受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

さぴあ何でも相談室

 お子さんが「なぜ勉強するのか」ということを自分で理解していなければ、やる気は湧いてこないものです。目標を持たせるためには、志望校を決めることが最も重要ですが、お子さんが納得できる学校を選ばなくてはなりません。モチベーションアップにつなげられるような志望校選びについて、千里中央校校舎責任者に伺いました。

第134回「志望校の選択を
モチベーションにつなげるには?」
回答者/千里中央校校舎責任者

4~5年生で時間をかけて親子で話し合い
6年生の初めには目標とする学校を決定

 志望校については、6年生がスタートする時点で、具体的に目標とする学校を決めておくのが理想です。そのためには、4~5年生のうちに情報を幅広く収集し、じっくりと時間をかけて、親子で意見をすり合わせていくのがよいと思います。
 そもそも、大人と子どもでは学校選択の基準が違います。保護者の方は、教育方針や大学への進学実績などを重視しますが、小学生にとって教育方針は漠然としており、6年先の大学進学もイメージしにくいものです。保護者の思いだけをお子さんに押し付けてしまってはいけません。一方、子どもは、身近な友だちから聞いたことに影響を受けやすく、「あの子が行くならわたしも」というふうに考えがちです。それがモチベーションになることもあるのですが、偏った情報だけで判断するのは危険です。
 インターネットの情報なども含めて、それだけをうのみにするのではなく、実際に学校に足を運んで、自分で見たり聞いたりしたことを大切にしてください。「どのような取り組みをしているか」に注目してみると、学校ごとのカラーがわかるかと思います。伝統を守っている学校もあれば、新しいことに積極的に挑戦している学校もあり、それには理由があるはずです。
 また、受験生向けのイベントに参加するのはもちろんですが、在校生のふだんの登下校の風景や部活動の様子などを見てみるのも参考になります。お子さんがどんなところに興味を持つかはわからないので、親子でいろいろなことを話しながら、何か気に入った点がないか探してみてください。志望校はすぐには決まらないのが当たり前なので、親子共に納得できるように、十分に時間をかけて話し合うことが大切です。
 このときに避けたいのは、「初めから選択肢に入れない学校」を保護者の方が決めてしまうことです。お子さんがめざしたい気持ちがあるのに、「この偏差値では絶対に受からない」「あなたには難しい」などと否定してしまうと、その学校をめざすことすらできず、親子間にしこりが残る可能性があります。特に4~5年生のうちはまだまだ成績は変動するので、その時点で判断しても参考になりません。
 お子さんにとって重要なのは、「どの学校に入るか」ではなく、「どのような6年間を過ごすか」ということです。たとえ志望校にチャレンジして失敗したとしても、お子さんが納得できる受験であったなら、充実した中学・高校生活を過ごせると思います。

自分の意思で「目標に向かって努力した」経験が
その後の人生に生きる貴重なものになる

 結果的に合格か不合格かで判断されるのが受験なので、それで成功か失敗かという見方があることも事実です。しかし、一定の期間、自分で決めた目標に向かって努力したという経験は、合否という結果にかかわらず、その後の人生に生きていく貴重なものだと考えます。だからこそ、お子さんの意思で志望校を決めることが重要になってきます。
 とはいえ、保護者の方がお子さんの「本音」を理解するのは、なかなか難しいことかもしれません。反抗期が始まり、親に本音を言わないお子さんもいるでしょう。また、お子さんの気持ちが時期によって変わり、志望校を変更することもあるかと思います。そのような場合には、サピックスの講師を通して話し合うと、客観的な意見が見えてくることもあるので、悩んだり迷ったりしたら、ぜひ講師に相談してください。
 中学受験は、親子の共同作業としては最後の機会ともいえるので、良い思い出にできるようにしていただけたらと思います。後悔があったとしても、それが次へのモチベーションになるようであれば、「良い受験だった」と言えるのではないでしょうか。受験が終わった後には、家族で「あのときはこうだったね」と話し合い、受験生活を総括することも忘れないでください。
 また、受験は「勝ち」をめざしてがんばるからこそ、勝ち負け以外の大切なことを学べるところに意義があると思います。受験を通じて、家族や周りの人の支えに感謝する気持ちを持つことも大切です。そのような実りある受験にできるように、わたしたちも全力でサポートします。一緒にがんばっていきましょう。

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