受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

そこが知りたい!


先輩保護者の体験から学ぶ入試までのサポート 不安を解消するための必勝アドバイス 入試直前の大事な時期を親子でどのように乗り越えたか

 入試本番まで残りわずかとなりました。「これから先、わが子をどうサポートすればよいのだろう」と、不安や焦りを感じている保護者の方も少なくないと思います。本番を迎えるまでの大事なこの時期、先輩保護者の皆さんはどのように過ごしていたのでしょうか。ここでは「精神面」「学習面」「生活面」など、さまざまな角度からの体験談をご紹介します。

※掲載しているグラフは、2021年4月に中学校に入学したサピックス卒業生に対して実施した「受験生活に関するアンケート」の集計結果をもとにまとめたものです。

精神面 気持ちに寄り添うことが大事
前向きになるような励ましを

 子どもたちは、志望校への合格を目標にして、これまで一生懸命に努力を重ねてきました。しかし、試験日が近づいてくると気持ちが不安定になったり、ふさぎ込んでしまったりすることもあるでしょう。そんなとき、先輩保護者の皆さんは、お子さんとどのように接していたのでしょうか。

 「勉強から逃げてしまうときは、その都度『受験をしようと決めたのであれば、努力の手を止めてはいけない。やりたくないことから逃げていたら、どんなことも成功はしないよ』と声を掛けました」(麻布中)

 「冬期講習以降は第一志望校の対策を優先。問題が解けたらほめ、間違えたら『ここで間違えたのはラッキー。本番はもう大丈夫だね』と励ましました」(栄光学園中)

 「秋になって、息子はスランプに陥り、クラス落ちを経験。唯一の楽しみだったゲームをみずから封印しました。そんな姿を見て、母親のわたしも毎晩の楽しみだったワインを入試が終わるまで我慢することにしました。それまで以上に真剣に息子の旅の伴走者になろうと決意し、『必ず元のクラスに戻ろう』と親子で誓い合いました」(聖光学院中)

 「中学受験は親子による二人三脚のようだといわれますが、実際に受験するのは子どもです。娘が学習を嫌がり、机に向かおうとしないときは、厳しいようですが『誰もサピックスに行ってほしいとか、受験してほしいとか頼んでいないよ。嫌ならいつでも受験をやめていいよ』と言い続けました。中学受験のために必要な学習量は、小学生にとって膨大です。それをやりきり、第一志望校の合格を勝ち取るためには、子ども自身が主体的になることが大切だと思います」(桜蔭中)

 多くのご家庭で、お子さんの精神面でのサポートに苦労した経験があるようです。受験勉強中に悩み事が生じたとき、子どもたちが相談することが多いのは、やはり身近な存在である家族です(図1)。周りの大人たちが、「子どもの気持ちを受け入れ、自信を持たせる」という姿勢で支えていくことが大切ですが、保護者の方も「じっと見守る」のはなかなか大変です。子どもの態度を見て不安になり、つい口を挟みたくなることもあると思います。先輩保護者はどのように対応していたのでしょうか。

 「周りがどんどん受験一色になっても、意識も姿勢も変わらない息子。不安と焦りばかりが募り、『みんなはもう本気になっているよ!』と声を掛けると反発されました。どうして本気にならないのかといらいらするばかりでしたが、同時に、わずか11歳や12歳でこんなに勉強するのはきついだろうなあとも感じていました。最終的に、わが家は『塾に楽しく通えていればそれでよし!』と考え、あまりうるさく言わないようにしました」(筑波大学附属駒場中)

 「秋になっても、テストではミスが目立ち、志望校に合格することは難しそうな状態でした。それでも本人に危機意識はなく、わたしだけが不安を募らせていき、娘に志望校の変更を勧めました。すると、『ママの受験じゃないよ。わたしの人生だからわたしが決める。心配しないで、大丈夫だから』と言われました。何かとわたしに委ねる娘が、いつの間にかたくましく成長していることを強く実感した瞬間でした」(雙葉中)

 「計画的に学習できていないにもかかわらず、秘密主義で、親の干渉を嫌がったのが悩みの種でした。自分で全部やりたい、でも成績は上がらないという悪循環が秋になっても続いたため、『親子の協力体制をつくって成績を上げようよ』と娘を説得。サピックスから持ち帰ったテキストを一緒に整理して、学習の優先順位を確認し、復習が終わればわたしがチェックするというやり方を徐々に定着させました。家庭学習がうまく回るようになったのは、冬休みになってからです」(女子学院中)

 思うような成果が得られなくても、「入試前に課題が見つかってよかった」と前向きにとらえると、お子さんのモチベーションも保てるのではないでしょうか。間違っても、「今のままじゃどこの学校も受からないよ」などとは言わないこと。精神面のサポートで何よりも大切なのは、「努力するわが子に寄り添う心」です。

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受験勉強中の悩み事をいちばん相談したのは誰ですか?

【単一回答】(有効回答数355)

グラフ1

どうしたらよいか悩んだときは
講師のアドバイスも活用

 受験生活ではさまざまな困難にぶつかり、「どうしたらよいかわからない」と悩むこともあるでしょう。そんなときは、サピックスの講師に相談し、具体的なアドバイスを得ると、解決に向かうこともあります。

 「成績が上がらず、娘が自信を失っていたとき、サピックスの先生に相談したところ、『娘さんの性格からして、精神論を繰り返しても効果はないと思います。答案に立ち向かうための具体的な方策を考えさせましょう』とアドバイスをいただきました。娘の性格をきちんと把握してくださっているのだなと思いました」(フェリス女学院中)

 「新型コロナによって想定していなかった事態が次々と起こり不安になっていたところ、支えになってくれたのがサピックスの先生でした。保護者会のときにおっしゃっていた『わたしたち(先生)を頼ってください。使ってください』ということばは本物でした。心配事があれば、先生のことばを思い出して、アドバイスをいただきました」(筑波大学附属駒場中)

 「サピックスの先生に、算数の成績が上がらないことを相談すると、『ノートを取らず、すべて頭で考えて解くから応用問題が苦手』という分析をしていただきました。そこで、授業後に毎回ノートを見てもらうようにしたところ、ノートをしっかり取るようになり、成績も上昇していきました」(市川中)

学習面 これまでの教材を利用して
解けなかった問題の復習を

 9月に始まったSS特訓も後半戦に入ります。子どもたちは、志望校の出題傾向に沿った「志望校別講座」と、強化したい科目を集中的に学習する「単科講座」で着実に力を伸ばしています。12月末から1月初めにかけては「冬期講習」(首都圏のみ)や「正月特訓」などの直前講習が行われ、入試本番に照準を合わせた授業が続きます。

 この時期に、多くのご家庭が学習面で重視しているのは、復習を中心にすることです。知識を確実に定着させるためにも、これまでの授業内容を振り返り、プリント・教材・模試などで解けなかった問題をやり直すことがとても重要です。

 「算数は『基礎力トレーニング』を朝晩に繰り返し解くようにしたところ、計算のスピードが向上し、ミスも徐々に減っていきました。国語は『漢字の要』や語彙力完成プリントを、理科・社会は『コアプラス』を軸に取り組み、基礎を仕上げていきました」(雙葉中)

 「苦手な社会を中心にスケジュールを組み立てました。特に力を入れたのは、6年生の8月以降に実施されたマンスリーテストとサピックスオープンの解き直し。正答率が40%以上の問題で不正解だったものを重点的に復習しました。このようにして、できなかった問題の再確認をしました」(駒場東邦中)

 「受験の直前は新しい問題に手を出さず、SS特訓の復習や『コアプラス』、そして社会のデータバンクに集中して取り組みました。これらを何度も繰り返して、本番に備えました」(慶應義塾湘南藤沢中等部)

 サピックスでは、各学年の最も適切な時期に、志望校に合格するために必要なことを学ぶようなカリキュラムを組んでいます。講師も、一人ひとりの性格や状況に合わせてフォローをしているので、これまでに学んできたことを着実に身につけるのが合格への近道です。まずは授業に集中し、ご家庭では復習に重点を置いた学習を心がけてください。

志望校の過去問演習は
弱点を見つけるきっかけに

 この時期、復習と同様に重要なのが、志望校の過去問演習です。出題傾向をつかむために必要なのはもちろん、制限時間や解答欄の大きさを実際の入試と同じにして解くことによって、本番に近い形でシミュレーションができるという点でも大きな効果があります。

 「過去問演習は9月から始めましたが、合格最低点になかなか達することができなかったので、対策として苦手な算数と理科を何度も解き直しました」(早稲田中)

 「慶應義塾普通部と慶應義塾中等部の過去問を2科目ずつ、本番2日前まで毎日やり続けました。その結果、本番2週間前から手応えを感じるようになり、合格最低点に到達することができました。本人もここで初めて自信が持てたようです。最後の1か月で劇的に実力がつきました」(慶應義塾中等部)

 「都立中の過去問を解き始めると、問題が私立中と大きく異なることに、今更ながらがくぜんとしました。12月下旬までは過去問を先生方にしっかりと添削していただき、仕上げに過去問2~3年分を本番同様に行いました」(都立小石川中等教育学校)

 過去問演習は、実力を確かめるというよりも、むしろ弱点を見つけ、その対策を立てるために活用するものです。間違えた問題は、なぜ間違えてしまったのかをしっかりと分析し、正解を導けるようにしておくことが重要です。保護者の方が問題の難度を見ながら上手にスケジュールを立てると、お子さんも効率良く取り組めるようになるでしょう。

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9月にSS特訓が始まってから、学習に取り組む姿勢や学習方法などに何か変化はありましたか?

(自由回答を以下の6項目に分類して集計。有効回答数264)

グラフ2

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SS特訓を受講させたことで、お子さん自身に変化が見られましたか。

(自由回答を以下の6項目に分類して集計。有効回答数348)

グラフ3

21年12月号「そこが知りたい!」シリーズ Vol.5:
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