受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東邦大学付属東邦中学校

2020年7月2日(木)

「自然・生命・人間」の尊重を建学の理念に、
高い倫理性と豊かな人間性を持つ人材を育成

 2017年より高校での一般募集を停止し、完全中高一貫校となった東邦大学付属東邦中学校・高等学校。医療系の総合大学である東邦大学の付属校ですが、卒業生の9割以上が国公立大学や難関私立大学に進学しています。大学と同様に「自然・生命・人間」の尊重を建学の理念とする同校では、「高い倫理観と豊かな人間性を持って、社会貢献する人材」の育成をめざしています。

 同校では生徒の可能性を広げ、主体性を育むため中高6年間のプログラム「自分探し学習(EXPLORING STUDY)」を展開しています。たとえば「総合的な学習の時間」には、学年ごとにテーマ別学習を行うほか、学年枠のないものも含む30種類の講座のなかから生徒が自由に選んで受講し、幅広い知識を身につけます。各教科が実践する「スピーチコンテスト 英文絵日記」「数学トレーニングマラソン」などといった工夫を凝らした取り組みを通して、学ぶ意欲を高めているのも特徴です。

 また、同校では、AI時代だからこそ求められる人間ならではの力を育むため、学習だけではなく行事や部活動にも励み、広く学ぶことを奨励しています。説明会の冒頭で校長の松本琢司先生は、「想像力や豊かな感性、コミュニケーション能力や問題解決能力などを培い、総合的な人間力を育むことが、これからの時代にも必要です」と述べました。また、ICT教育環境を活用した能動的学習を展開することで、これからの大学入試で求められる、課題解決のための思考力・判断力・表現力と、英語4技能の育成に力を注いでいくそうです。

 続いて、松本先生は卒業生について「知的で穏やか、堅実ななかにもチャレンジ精神を持つ人が多い」と分析したうえで、その代表例として、2017~2018年に国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在した宇宙飛行士の金井宣茂さんや、千葉県を拠点とするロボコンチーム「SAKURA Tempesta」の設立者で、チームを世界大会へと導いた中嶋花音さんを紹介しました。最後に松本先生は「総合的人間力を培う幅広い学びの場として、あるいは自分探しの場として、緑が多く、広々としたキャンパスを持つ本校を選んでいただきたいと思います」と結びました。

 次に、広報部の上野唯一先生が教育内容について説明しました。「幅広い教養の上にこそ、確固たる専門研究が成立する」と考える同校では、実験や体験を数多く取り入れたプロセス重視の学びで強固な基礎を築く中1から高2までを「WIDE」と呼んでいます。文系・理系に分かれての演習形式の授業が中心となる高2以降は「DEEP」と呼び、それぞれの段階に合わせたきめの細かい指導を行っています。中1から高2までは「東邦リベラルアーツ」と題した、幅広く学ぶ教養型カリキュラムの下、プロセス重視で学習します。上野先生は「文系を選択した生徒も数Ⅲを学習し、理系を選択した生徒も倫理が必修となります。本校の伝統ある徹底したリベラルアーツ教育は、新カリキュラムにも継承されています」と述べました。

 中3以上の希望者を対象にオーストラリア研修、シンガポール研修を実施しているほか、東邦大学の各学部と連携し、ロボットプログラミングや医薬品の調合などを行う「学問体験講座」や、医学部志望者を対象とした外科の実習模擬体験「ブラックジャックセミナー」など、教科の枠を超えた取り組みも実施しています。このように、専門性の高い学問に触れる多様な体験を通じて生徒一人ひとりの「自分探し」をバックアップしているそうです。

 卒業生の進路については、男女とも理系が7割、文系が3割で、学年の約3分の1が国公立大学に進みます。東邦大学への特別推薦制度もあり、医学部・薬学部・理学部・看護学部・健康科学部への推薦枠が用意されています。

 2021年度入試は2020年度と同様、12月1日午前に推薦入試と帰国生入試(英語選択型)を、1月21日午前に前期入試を、2月3日午前に後期入試をそれぞれ実施します。推薦入試の募集人員が10名増えて40名となる分、前期入試の募集人員は昨年度より10名少ない240名に変更されますが、予定している合格者数は変わらないとのこと。なお、追加合格を出す場合は、推薦入試受験の有無を参考にするそうです。

イメージ写真 広大な敷地に中高合わせて九つの理科実験室を有する同校。実験や観察を重視した本格的な理科教育が、理系に強い生徒を育てます

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