受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

海陽中等教育学校

2020年10月10日(土)

全寮制で基礎学力と人間力を鍛え、次世代を牽引するリーダーの育成をめざす

 愛知県蒲郡市にある海陽中等教育学校は、日本の未来をリードする人材の育成を目的に、トヨタ自動車、JR東海、中部電力をはじめとする大手企業約80社の賛同を得て2006年4月に創立されました。その最大の特徴は全寮制であることです。同校では全生徒がハウスと呼ばれる寮で生活し、きめ細かいサポート体制の下、学力を向上させるだけではなく、規則正しい生活習慣や自立心、協調性などを育んでいます。

 この日の説明会で、副校長の西村英明先生は、同校が設立された趣旨に触れ、「日本を代表する企業では、世界を牽引するリーダーとなる人材が日本国内で育っていないことを危惧しています。その資質を培うためには、中等教育の段階から集団生活を通じて社会性を身につける必要があると考えました。欧米では伝統ある全寮制の学校が名だたるリーダーを育てています。そうしたなか、本校でもイギリスの名門イートン校をモデルに、全寮制という環境の下、基礎学力と人間力をバランス良く鍛える全人教育を行っています」と述べました。

 ハウスと呼ばれる12棟の学生寮では、さまざまなバックグラウンドを持つ父親代わりの「ハウスマスター」、賛同企業から派遣された「フロアマスター」と呼ばれる若手社員が寮生と生活を共にしています。1年生(中1)の場合、起床は6時40分です。食堂で朝食を済ませ、同じ敷地内の学校に登校するのは8時。それから16時10分まで学校で授業を受け、部活動等を終えて下校します。そして、18時に夕食をとり、19時30分までが自由時間。20時から22時までは夜間学習に取り組み、学校で学んだ内容を定着させます。低学年(中学生)のうちは22時30分就寝ですが、4年生(高1)くらいになると、就寝時刻が遅くなり、夜間学習の時間も増えます。

 学生寮はすべて個室で、プライバシーを確保できる一方で、パブリックラウンジなどの共有スペースもあり、「フロアマスターも一緒になってテレビを見たり歓談したりと、とても楽しそうにしています」とのことです。一方、長期休暇は長めに確保され、帰省できる日も年間100日ほど設定しています。「新型コロナウイルス感染症の拡大により、当校では帰省から戻った後の2週間を徹底管理期間に設定しています。手指の消毒とマスクの着用を徹底させることはもちろん、教室移動や部活動も制限するなど厳格な管理を行っています。外部から通う教員やスタッフのチェックも念入りに行うなど、安全には十分に配慮しています」と、学校生活の現状にも触れました。

 共同生活を通して自主性や協調性を養うことができるのが寮生活のメリットですが、「もう一つのメリットは時間を有効に使えることです」と西村先生は強調します。全国の高校生の平均通学時間は1時間33分、またスマートフォンの使用時間は1日当たり2時間58分との調査結果があることを示し、「通学は徒歩、キャンパス内でのスマートフォンの利用はできない本校の生徒は、年間1190時間(約50日)を有効活用できるのです」と説明。その時間は、学習や部活だけでなく、生徒主体で企画運営されるスポーツフェスタ(体育祭)や海陽祭(文化祭)をはじめとする学校行事、ハウスイベントなど、仲間と共に体験する時間に充てられています。

 また、生徒の好奇心や探究心を育て、将来の展望を広げるキャリア教育にも力を入れています。たとえば、さまざまな分野の第一線で活躍する専門家を招いての特別講義を年6回実施。さらに、賛同企業の協力を得て企業訪問・工場見学も行われています。こうしたビジネスの最前線で働く人との触れ合いは、働く意義や社会貢献のあり方を考える絶好の機会となっているとのことです。

イメージ写真 三河湾に面した13万㎡の広大なキャンパス。天体望遠鏡室を備えた中央棟、400mトラックや野球場を備えたグラウンド、蔵書数5万7000冊の図書館など、充実した施設がゆったりと配置されています

www.kaiyo.ac.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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