさそうだ」ということもあります。偏差値についても、その時点では離れていたとしても、自分に合う学校が見つかれば、「ここに通いたい」とがんばって、入試当日まで力を伸ばすこともできます。
 学校の見学に行った際には、保護者の方は、大学の合格実績やカリキュラム、校長先生が話す教育理念などに目が向くと思いますが、何よりも「通っている生徒」を優先して見てください。中学・高校の6年間は、友だちから最も大きな影響を受ける時期であり、子どもにとって、学校は「生活の場」であるという意識が強いものです。子ども同士のかかわりで大きく成長できるので、どういう生徒が通っているのかをよく見ることが重要になります。見学できるのは文化祭や体育祭などの行事が多いのですが、どうしても特別な雰囲気になるので、ふだんの授業の日に学校の近くに行き、生徒の登下校の様子を見てみるのも一つの方法です。
 そして、学校や生徒の様子を見て、お子さんがどう感じるかを第一に考えてほしいと思います。初めて行った学校で、お子さんが「ここは全然違う」と感じることもあります。その学校は、保護者が気に入っていたとしても、お子さんには合わない可能性が高いはずです。実際に学校に通うのはお子さん自身ですから、志望校選びでは、お子さんの気持ちを尊重することが最も大切です。

6年生の秋以降、志望校の変更は慎重に
子どもの気持ちを尊重し、全力で応援して

 6年生の秋からはSS特訓が始まるので、それまでには志望校を固めておきたいところです。当然、第一志望校に考えている学校はあるでしょうが、その時点で「一つ」に絞るのではなく、いくつかの学校を「志望校」として考えておくのがベストです。その学校のうち、どこに通うことになったとしても、お子さん本人が納得できるようなところを選べるのが理想的だと思います。
 それ以降の志望校の変更には、慎重に対応しなくてはなりません。極力、変更しないようにしたいところですが、どうしても変更しなくてはならなくなっても、「偏差値が足りないから、この学校に変えよう」などと言うのは、保護者の方が最もしてはいけないことです。「あなたにはこの学校のほうが向いているよ」と勧めれば、お子さんも「がんばろう」と思えるのではないでしょうか。
 9月以降は過去問を解くようになりますが、入試問題には「こういう生徒がほしい」という学校の思いが込められていることも多く、入試問題の特徴や出題傾向から志望校の教育理念や学校のカラーを探ることもできます。お子さんと入試問題との相性が良くないと感じたときは、「最初は慣れていないから、解けないのは当たり前」と前向きに考えて、がんばってほしいのですが、「まったく合わない」場合は、志望校の変更を考えなくてはならないかもしれません。また、お子さん自身が、志望校に対して自信を失ってしまうこともあるかもしれません。そのようなときは、迷わず講師に相談してください。
 模試の結果に一喜一憂して志望校を変えるという姿勢は避けたいところです。模試はあくまでも練習であり、入試の結果と必ずしも結び付くものではありません。保護者が慌てて余裕をなくしてしまうと、お子さんの気持ちも不安定になってしまいます。お子さんが「この学校に行きたい」という強い気持ちを持つことが、結果につながる一つの要素にもなります。保護者の方は、お子さんの志望校に対する気持ちを尊重し、全力で応援してあげてください。

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