受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

そこが知りたい!

合格までの
最後の10か月を完全解説
サピックスは「受験学年」をこう指導する

親子で一緒に学習プランを考え、
生活のリズムを整える

 長くて暑い夏休みで心配なのは、「夏ばて」と「中だるみ」です。学校に行く必要がないからといって、夜遅くまで机に向かい、翌朝遅くまで寝てしまっては、生活のリズムだけでなく、体調も崩す恐れがあります。夏休み中であっても、ふだんどおりの規則正しい生活を送るよう心がけてください。

 また、いくら夏休みといっても、無限に時間があるわけではありません。貴重な時間を有効に使うためには、夏休みに入る前に親子で一緒に状況を把握し、長期・短期両方のスケジュールを作るとよいでしょう。まずは「やるべきこと」の優先順位を決めて、夏休み全体の学習計画を考えます。そして、「サピックスがある日」と「サピックスがない日」のそれぞれについて、一日のタイムスケジュールを決めます。その際は、サピックスのホームページにある「マイページ」から、『夏休み学習スケジュール表』をダウンロードしてご活用ください。

 女子学院中に進学したA・Hさんのお母さんは、次のように話します。「夏期講習がない日は一日10時間の学習をめざしました。わが家では夏休み学習日記帳を作り、何にどのくらい時間をかけて勉強したかを具体的に記すようにしました。たとえば『コアプラス理科15分』などと記入し、その横に一日の学習時間の合計を記入。『今日は10時間達成できたね』など、学習量を目に見える形にできたのが、やる気アップにつながりました」

 夏休みのうちに自分に合った学習習慣を身につけておくと、秋から本格化する受験対策にも継続して生かすことができます。

 また、桜蔭中に進学したA・Yさんは、「わたしは朝が苦手でしたが、なるべく7時までには起きて、午前の早い時間に家庭学習に取り組むように心がけました。午後のサピックスの授業は時間が長いので、疲れることもありましたが、できるだけ集中して先生の話を聞き、家に帰ったら短時間で復習をして、夜10時半には寝るようにしました」と話します。授業に集中するためにも、朝は決まった時間に起きて、午前中に家庭学習をするという生活のリズムをつくることが大切です。受験本番を想定して、この機会にご家庭で生活スタイルを見直してみてください。

サピックス生が夏期講習で心がけたこと
サピックス生が夏期講習で心がけたこと図
 今春のサピックス卒業生が6年生の夏期講習を受講するに当たって心がけたこととして、最も多かったのは「苦手科目・分野を克服する」です。時間がとれる夏休みのうちに苦手を克服して、秋からの実戦的な受験勉強に備えようという姿勢が伝わってきます。次に多かったのが「復習を徹底する」こと。夏期講習を活用して、これまで十分に理解できていなかった部分をしっかり復習したいところです。「基礎力をつける」「先生に指示された問題は必ず解く」「全体的なレベルアップを図る」といった意見も多く見られました

生活のめりはりが大切 
前向きに努力できる環境に

 スケジュール作りで注意したい点は、予定を細かく決め過ぎないこと。「苦手科目を克服する」という目標を定めたとしても、やることを詰め込み過ぎて余裕のないプランでは、計画どおりに進まなかった場合に修正できなくなってしまいます。その日のうちに「やるべきこと」をすべて消化できなくても、翌日の午前中、もしくは次の週が始まるまでに遅れが取り戻せるよう、「予備の時間」を設けておくとよいでしょう。夏休みの折り返し地点となるお盆休みに、前半の進み具合をチェックして、後半のプランを再調整するのも一つの方法です。

 また、やるべきことが予定よりも早く終わったときに、「時間があるから、これもやっておこう」と、学習量を増やすことは避けるべきです。ただでさえ、お子さんはふだんから遊びたい気持ちを我慢して、がんばって勉強しています。せっかくやるべきことを終わらせたのに、空いた時間まで勉強を押し付けてしまうと、気持ちのゆとりがなくなってしまいます。せめて予定していた学習が早く終わったときくらいは、お子さんに好きなことをさせてリフレッシュさせてあげましょう。「がんばれば、お楽しみが待っている」と、前向きに努力できるよう、生活にめりはりをつけることが、やる気を引き出すポイントでもあるのです。

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 「家族が笑顔になれる時間が多くなるように心がけた」と話すのは、慶應義塾普通部に進学したH・Sくんのお母さんです。「息子が疲れているように見えたときは、家族でお笑い番組を見て、たくさん笑いました。少しの時間でも勉強のことを忘れて素直に笑うことで、すっきりした気持ちになれたようです。また、息抜きのためにキャッチボールもしましたが、息子との貴重な会話の時間ともなり、わたし自身も楽しませてもらいました」。また、麻布中に進学したR・Iくんは、「長時間勉強をしていると、運動不足になるので、毎朝ラジオ体操をしました。時には公園でミニサッカーをしたり、プールで泳いだりして、体を動かすことがストレス解消になりました」と振り返ります。

 6年生のお子さんをお持ちのご家庭で、夏休みを最大限に活用するために大切なのは、お子さんの心と体の様子をよく見ながら、健康管理に気をつけ、日々の生活に適度なめりはりをつけて効率良く学習できる環境を整えてあげることです。親子それぞれにとって、悔いのない夏休みにしましょう。

「継続は力なり」で、同じペースで「努力」することによって、
揺るぎない「自信」を持つことができる

 6年生にとって、夏は、「勝負の夏」「受験の天王山」といった表現をよく耳にします。夏休みは40日間ほどですが、この期間に積むことができる演習量は、学校があるときの3~4か月分といわれています。夏休みにどれだけ「努力」できたかによって、その後の学力、ひいては志望校の合格可能性が左右されることもあります。

 夏期講習では、主にこれまでの学習の総復習が行われ、18日間の講習を通して、どの教科でもひと通りの分野について学ぶことになります。苦手分野に向き合い、しっかり克服しましょう。具体的には、苦手な単元の授業の日は特に授業に集中し、復習に力を入れるようにしてください。

 夏期講習の次に行われる夏期集中志望校錬成特訓は、9月以降に始まる難関校SS特訓につながるもので、ここから本格的な志望校対策が始まります。まずは夏期講習でしっかりとした土台を作り、夏期集中志望校錬成特訓で入試を意識した実戦的な問題に触れることになります。

 では、実際に夏休みをどのように過ごせば、学習の効果がより期待できるのでしょうか。アドバイスは2点あります。

 一つ目は、「夏休み中も小学校があるときと同じように、毎朝きちんと起床して、毎日同じようなリズムで生活をする」ことです。「継続は力なり」です。夏期講習は午後なので、家庭学習をその日の夜に行い、その続きを次の日の午前中に行うことになります。そのとき、お子さんに合わせた睡眠時間を必ず確保してください。また、夏期講習から帰ってきて、だいぶ疲れているように見えるときは早めに寝かせ、翌朝早く起こして学習させるなど、お子さんの状態に合わせて対応してください。

 二つ目は、家庭学習は「漫然とすべてをこなす」のではなく、「授業中にある程度理解できたところ」と「きちんと復習しなければならないところ」を見極め、「重点的に復習するところ」を絞ることです。そのためには、「授業中にある程度理解できたところ」が多くなるように、そして「きちんと復習しなければならないところ」が少なくなるように、授業中にがんばって集中することが、とても重要になってきます。このことで、「重点的に復習するところ」をさらに絞れるようになります。SS特訓が始まる9月以降も、夏に定着した良い学習習慣を継続できるように「努力」を積み重ねてください。

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 秋以降になると、志望校合格に向けた最終段階に入っていきますが、学校行事と重なり、思うように学習がはかどらないことがあるかもしれません。そのようなときでも、「継続は力なり」で夏に積み重ねた「努力」、そしてそこから生まれる「自信」は、これからのさまざまな場面でお子さんを支えてくれます。そして、入試当日、どうしても緊張してしまうことはあるかもしれませんが、そのプレッシャーに負けず、「あれだけやったのだから、大丈夫」と思えるように、悔いのない充実した夏休みにしましょう。

教務部 野口 伊知朗

18年8月号「そこが知りたい!」シリーズ Vol.4:
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