受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

そこが知りたい!


合格の鍵を握る最後の10か月
サピックスは「受験学年」を
こう指導する

 「あこがれのあの学校に通いたい」という気持ちがあれば、受験勉強に対する意欲が湧いてくるものです。しかし、教育理念や校風、カリキュラムが異なる学校のなかから「わが子にぴったりの志望校」を見つけるのは、容易なことではありません。お子さんが充実した6年間を過ごせる学校を選ぶには、どのようにしたらよいのでしょうか。今回の「そこが知りたい!」では、志望校選びのポイントをさまざまな角度からご紹介します。

POINT1 知る 学校の特徴を理解する

志望校選び/四つのアクション

 お子さんにとって、中学・高校の6年間は、知識や教養を蓄えると同時に、心身共に大きく成長を遂げる大切な時期。その期間をどのような環境で過ごすか、また、そこでどのような教育を受けるかは、その後の進路や人生設計に大きな影響を与えます。それだけに、志望校選びは慎重に行いたいところです。多くの中高一貫校のなかから、お子さんが自分の力を発揮することができ、その力を最大限に伸ばしてくれる学校を見つけるためには、まず何から始めればよいのでしょうか。

 中学受験における志望校選びのポイントは、大きく分けて四つあります。まずやるべきことは、それぞれの学校の特徴を知ることです。以下に中学校の特徴をタイプ別に分類しました。各項目から、お子さんにふさわしいと思えるタイプを選んで組み合わせることにより、「私立」の「進学校」で「共学校」などといったように、具体的な学校像が見えてくるはずです。

 また、学校を知るための情報源についても確認しておきましょう。まず、冊子では『さぴあ』のような進学情報誌や、サピックス小学部が企画・編集する学校案内『中学受験ガイド』(6月上旬発行予定)、各学校の学校案内パンフレットなどがあります。

 一方、手軽に活用できる情報源としては、『さぴあ』やサピックス小学部、さらには各学校や私立中学高等学校協会などのホームページも役立ちます。

私立・国立・公立

 私立の学校は、教育理念や校風、カリキュラムなどにそれぞれの個性がはっきりと表れているのが最大の特徴です。「わが子にこんな教育を受けさせたい」というご家庭の教育方針に合っていて、受験する本人も「このような環境で学びたい」と考えていれば、有意義な学校生活が送れることでしょう。また、先生の異動が少ないのも私立の特徴で、同じ先生に中学・高校と引き続き教えてもらえる場合もあります。卒業後、10年、20年たって母校を訪ねても、公立なら異動によって会えない恩師にも、私立なら会える可能性もあります。そのことも大きな魅力です。

 一方、国立の学校は、多くの場合、大学の教育系学部の付属校として設置されており、一般的にレベルの高い授業が行われているため、人気を集めています。ただし、筑波大学附属中のように中高一貫ではなく、併設の高校に進学するためには、内部試験などの審査(8割程度が進学)を受けなければならない学校も少なくありません。この点は注意が必要です。

 そして、公立の中高一貫校(中等教育学校や併設型の一貫校)は、近年次々に開設され、注目を集めています。私立の中高一貫校と同様に、6年間を見据えたカリキュラムが組まれています。

付属校・半付属校・系属校・進学校

 付属校は、併設された大学や短大に無試験、または有利な条件で進学できるのが魅力です。受験勉強にとらわれることなく、クラブ活動や学校行事、興味のある勉強に打ち込むなど、ゆとりある学校生活を送ることができます。

 また、形式的には付属校でありながら、他大学への進学にも力を入れているのが半付属校です。このタイプの学校ならば、中学・高校に進学してからの進路変更にも柔軟に対応できます。卒業生の多くが、併設大学以外の大学に進学している学校もあります。なお、大学進学の際には、併設大学への被推薦権を保持したまま他大学を受験できる学校もあれば、他大学を受験する場合は、内部進学の権利を放棄しなければならない学校もあります。学校によって対応が異なるので、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。

 一方、系属校は大学と提携関係を結んでいる学校のこと。大学とは別の学校法人が運営している点は付属校とは異なりますが、実態は付属校と似ている学校もあります。代表的な学校は、早稲田実業学校中等部、立教女学院中、青山学院横浜英和中など。推薦によって提携している大学に進学できる割合は、学校によって異なるので、しっかり確認しておくことをお勧めします。

 これらに対して、大学・短大を併設しておらず、直接のつながりがないのが進学校です。大学に進学するには受験をしなければなりませんが、進路に関して制約がなく、進学先を自由に選択できるのはメリットといえるでしょう。

男子校・女子校・共学(別学)校

 一般的に、男子校・女子校は歴史の古い学校が多く、伝統に基づく教育が行われています。これに対し、比較的新しい学校が多い共学校・別学校では男女の相互理解などを重視している点が特徴です。また、最近は、男子校・女子校から共学校に移行する学校も増えています。

 なお、別学校とは、男女それぞれの特性を生かすために授業を男女別に行う一方で、校内行事やクラブ、委員会などでは男女が協力し合って一緒に活動する学校のこと。国学院大学久我山中、桐光学園中、かえつ有明中が代表的であり、別学にする期間は学校によって異なります。

キリスト教系・仏教系

 私立校のなかには、キリスト教系(カトリック系・プロテスタント系)や仏教系など、宗教を人間教育の基盤としている学校もあります。これらの学校のなかには、礼拝の時間を設けたり、宗教教育を行ったりしているところもありますが、生徒や保護者に信仰が強制されるわけではありません。実際には、宗教・宗派に関係ない生徒がたくさん在籍しています。また、キリスト教系の学校では、英語やフランス語などを中心に語学教育を重視しているところも少なくありません。

都心型・郊外型

 6年間通学することを考えると、学校の立地条件も考慮する必要があります。これは大きく都心型と郊外型に分けられます。都心型の学校は、通学に便利で塾などにも通いやすい反面、登下校の途中で〝誘惑〟が多いというデメリットがあります。一方、郊外型の学校は広大な校地を持つところが多く、伸び伸びと学校生活を送れるものの、自宅からのアクセスが悪いと、通学に時間が取られてしまうことがあります。自宅からの距離や交通手段をよく考えたうえで選びましょう。ただし、受験生本人に「この学校に通いたい」という強い思いがあれば、周辺の環境や多少の通学時間の長さは問題ではないかもしれません。

 なお、都心型か郊外型かにかかわらず、自宅から徒歩で通えない学校の場合は、2011年の東日本大震災のような大きな災害が起こると、交通機関がストップし、帰宅が困難になる恐れがあります。緊急時に学校がどのような対応を行うのか、きちんと確認しておくことも大切です。

伝統校・新興校

 戦前に設立された旧制中学・高等女学校の流れをくんでいたり、キリスト教や仏教の精神を基に創立されたりするなど、長い歴史を誇る学校も少なくありません。こうした伝統校は、独自の校風を形成しており、卒業生のネットワークが各界に張り巡らされていることが強みです。

 一方、比較的歴史の浅い新興校は、郊外に校地を構えることが多く、進学指導に力を入れて実績を伸ばしていたり、全国レベルで活躍している運動部があったり、それぞれの学校が特色を出しています。歴史の浅さはマイナス点かもしれませんが、逆にいえば、これから進学する生徒がその学校の歴史を切り開くことができるという点は大きな魅力です。

自由な校風・規律ある校風

 基本的に生徒の自主性に任せるという自由な校風の学校もあれば、生徒指導や学習指導に力を入れている規律ある校風の学校もあります。もちろん、自由な校風の学校でも、生徒一人ひとりに責任が求められますし、規律ある校風の学校でも、生徒の自主性を伸ばす方針であることには変わりありません。

その他

 中学校の特徴となるポイントはほかにもあります。寮や奨学生・特待生制度の有無、帰国生の割合や留学制度の有無、併設高校からの大学進学実績、クラブ活動、カリキュラム、入試科目(4科・3科・2科・適性検査型。面接の有無)などです。また、受験生の立場としては、偏差値(難易度)や、通学時の交通機関の混雑状況なども考慮する必要があるでしょう。

 なお、最近では、女子の学校選びが多様化する傾向があります。偏差値だけではなく、学校の特徴をよく見て、自分に合っているかを考えて選んでいるようです。

 また、学校のタイプにはあまりこだわらず、中身をよく見て選択した結果、「付属校」と「進学校」などを併願するケースも増えてきています。

わが家の志望校選び/チェックシート 該当する項目に○を付けましょう。
学習の流れ図

18年5月号「そこが知りたい!」シリーズ Vol.2:
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