受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

千代田区立九段中等教育学校

2020年11月17日(火)

立地を生かしたキャリア教育「九段自立プラン」で、本物から学ぶ

 千代田区立九段中等教育学校の前身は、1924年に設立された第一東京市立中学校です。戦後の学制改革によって都立九段高等学校となり、2006年に全国で唯一の区立中高一貫教育校に改組されました。

 オンライン説明会であいさつに立った校長の牧野敦先生は、「本校には『至大至剛(しだいしごう)』という校是があります。長い伝統のなかで受け継がれてきた、九段生の精神的支柱となることばです」と語りました。続けて、教育目標の「豊かな心 知の創造」と、その実現に向けて実践している「学ぶ」「生きる」「鍛える」という基本方針について説明しました。

 「学ぶ」については、各教科で「本物から学ぶ」ことを重視した指導を行っています。開校当初から力を入れている英語では、専任のネイティブ教員が指導していることも特徴の一つです。始業前には外国人留学生による「イングリッシュシャワー」を、放課後には「イングリッシュサロン」をそれぞれ実施し、生きた英語に触れることで4技能をバランス良く伸ばします。数学は習熟度別に少人数で授業を行い、国語や社会ではディベートを取り入れて論理的思考力を育成しています。理科では六つの実験室を活用し、数多くの観察・実験で探究心を培います。また、中学に相当する前期課程の学習の理解度を確かめる実力テスト「大樹」を3年生の1月に実施し、高校に相当する後期課程に備えます。授業前の自習「おはようスタディ」や、大学生チューターが指導する「放課後スタディ」も行われており、自習室は20時まで開放されているなど、学習をサポートする環境も整っています。

 「生きる」教育の柱となるのは、「主体的に学び、行動できる力」と「将来の生き方を考える力」を養う6年一貫のキャリア教育「九段自立プラン」です。千代田区九段という、周辺に官公庁・大企業・大学・研究機関・大使館などが点在する恵まれた立地を生かし、前期課程(1~3年生)では、各機関と連携して行われる体験教育や講演会を通じて、地域や自国に対する理解を深め、課題解決学習の基礎を身につけます。そして、後期課程(4~6年生)では、3年間かけて論文形式のレポートを作成します。また、福島県にある「ブリティッシュヒルズ」での英語合宿(2年生)、全員参加のオーストラリア研修旅行(3年生)、シンガポール海外修学旅行(5年生)などで世界へと視野を広げ、国際感覚も養います。牧野先生は、「生徒たちは大学の先にある将来を見据え、『リーダーになること』をめざすのではなく『リーダーになって何をするか』を考えています」と話しました。

 最後に「鍛える」についてですが、部活動や行事も盛んで、4年生の7月には、千葉県勝浦市の沖で最長2キロの遠泳に挑む伝統行事「至大荘行事」が開催されます。生徒たちは、こうした行事に全力で打ち込むことで心身を鍛えるとともに、互いを思いやり、高め合うそうです。「本校には一人ひとりが活躍できる多彩なプログラムがあり、先進的な教育活動を行いながら、変わらない『至大至剛』の精神も育成しています。何よりも、熱意を持った教員集団がいて、それに応えようと切磋琢磨する生徒がいることが本校の一番の強みです」と牧野先生は力強く語りました。

 2021年度の適性検査は、例年と同様、2月3日の実施です。千代田区内に居住する者(入学後も継続して居住)を対象とした「区分A」と、それ以外の東京都内居住者が応募できる「区分B」とがあり、募集人員はそれぞれ80名です。適性検査では「知的好奇心を持っているかどうかを見ている」とのこと。牧野先生からは「集めた情報を適切に処理して自分で考え、その考えを表現できるかどうかが大切です。記述力も必要になりますので、新聞記事を要約して添削してもらう練習などをしておくとよいでしょう」とアドバイスがありました。

イメージ写真 宇宙航空研究開発機構(JAXA)のコズミックカレッジと連携し、小学生対象の体験型講座「九段コズミック」を毎年開催しています(2020年度はオンラインで実施)

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