受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

普連土学園中学校

2020年9月28日(月)

少人数制のていねいな指導で一人ひとりの「賜物」を開花させる

 当時、アメリカに留学中だった新渡戸稲造と内村鑑三の助言を受け、フィラデルフィアのキリスト教フレンド派(クエーカー)に属する婦人伝道会によって、1887年に設立された普連土学園は、日本で唯一のフレンド派の学校です。その校名には「普(あまね)く世界の土地に連なる」ように、すなわち「この地上の普遍、有用の事物を学ぶ学校」であるように、という願いが込められています。そして、1学年約130名という少人数主義の下、生徒一人ひとりの力を最大限に伸ばす教育を実践しています。

 オンラインで行われたこの日の説明会では、最初に広報部長の池田雄史先生が卒業生の進路と中学入試について説明しました。池田先生によると、2020年春は卒業生122名のうち11名が東京大・筑波大・東京芸術大など国公立大学に進学しました。一方、私立大学へは慶應義塾大の15名、早稲田大の9名を含め、のべ84名がGMARCH以上の難関私立大学に現役で合格しました。

 学習指導については、高2でクラスを文系コース・理系コースに分けることはせず、選択科目制によって個々の進路に対応します。高3では大学受験に向けた演習授業を増やすというスタイルです。高校には、英語の新聞や雑誌などを読み、それに基づいてディスカッションするCCU(Cross Cultural Understanding)や英作文(Composition)などをネイティブ教員の指導により少人数で実施する選択授業があるのが特徴です。また、国語科から独立した「論文科」を設置し、専門教員10名が論文指導に当たっています。

 英語教育にも定評があります。中学では週6コマのうち中1は週2コマ、中2・3は週1コマをネイティブ講師による少人数での会話指導に充て、「生きた英語」を身につけます。特に中学段階では、レッスンごとの確認テストや放課後の補習などをきめ細かく行い、英語発信力の養成にも力を入れているそうです。国際交流の機会も多く、オーストラリアやアメリカのフレンド派の施設と連携した留学制度も用意されています。

 数学については、中学ではチームティーチングとクラスを分割しての少人数での授業で基礎力を固め、中3後期から高校の学習内容に入ります。理科は、中学では1年間で50回、高校では1年間で30回ほどの実験を行って論理的思考力や探究心を養います。こうした指導の結果、近年は理系進学者の割合が増え、今年は進学者の半数近くの41%が理系の学部・学科に進んだそうです。

 このほか、文系・理系の枠を超えた学際的な学びの機会として、長期休暇中や放課後に「教養講座」が開講されています。この教養講座からは電子工作やプログラミングに取り組む理科系サークル「Friends Fab」が誕生し、国際的なロボットコンテストで活躍したほか、理科部のロケット班も「ロケット甲子園」で優勝するなどの実績を残しています。

 最後に校長の青木直人先生が、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための休校期間中の学びについて紹介しました。4月と5月はオンラインツールを活用して、授業や課題配信で学習をサポートしたとのことです。6月からは高3で通常授業が始まり、その他の学年は週3日の登校で対面での授業を実施。7月20日からは全学年で通常どおりの学校生活に戻したそうです。そして、同校の沿革や理念の説明へと話題を移した青木先生は、「フレンド派の『一人ひとりの人間はかけがえのない存在である』という精神の下、生徒の自主性を重んじる自由な雰囲気のなかで身につけた力を、自分の利益のためだけではなく他者と共生するために惜しみなく使える成熟した心を持つ人材を育成していきたいと考えています」と結びました。

イメージ写真 都会にあることを感じさせない静かで落ち着いたキャンパス。水曜日に行われる「沈黙の礼拝」では他者に耳を傾けることができる優しさが培われます

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