受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

新渡戸文化中学校

2020年12月10日(木)

生徒の主体性を高める「教えない授業」を通じて、学びの楽しさを伝える

 教育者・農学者であり、国際連盟の事務局次長も務めた新渡戸稲造博士と、その弟子の森本厚吉博士らによって1927年に女子文化高等学校として創立された新渡戸文化学園。女子経済専門学校附属高等女学校を経て、戦後の学制改革によって東京経専中学校・高等学校となり、間もなく東京文化中学校・高等学校と改称しました。現在の校名になったのは2010年のことです。長く女子校でしたが、2014年に中学が、2017年に高校が共学化されました。2020年度には経済産業省の「未来の教室」モデル校に選定され、外部事業者との連携による教材も開発しています。

 オンラインで開催された説明会の冒頭で、校長の小倉良之先生は同校の教育のシンボルである「Happiness Creator(幸せ創造者)」について次のように説明しました。「これは、自分の幸せだけではなく、世界中のすべての生物の幸せを願う、利他的な行動ができる人を意味しています。本校ではそのような人物を育てるために、『自律型学習者の育成』『実社会とのつながり』『笑顔(スマイル)』を重視した教育活動を実践しています」

 次に、中学高校統括校長補佐の山本崇雄先生が具体的な教育の内容を紹介しました。長年にわたり、公立校で「教えない授業」を行ってきた山本先生。「教員が一方的に教える従来の授業とは異なり、生徒が主体的に学習に取り組む『教えない授業』は、自律型学習者を育てる学びにつながります。『今の自分を認め、できないことは可能性と捉える』『好きをとことん伸ばす』『学びを社会につなげる』の三つの要素が、生徒たちが自発的に学ぶ姿勢をつくるのです」と強調しました。その具体例として山本先生が紹介したのが、放課後前の1時間に設定されている自己学習の時間「Self-Paced Learning(SPL)」です。SPLでは、個別最適化学習を支援するために、さまざまな自己学習iPadアプリを活用。生徒たちは「先生が教えない時間」を使って、それぞれ自分で学びたいことをデザインし、好きな分野の学習に集中します。また、現実社会に触れる機会として「ボルネオ島ツアー」や「セブ島ツアー」といったスタディーツアーも計画しています。生徒たちは実際に現地を訪問し、環境問題と向き合い、解決法を探求していくプログラムを実施予定です。2020年度は、希望者にオンラインで実施しました。

 学習面については、大きく分けて三つから成り立っています。一つ目は、すべての教科学習の基本となる、知識ベースの学び「Core Learning」。二つ目は、教科を横断したプロジェクト型の学習「Cross Curriculum」。三つ目は、リアルな社会課題に取り組む「Challenge Based Learning」で、これらの「3Cカリキュラム」を柱とした教育を実践しています。「Core Learning」では、生徒全員がiPadを使って、同世代のフィリピンの中高生とオンライン英会話を行うほか、AI型タブレット教材を有効活用し、時間短縮や効率の良い学びにつなげるなど、先進的な学びを実践しています。また、本校の学の特徴である「Cross Curriculum」では、週1回丸1日かけて、複数の教員のチームティーチングにより、創造型プログラムや課題解決型プログラムに取り組みます。また、「Challenge Based Learning」は、「Cross Curriculum」をさらに発展させたもので、企業や外部団体と積極的に連携し、現実に起こっている課題の解決に挑戦しています。

 最後に入試について、広報担当の奥津先生より説明がありました。2021年度は、2科入試(国語・算数・集団面接)が2月1日の午前と午後、3日午前、4日午後の計4回行われます。また、適性検査型入試(Ⅰ・Ⅱ型)が1日午前に、4科入試が2日午前に、「好きなこと入試(スピーチ・口頭試問・面接)」が2日午後と11日午後に、それぞれ実施されます。2科入試の判定の割合は、教科が4割、集団面接が6割で、面接の比重が高めとのこと。奥津先生は「グループワークでの限られた時間のなかで、自分をどれだけ表現できるか、がんばってアピールできるかがポイントになります」とアドバイスを送りました。

イメージ写真 「全ての主語を生徒に」をキーワードに、それぞれの「なりたい自分」に向けて、さまざまな学びや表現を身につけるための環境が整っています。2020年度には、自由なものづくり施設「VIVISTOP NITOBE」や、プレゼンテーションの場となる「NITOBE THEATOR」が新設されました

www.nitobebunka.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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