受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

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 9月になると、6年生は本格的な過去問演習に取り組みます。入試本番に向けた実戦的な学習であり、受験勉強の追い込みの時期に不可欠なものであることは、保護者の皆さんも認識されているかと思います。過去問演習のスケジュールをどのように立てたらよいのか、また、過去問を解くとき、そして解いた後にどのようなことに気をつけたらよいのか、武蔵小杉校校舎責任者に伺いました。

第137回「過去問演習をいつ、
どのように行えばよいか」
回答者/武蔵小杉校校舎責任者

基本は9~12月の4か月でひと通り完了
1週間に1~2年分の過去問に取り組む

 過去問演習は、基本的には9月から始め、12月末までにある程度終えておくのが望ましいと思います。そのスケジュールを立てる際には、まずどの学校を志望するのかを決めておくべきでしょう。たとえば、2月1日午前に受験する学校を2校のどちらかで迷っているとなると、過去問を両方やらなくてはならないという事態になってしまいます。併願校であればもう少し後に決めて、場合によっては1月に過去問を解いても構いませんが、少なくとも第一志望校、第二志望校は8月末までに決定し、12月までに過去問演習を終わらせておきたいところです。
 また、「何が何でも過去問をやる」と、過去問演習を最優先に考えるご家庭も時々見受けられますが、「SS特訓を中心とする授業の復習」のほうが大事です。順位としては「復習の次に過去問演習」という位置づけになります。復習の時間をきちんと確保しながら、家庭学習のスケジュールに過去問演習を組み込むようにしてください。
 何年分の過去問を解けばよいのかは、一概には言えません。社会については、10年前の問題ではデータが古く、あまり意味がない場合もあるなど、教科によって異なり、また学校によっても異なるので、各教科の講師に相談してみるとよいでしょう。大まかなパターンとして、仮に第一志望と第二志望の学校の過去問をそれぞれ10年分解くとすると、合計20年分になります。9月から12月の間にすべてを終わらせるためには、1週間に1~2年分に取り組むことになります。
 授業のスケジュールを考えると、土曜日の午前中、あるいは月・水・金曜日に過去問演習の時間を設定するとよいと思います。初めのうちは、必ずしも1年分の4教科をまとめてやらなくても構いませんが、12月、1月に解く場合は、ある程度本番を想定して、入試と同じ時間割・時間帯で、休み時間も本番に合わせ、4教科を続けてやってみるようにしましょう。

“解きっ放し”ではなく、解き直しの時間も確保
点数よりも「問題の傾向をつかむ」ことが大切

 志望している学校の過去問は、「解きたい」と思うお子さんが多いのですが、「過去問を解く」ことが目的なのではありません。間違えた問題の解き直しをしなければ、演習の効果がなくなってしまいます。家庭学習のスケジュールには、過去問の解き直しの時間も確保するようにしてください。解き直しには、試験の設定時間より長い時間を掛けることがないよう注意しましょう。“解きっ放し”を防ぐために、過去問解き直しのノートを作ることをお勧めします。そうすると、入試の直前まで、いつでも見返すことができて便利です。
 過去問を解くと、「その年の合格最低点に届いているかどうか」にこだわるお子さんや保護者の方もいますが、過去問は過去問であり、本番の入試ではないので、あまり当てにはなりません。大事なのは、「志望校の入試問題の傾向をつかむ」ことです。点数に一喜一憂することなく、「この単元がよく出題されている」「このようなタイプの問題が出ている」ということを確認して、その後の対策に生かしてください。
 数年分の過去問をやってみて、どの年度でも解けない問題が多く、〇がつくのが2~3問ということが続くと、不安になるでしょう。そういうときは、その学校の過去問を解く時期をずらしてみてもよいと思います。11月以降になると、SS特訓で実戦力もついてくるので、驚くほど解けるようになることもあります。また、過去問演習がひと通り終わったら、もう1周やるかどうかは、学校や年度によって判断が異なります。この場合も、迷ったら教科の講師に質問してみてください。
 過去問は「ただ解けばいい」というものではありません。本番の入試と同じように、決められた時間内で取り組むことで、どの問題から解き始めたらよいか見極めたり、見直しをしたりする訓練にもなります。保護者の方には、4か月間のスケジュールを立てて、途中の状況を見ながら、どの学校のどの年度、どの教科から解くか調整をする役割を担っていただければと思います。さらに、毎週きちんと取り組んでいるか、解き直しをおろそかにしていないかを確認することも忘れないでください。

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