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私立・国立とどう違う? 適性検査って何?中学受験の選択肢の一つとなる「公立中高一貫校」の疑問に答えます

 公立中高一貫校は、学校教育法の改正によって1999年に制度化されて以来、次々に開設され、現在は全国に100校以上設置されています(連携型を除く)。首都圏でも都立の伝統校が相次いで一貫校に改組され、難関大学への合格実績でも一定の成果を残しており、中学受験の選択肢の一つとして、多くの受検生を集めています。ここでは、公立ならではの特徴のほか、入学者の選抜方法とその受検対策について紹介します。

高い人気を保つ公立中高一貫校
大学合格実績も大きな魅力

 現在、首都圏(1都3県)には全部で21の公立中高一貫校があり、いずれも多くの受検生を集めています。特に千葉県の学校は応募倍率が高く、2018年度は、開校3年目の千葉県立東葛飾中が10.3倍、県立千葉中が9.0倍、千葉市立稲毛高等学校附属中が7.2倍となりました。

 神奈川県を見てみると、県内屈指の名門校である県立相模原中等教育学校が8.0倍という高い倍率でした。また、開校2年目になる横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中が7.1倍と、初年度(8.6倍)に比べて倍率がやや低下したものの、引き続き人気を集めています。そのほか、横浜市立南高等学校附属中と県立平塚中等教育学校がそれぞれ5.3倍、川崎市立川崎高等学校附属中が4.5倍となりました。

 埼玉県はどうでしょうか。さいたま市立浦和中が6.3倍、県立伊奈学園中が4.6倍と、開校から年数が経過しているにもかかわらず、高い倍率を維持しています。

 東京都の場合は、公立中高一貫校が全部で11校あるため、受検生が分散するようになり、倍率は落ち着いています。それでも、千代田区立九段中等教育学校の区分B(千代田区民外)入試は前年度の8.8倍に続いて、今年度も8.6倍(区分Aの千代田区内在住者は1.9倍)と高倍率です。

 ほかの中高一貫校を見ても、大泉高等学校附属中と白鷗高等学校附属中がそれぞれ7.1倍、小石川中等教育学校が6.7倍、両国高等学校附属中が6.4倍、三鷹中等教育学校が6.0倍と、6倍前後の学校が並びます。

 公立の中高一貫校の場合も、私立と同様、大学合格実績が人気に影響を及ぼします。今春の東大の合格者数(併設型の場合は高校からの入学者の実績を含む)を見てみると、県立千葉高等学校(22名)、都立武蔵高等学校(13名)、都立小石川中等教育学校(12名)の3校が二桁の合格者を輩出。県立相模原中等教育学校からは9名が、都立白鷗高等学校からは6名が、都立桜修館中等教育学校、都立南多摩中等教育学校、横浜市立南高等学校からはそれぞれ5名が合格しています。このように、多くの公立中高一貫校が一定の進学実績を残していることを考えると、今後も人気は続いていくと思われます。

 来年の4月には、さいたま市立大宮西高等学校(大宮区)が中等教育学校に改編され、さいたま市立大宮国際中等教育学校が開校する予定です。こうした新設校の情報にも注意しておきましょう。

首都圏1都3県の公立中高一貫校
(2018年度現在)

開校年 学校名
03年 埼玉県立伊奈学園中学校(伊奈町)
05年 東京都立白鷗高等学校附属中学校(台東区)
06年 千代田区立九段中等教育学校(千代田区)
東京都立桜修館中等教育学校(目黒区)
東京都立小石川中等教育学校(文京区)
東京都立両国高等学校附属中学校(墨田区)
07年 さいたま市立浦和中学校(さいたま市浦和区)
千葉市立稲毛高等学校附属中学校(千葉市美浜区)
08年 千葉県立千葉中学校(千葉市中央区)
東京都立立川国際中等教育学校(立川市)
東京都立武蔵高等学校附属中学校(武蔵野市)
09年 神奈川県立相模原中等教育学校(相模原市南区)
神奈川県立平塚中等教育学校(平塚市) 
10年 東京都立大泉高等学校附属中学校(練馬区)
東京都立富士高等学校附属中学校(中野区)
東京都立三鷹中等教育学校(三鷹市)
東京都立南多摩中等教育学校(八王子市)
12年 横浜市立南高等学校附属中学校(横浜市港南区)
14年 川崎市立川崎高等学校附属中学校(川崎市川崎区)
16年 千葉県立東葛飾中学校(柏市)
17年 横浜市立横浜サイエンスフロンティア
高等学校附属中学校(横浜市鶴見区)

首都圏1都3県の公立中高一貫校
 サピックスからの合格実績

学校名 開校年 16年 17年 18年
都立桜修館中等教育学校 06年 12名 12名 9名
都立大泉高等学校附属中学校 10年 3名 4名 3名
都立小石川中等教育学校 06年 31名 30名 37名
都立立川国際中等教育学校 08年 1名 0名 1名
都立白鷗高等学校附属中学校 05年 0名 0名 1名
都立富士高等学校附属中学校 10年 1名 0名 1名
都立三鷹中等教育学校 10年 2名 0名 5名
都立南多摩中等教育学校 10年 0名 1名 2名
都立武蔵高等学校附属中学校 08年 7名 4名 2名
都立両国高等学校附属中学校 06年 7名 9名 3名
千代田区立九段中等教育学校 06年 9名 7名 8名
神奈川県立相模原中等教育学校 09年 1名 3名 4名
神奈川県立平塚中等教育学校 09年 2名 0名 1名
川崎市立川崎高等学校附属中学校 14年 0名 0名 0名
横浜市立南高等学校附属中学校 12年 5名 7名 2名
横浜市立横浜サイエンスフロンティア
高等学校附属中学校
17年 4名 7名
千葉県立千葉中学校 08年 32名 33名 28名
千葉県立東葛飾中学校 16年 12名 20名 13名
千葉市立稲毛高等学校附属中学校 07年 1名 4名 4名
埼玉県立伊奈学園中学校 03年 0名 0名 0名
さいたま市立浦和中学校 07年 9名 5名 2名
21校計 135名 143名 133名

経済的な負担は軽い一方
指導体制が未知数の部分も

 紹介したような安定した大学合格実績を残していることは魅力的ですが、公立中高一貫校のいちばんの魅力は、なんといっても学費の安さでしょう。公立中高一貫校の場合、中学校に当たる前半の3年間は義務教育のため授業料は無料です。また、中学校では給食があるので、保護者の負担は軽減されます。公立高校の授業料は、2010年度に開始された無償化の制度が一部改正され、2014年度からは「高等学校等就学支援金制度」となりました。年収がおおむね910万円未満(「モデル世帯」の場合)の世帯に、公立高校の授業料に相当する月額9900円が支給されます(国立・私立の高校でも同じ条件で支給。私立の場合は、年収がおおむね590万円未満の世帯では支給額を加算)。

 このように、一般の公立中高と同じ負担で、私立と同じような中高一貫教育を受けることができるわけですから、多くの保護者の方が公立中高一貫校に魅力を感じるのも当然です。

 このため、私立校を第一志望にしているご家庭が公立校を併願するケースは珍しくなく、公立中高一貫校を第一志望にする、もしくは私立は受けず、希望する公立中高一貫校に不合格なら地元の公立中学に進学させるという方針のご家庭もあります。

 しかし、公立の中高一貫校の場合、開設されて間もない学校もあり、指導体制が未知数であることも事実です。また、私立校と違って、さまざまな決定事項が行政に委ねられているため、カリキュラムや選抜方法などに学校現場の意向がなかなか反映されないという面もあります。入学後に後悔することのないよう、きちんと情報を集め、しっかり検討することが大切です。

 現在では、多くの学校がホームページでの情報公開に力を入れているので、参考にしてください。また、学校説明会や文化祭などの学校行事に足を運んで、在校生の雰囲気や指導体制を自分の目できちんと確認するようにしましょう。

公立校でも学校ごとに定められた
独自の教育内容が人気

 では、公立の中高一貫校は、実際にどのような教育を行っているのでしょうか。主な学校の教育方針や独自の取り組み、カリキュラムなどを見てみましょう。

 まず、都立小石川中等教育学校や都立両国高等学校附属中などは、グローバル時代に対応するため、国際理解教育が充実しています。海外語学研修、国内での国際交流プログラムなどによって、英語での論文執筆やプレゼンテーションができるよう、高い語学力を育成します。

 また、千代田区立九段中等教育学校や都立武蔵高等学校附属中は、中高6年間を通してキャリアデザインに関する支援態勢が整っています。早期に進路についての意識や関心を高めるため、「職場訪問・体験」「進路講演会」を行うなど、主体的に進路を選択できる生徒を育てています。

 都立白鷗高等学校附属中は、日本の伝統文化を積極的に取り入れた多彩な教育が特徴です。中学ではさまざまな体験学習を行い、高校では地元の伝統的行事に参加するなど、地域との連携により伝統や文化に触れる貴重な機会を作っています。

 チューター制度を取り入れている学校もあります。都立桜修館中等教育学校では、指導員として現役の東大生などが平日は夕方5時から7時まで、土曜日は午後1時から4時まで常駐しています。学習指導をしてくれるほか、大学生活や受験勉強の方法など、さまざまな質問に答えています。

 また、千葉県立千葉中では、各教科をバランス良く学ぶカリキュラムを編成し、ユニークな授業を展開。総合的な学習の時間では、実社会への共感力、社会貢献の志を育て、社会の中で自己実現を遂げる意欲を高める「プロジェクト」を実施しています。

 このように、公立校でも、中高一貫校は学校ごとに独自の特色を打ち出しています。志望校を選ぶ際は、教育方針やカリキュラムをしっかり確認してください。

入学者の選抜方法

出 願

入学願書

報告書(調査書と呼ぶ場合も)

小学校の成績、行事・学習に取り組む姿勢や態度を小学校の先生が評価し、記入するものです。

志願理由書

子ども本人が書きます。志望理由のほか、「小学校のときに力を入れて取り組んだこと」「これからの6年間で取り組みたいこと」「将来の夢」などを書かせる場合が多くなっています。
※書類の種類や提出の時期、方法は学校によって異なりますので、各学校の募集要項を必ずご確認ください。

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検査当日

適性検査 作文 面接

※自治体や学校によって実施状況が異なります。

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入学予定者の選考

報告書と適性検査・作文・面接などの結果を総合して、入学予定者(合格者)を選考します。

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入学予定者(合格者)の決定
18年10月号「そこが知りたい!」シリーズ Vol.5:
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