受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

芝中学校

2020年6月29日(月)

「遵法自治」と「共生」の精神で新たな教育を模索し、人間力を培う

 芝中学校・高等学校は、江戸時代に増上寺内に整備された浄土宗の僧侶養成と徒弟教育のための機関を起源とし、1887年に設置された浄土宗学東京支校を直接の前身とする中高一貫の男子進学校です。仏教精神を基盤とした人間教育を通じて、謙虚な姿勢や他者への思いやりの心を持つことの大切さを教えています。

 校長の武藤道郎先生はこの日のオンライン説明会の冒頭、「本日は、これまで行ってきた本校の新型コロナウイルス感染症への対応や今後の対策をお話しします。『芝らしさ』をお伝えできればと思います」と述べ、同校の新しい学校生活への取り組みを説明しました。

 学習面で大きく変化したのは、オンライン授業を導入したことです。武藤先生は「オンライン授業はゼロからの立ち上げでした。全校生徒の家庭にWi-Fi環境や専用のデバイスがあるかどうかを調査するところから始め、必要に応じて学校で購入したデバイスの貸し出しを行い、5月に授業の動画と課題の配信を開始しました。スタートは遅れましたが、この結果、本校のICT化は加速し、この3か月で3年分くらい進みました。当初は2年後に予定していたデジタル教科書の導入も、前倒しになるかもしれません」と説明しました。武藤先生によると、感染の第2波が到来し、万が一再び登校が困難な状況に陥ったとしても、通常の時間割に沿って自宅でオンライン授業が受けられるとのこと。今後は対面授業を補うツールとしても、オンライン授業を積極的に活用していくそうです。

 このような学習環境の変化が与える影響について、武藤先生は「わたしたち教員にとっては『教える・学ばせる』から『支援する』教育へ、生徒にとっては『教わる・習う』から『みずから学ぶ』教育へと変わっていくでしょう。『みずから学ぶ』『質問・議論』『支援』の割合は学年や教科によっても違いますが、しっかりとサポートしながら『みずから学ぶ』部分のウエートを大きくしていくことが大切だと考えています」と話しました。

 また、体温チェックのためのサーマルカメラの導入や洗面所の増設、換気の徹底などの具体的な感染防止対策とともに、心のケアに関する施策も紹介されました。3か月間にも及んだ休校期間を経て、再び始まった満員電車での登校。感染症や学業、将来への不安もあり、生徒には大きなストレスが掛かります。こうした不安や心配を軽減して、スムーズに学校生活を送れるよう、教員が生徒を注意深く見守り、家庭にも協力を呼び掛けています。2名の養護教諭が保健室で生徒のケアを行っているほか、相談室ではスクールカウンセラーが相談に対応しているそうです。

 さらに、武藤先生は、校訓である「遵法自治」と、仏教主義に基づく「共生(ともいき)」の精神の重要性に触れ、「この二つは本校の柱です。男子校では密な状態の中で人間力を鍛えてきたところがありますが、これからは、生徒や教員が一定の距離を保ちながらコミュニケーションを図り、『協力・協調・協同』のあり方を考えていかなければなりません。新たな学校生活の中で人間力を培っていくためにも、『遵法自治』『共生』の二つの柱を心の支えとして、以前の『芝の教育』の良い部分を融合させた、新しい教育を作り上げていきたいと思います」と力強く語りました。

 2021年度入試では日程や募集人数の変更はありませんが、新しくWeb出願が導入される予定です。詳しくは、9月に発表される募集要項をご確認ください。なお、学校説明会については今後の状況を見ながら、定員制での実施を予定しているそうです。

イメージ写真 都心にありながら、緑豊かな環境も魅力の一つ。伸び伸びとした校風が継承されています

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