受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあ何でも相談室

 子どもの成績がジェットコースターのように乱高下する、と悩む保護者の方は少なくありません。多くの方は成績の数値だけを見てしまいがちですが、大切なのは、しっかり見直しをして、どのように対策するかということです。テストの解き直しと振り返りで気をつけることや、保護者のサポートの仕方について、東戸塚校校舎責任者にアドバイスを頂きました。

第130回「成績が安定しない場合の対策は?」回答者/東戸塚校校舎責任者

間違い直しは早めにやる習慣をつけて
基礎から標準レベルの問題をカバー

 まず保護者の方にお願いしたいのは、「点数や偏差値にとらわれ過ぎない」ことです。5年生の前半くらいまでは、試験当日のコンディションや問題との相性によって成績が乱高下するのは、ごく普通のことです。偏差値やコースが上下するたびに一喜一憂していては、保護者の方の身が持ちません。
 点数や偏差値といった数値よりも大切なのは、答案の中身に向き合うことです。大人でさえ、自分のミスや欠点に向き合うのは苦痛ですから、小学生であればなおさらです。放っておくと、ほとんどのお子さんは、それをなかったことにしてしまいます。しかし、当然ですが、間違い直しをせずに放っておいたら、同じ間違いを繰り返します。また、テストの解き直しを後回しにすると、ますます直すのが苦痛になるうえに、間違えた理由がわからなくなったり、問題自体を忘れてしまったりして、直しと振り返りに何倍もの時間がかかるようになってしまいます。間違い直しは早めにやる習慣をつけましょう。「嫌なことは先に済ませる」。これを心がけると、学習がうまく回るようになります。
 ただし、直しには時間を掛け過ぎないように気をつけてください。難しい問題は後回しでも構わないので、基礎から標準レベルの問題について、4教科ともしっかりカバーするようにしましょう。たとえば算数であれば、小問1問を解き直す時間は3~4分程度にして、それでも答えが合わなければ、解説を参照しながら解き直してみます。1教科全体では、テストの演習時間とだいたい同じ時間内でやれるところまでやるのがよいと思います。
 「基礎から標準レベルの問題」と「無理に直しをしなくてもよい問題」の選別が妥当であったかは、各問題の正答率や「出題のねらいと講評」を見てチェックします。無理に直しをしなくてもよい、とお子さんが判断したにもかかわらず、正答率が高かったり、「出題のねらいと講評」に「必ずできるようにしておきましょう」などと書かれていた問題は、お子さん自身が苦手としている内容なので、しっかりと考え方を確認するようにしてください。

「失敗は成功の糧になる」
子どもの成長した点を探し、ほめることに徹して

 間違い直しをした際には、ミスの原因を確認し、それを防ぐ方法を考えて、ふだんの学習でも実践して習慣化するようにしましょう。たとえば、繰り下がりの計算でミスをしてしまうことが多いなら、繰り下がりの計算が出てきたときだけでも確かめ算をするようにします。テストのときだけでなく、『基礎力トレーニング』に取り組むときや、授業中に問題を解くときにも実践してください。つまり、自分がよくやってしまうミスについてお子さん自身に自覚を促し、落ち着いて取り組めば正解できるはずの問題を、きちんと正解までたどりつけるようにしていくのです。これは一朝一夕にできるようにはならないので、なるべく早い段階から意識づけしていくことをお勧めします。
 毎回ていねいにテスト直しと振り返りを行ったとしても、お子さんは同じ間違いを繰り返すものだということも、保護者の方にはぜひご理解いただきたいです。大人であれば、経験を積んでいるので、ミスをしたときにそれを回避する方法を考えて、同じようなことを繰り返さないかもしれませんが、お子さんたちは今まさに、さまざまな失敗を経験することを通じて、同じようなミスを繰り返さない方法を少しずつ身につけている最中です。保護者の方に「なんで同じ間違いを繰り返すの」「なんでできないの」と言われてしまうと、お子さんは、ミスをなくそうと努めていることや改善したいと思っていることさえも認めてもらえていないと感じ、自尊心を傷つけられ、モチベーションを大きく下げてしまいます。
 保護者の方は「だめ出しをしても良いことはない」と割り切って、以前と比べて成長した点を探してあげてください。できるようになったことをなるべく細かく、具体的にほめてあげると、お子さんは「数字だけで判断せず、きちんと自分を見てくれている」と感じて、大いに励みになります。「テストはほめる材料を探すために利用する」「失敗は成功の糧になる」というようにおおらかに構えて、長い目で温かく見守ってあげてください。

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