受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあ何でも相談室

 なかなか勉強に取り組まないお子さんの様子を見ると、保護者の方がつい感情的になってしまうこともあるかと思います。結果として、親子の距離が離れてしまうという事態も起こり得るのではないでしょうか。「干渉し過ぎず、離れ過ぎず」という、適切な距離を保つためにはどのようなことを心がけたらよいのか、国立校校舎責任者に伺いました。

第132回「子どもとの適切な距離を保つには
どうすればよいか」
回答者/国立校校舎責任者

「子どもが主役」だと認識し、サポート役に
低学年の子どもの話をしっかり聞いて、
考えを確認

 子どもと大人との間には、意識のずれがあります。たとえば、「入試本番まであと2年」となると、保護者は「もう2年しかない」と焦ってしまう方も多いのですが、子どもにとっては、「まだ2年もある」遠い世界のことという感覚です。低学年の保護者でも、「子どもをこの学校に入れたい」と早くも期待を掛けている方もいますが、まだ「中学受験が何か」ということも理解できていない子どものほうが多いのが現状です。
 低学年からサピックスで学ぶ目的は、まずは「勉強を楽しむ」ことではないでしょうか。保護者の方には、お子さんが「今やるべきことを一つひとつ積み重ねていく」ことを第一に考えていただきたいと思います。
 学習は「子どもが主役」だとあらためて認識して、保護者はサポート役に徹してください。親子がべったりし過ぎると、親が主役になってしまう可能性もあります。一方で、「サピックスのテキストをやっていれば大丈夫」と手を離し過ぎても、お子さんが孤独を感じてしまうかもしれません。
 低学年のお子さんはまだ語彙が少ないので、考えを聞いても、うまく説明できないこともあります。保護者の方は最後までしっかりと話を聞いて、「それはこういうことかな」とお子さんに確認してみるとよいでしょう。途中で保護者が自分で結論を出してしまってはいけません。お子さんの表情も見ながら、何を考えているのか、正しく察知するように努めてください。
 また、お子さんの考えが間違っていても、それをいったんは受け入れる雰囲気をつくることも大切です。そこから、何が正しいのかを一緒に探すようにしてみましょう。低学年のうちは、保護者の方がお子さんと特にしっかり向き合える時期なので、さまざまなことを「一緒に経験する」という姿勢で接するのがよいと思います。

高学年でも「家庭で何をしているのか」を把握
試行錯誤を続け、
子どもに合う勉強の進め方を探す

 高学年になると、保護者が勉強を教えることは難しくなってきます。そうすると、だんだんと距離が離れていき、お子さんが「どうして自分だけがいろいろなことを我慢して、がんばらなければならないんだ」と感じて、気持ちまで離れてしまうことがあります。
 そこで、「一緒にがんばる」という雰囲気をつくるために、家族で決めたルールを共有することをお勧めします。たとえば、「お父さんが家族の靴をそろえる」と決めたら、それを毎日守るのです。保護者の方も仕事をがんばっていらっしゃるわけですが、家庭ではそれが見えないので、お子さんが見てわかるものを設定します。家族のがんばりをお子さんが目にして、そのルールについてみんなで話し合うことで、一体感が生まれるのではないかと思います。
 また、特に5・6年生では、「勉強面はサピックスに任せている」というご家庭も多いかと思いますが、講師が把握しているのは、授業中の様子やテストの成績の推移です。ご家庭でのお子さんの様子は、保護者の方にも気をつけて見ていただきたいと思います。時間が作れるときには、家庭学習のノートをチェックして、「今どんなことをやっていて、どの程度理解できているのか」を把握することも大切です。
 お子さんは一人ひとりタイプが異なるので、保護者が考える勉強法がそのお子さんに合うのかどうかはわかりません。兄や姉の受験のときにはうまくいった進め方だとしても、それが弟や妹には合わない場合もあります。「こうだ」と決めつけるのではなく、どういう勉強の進め方がよいのかを探し、試行錯誤を続けていくことが、お子さんに見せられる「保護者の姿」なのではないでしょうか。
 保護者の役割は“ピアノの伴奏”だと思います。主役であるお子さんを一歩引いたところで見守り、引き立たせる役割を担うのが理想的です。もし親子の距離感に悩んだら、そこに講師が入ることで改善できる場合もあります。保護者の方からの相談にきちんと対応することもわたしたちの重要な役割ですので、ぜひサピックスを積極的に「使って」いただきたいと思います。

ページトップ このページTopへ