受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

海城中学校

2021年5月27日(木)

探究学習を通じて、一生学び続ける意欲に満ちた「新しい紳士」を育成

 海城中学高等学校は、今年で創立130周年を迎えた完全中高一貫の男子校です。めざしているのは、異質な他者と積極的に共生・協働できる「新しい人間力」と、みずから課題を設定して解を導き出せる「新しい学力」をバランス良く兼ね備えた「新しい紳士」の育成。その根底に脈打つのは、創設者・古賀喜三郎が掲げた建学の精神「国家・社会に有為な人材の育成」です。

 この日行われたオンライン説明会の前半では、校長特別補佐の中田大成先生が教育の特長を語りました。その冒頭で紹介されたのは、今年3月、経済産業省の「STEAMライブラリー」(誰でも利用できるデジタル教材プラットフォーム)に提供した学校のオリジナル教材です。災害時に地域社会が直面する課題をドラマ形式で提起する動画や、その解決法を考えるためのワークシートがダウンロードできるようになっています。これは、さまざまな個人・団体と協働で作成した教材の一つで、教科横断型の探究学習コンテンツとして高い評価を受けているそうです。

 続いて、最新の大学進学状況を紹介しました。今春は現役進学率が7割に達したこと、東大をはじめとする最難関大学に、学校推薦型選抜や総合型選抜でも合格者を出したこと、海外大学13校にも合格者を輩出したことなどに触れ、「本校の『新しい人間力』『新しい学力』を伸ばす教育の成果が、生徒の成績にも表れ始めています」と、手応えを語りました。

 このような順調な実績を築いた背景として、中田先生は、1992年から3期30年間にわたって同校が取り組んできた学校改革を挙げました。その最も先駆的な事例は、改革最初の年にスタートした社会科における探究型の総合学習です。現在、中学の社会科では、週の半分の2時間の授業は、教科書を使いません。設定した課題について生徒が主体的に解決方法を考え、取材や調査を重ね、学期ごとにレポートを提出します。そして中3時には全員が社会科卒業論文を書き上げます。その結果、同校の生徒たちは、原稿用紙30枚以上の論文を書き上げるほどの記述力を身につけて、大学に進学するようになりました。

 続く第2期には、課題を課されたアクティビティーにチームで挑戦する「プロジェクトアドベンチャー」(PA)や、演劇ワークショップで想像力や共感力を磨く「ドラマエデュケーション」(DE)などの体験学習を導入。人間関係を築くスキルの向上に力を注いできました。

 そして、第3期にはグローバル教育も本格化。2018年にはグローバル部の生徒が高校模擬国連国際大会で最優秀大使に選出されました。その生徒は昨年ハーバード大学に進学し、後輩たちの海外大学進学への意欲を高めています。また、中学生にはノートパソコンを、高校生にはタブレット端末を配布し、ICT支援員が常駐する「ICT LAB」を開設するなど、ICT教育のインフラを完備しました。生徒の興味・関心を深掘りする特別講座「KSプロジェクト」も開始しています。

 中田先生は最後に、「今後は授業やテキストのオンラインコンテンツ化の可能性を探るとともに、今年夏に完成する地上3階・地下1階の新理科館を活用して、理科教育・探究学習の一層の充実を図ります」と締めくくりました。

 説明会後半は、入試広報室の塩田顕二郎先生による学校生活と入試の説明です。塩田先生は校風について、「人懐っこく穏やかで、個性豊かな生徒が多い本校には、生徒一人ひとりの居場所が必ずあります」と語りました。そして、中学の段階では基礎の徹底と弱点の補強に重点を置いて手厚いサポートを行っていること、中学生のほぼ全員がクラブ活動に参加していることなどを紹介しました。

 2022年度入試に変更点はありません。「教科ごとに合格最低点を設定しています。4教科でまんべんなく得点できるよう、最後まで準備をしてください」というアドバイスがありました。

イメージ写真 間もなく完成する新理科館には、物理・化学・生物・地学のそれぞれの専用実験室が設けられており、理科教育・STEAM教育の新たな拠点として活用される予定です

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