受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあ何でも相談室

 社会科は日常生活と密接にかかわっている教科です。お子さんが自分から興味を持ってくれるのが理想ですが、保護者の方が少し意識しながら接することが、お子さんが興味を持つきっかけになることもあります。地理・歴史・時事問題に興味を持たせるために、どのようなことを心がけたらよいのか、白金台校校舎責任者にアドバイスを頂きました。

第133回「社会科に興味を持たせるために
保護者ができることは?」
回答者/白金台校校舎責任者

親子で体験することが興味を引き出す
ふだんの生活でも、学んだことを意識して

 社会科に興味を持たせるために大切なのは、親子で一緒に体験をすることです。地理を例にとると、益子焼の体験をしたことがあれば、栃木県の益子町は陶磁器の生産が盛んだと思い浮かびやすくなります。現在は、旅行などで少し離れた地域に出掛けるのは難しい状況なので、各地の特色を紹介するテレビ番組やインターネットの動画を見るのもお勧めです。
 ふだんの生活のなかでも、興味を広げられる材料はいろいろなところに存在しています。一緒にスーパーに買い物に行ったときに、野菜や果物の売り場で「これはどこで作られているかな?」と一つひとつ確認してみるのもよいでしょう。そのなかで、同じ野菜や果物でも季節によって産地や値段が異なり、場合によっては外国産のものが売られていることに気がつくでしょう。日常生活のなかで「なぜ?」と疑問を持ったり、お子さんが新しい発見をしたりすることが、社会科に興味を持つきっかけとなります。
 また、3・4年生のサピックスのテキストには、授業で学んだことを、家庭で実際に体験してみる方法が紹介されています。たとえば、繊維について学ぶ回では、「洋服のラベルを見ると、作られた国がわかる」ということが載っています。そこで、保護者の方がお子さんと一緒に洗濯物を畳みながらラベルを確認すると、学んだことが印象に残りやすくなるでしょう。
 歴史についても、博物館に行って実物を見ると、その時代の社会の様子をイメージしやすくなります。行けない場合は、歴史もののテレビ番組や資料集などを一緒に見て、感想を話し合うのもよいでしょう。映像や写真などから入ってくる情報によって、「この時代はこんな服装や髪型だったんだ」とビジュアルで理解できるという利点もあります。
 歴史では、戦国時代など特定の時代に興味を持つお子さんもいるでしょう。その場合は、読みたい本や好きな人物の伝記などを読んで、興味の幅を広げていくのがよいと思います。
 異なるアプローチとしては、まずは授業中のデイリーチェックなどで得点できるようにすることで、社会科に興味を持ちやすくするという方法もあります。そのためには知識を覚えることも必要ですが、デイリーステップを活用して、親子でどちらがたくさん覚えられるか競ったり、クイズ形式で問題を出し合ったりすると、楽しく取り組めると思います。
 また、副教材も上手に活用してください。保護者の方は、テキストの問題を進めてほしいと思われるかもしれませんが、地図帳『アトラス』を眺めながら県境をなぞったり、歴史の資料集を読んで重要な語句に印をつけたりする時間も大切です。そうすると、関連する事柄が頭の中でつながってくることもあるのです。

親子で共通の話題について話し合い
子どもの発信したい気持ちを尊重する

 時事問題に興味を持たせるためには、親子で一緒にニュースを見るなどして、それぞれの考えを話し合ってみてください。取り上げられている話題に対して、保護者の方が経験してきたことを話してあげると、それを聞いたお子さんは「自分にかかわりのあること」だととらえられるようになります。保護者の方はお子さんに「理解させよう」とするのではなく、「ぼくはこう思う」「わたしはこう思う」と感じたことを話してください。そのように、親子で共通の話題について考えることが、お子さんの記憶に残るとともに、親子のコミュニケーションにもなります。
 社会科では、最低限の知識を覚えることが前提ですが、自分の中にある知識をつなぎ合わせて考えていくことが重要です。そこから発展させて、「自分はどうしたらいいと思うか」を考える姿勢を問う問題が、入試でも多く出題されています。
 保護者の方には、お子さんが「今日の授業でこんなことをやったよ」と発信したら、その「聞いてほしい」という気持ちを大切にしていただきたいと思います。点数や習熟度だけをチェックするのではなく、「どんな話を聞いてきたの?」「それについてどう思ったの?」と尋ねて、会話を広げるように心がけてください。考えたことを理解してほしい、感じたことを伝えたい、という思いが、お子さんの興味の世界を広げ、自分の考えを表現できる力にもつながっていくでしょう。

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