受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

和洋九段女子中学校

2021年5月29日(土)

「伝統的な教育」と「21世紀型教育」の融合で、周囲と協働し社会に貢献する女性を育成

 1897年創立の和洋裁縫女学院を前身とする和洋九段女子中学校高等学校。「先を見て齊(ととの)える」を校訓に掲げ、主体的にみずからを成長させ、周囲と協働して社会に貢献する女性の育成をめざしています。

 オンラインで行われたこの日の説明会の冒頭で、校長の中込真先生は同校のコンセプトである「伝統と先進の融合」を紹介しました。そのうえで、「校歌の一節にある『和やかにして洋(ひろ)らけき』という精神に基づく伝統的な女子教育に、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組み、PBL(Problem Based Learning)型授業など、世界標準の『21世紀型教育』を融合させた学びを実践しています」と述べ、学校名である『和洋』の『和』(伝統的な教育)と『洋』(先進的な教育)に分けて、その内容を詳しく説明しました。

 「和」の部分では、古くから日本に伝わる価値観の継承を発展させた学びが充実しています。華道・茶道を中学では必修とし、中1は小笠原流礼法の授業を通して日本の伝統文化への理解を深めます。また、体育祭で半世紀以上継続して披露されている「扇の舞」は、振り付けから音楽まですべて生徒が考えるそうです。

 次に、「洋」の部分として、三つの柱が紹介されました。一つ目は英語教育です。高校卒業までにCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)のC1レベルの英語力を身につけることが目標とされ、6人のネイティブ講師が生徒の学習をサポートしています。

 「グローバルクラス」では副担任がネイティブ講師であるため、ホームルームなどで日常的に英語を使います。英語の授業は、帰国生など高い英語力を持つ生徒に向けてオールイングリッシュで行う「アドバンスト」と、中学入学後から本格的に英語を学ぶ生徒のための「インターミディエイト」に分かれ、共に学び合います。従来からある「本科クラス」も、オールイングリッシュではないものの、授業時間も充分確保し、英語力向上に努めています。

 シンガポール修学旅行(中3)をはじめ、多数の海外研修プログラムを用意。説明会では中1のブリティッシュヒルズ英語研修の様子が動画で紹介されました。

 二つ目は、問題解決型学習を行うPBL型の授業です。教員が投げ掛けるトリガー・クエスチョンを発端に、「個人ブレスト(情報収集と自分の考えの構築)→グループディスカッション→プレゼンテーション→思考共有・レポート」という流れで取り組みます。このサイクルで生徒たちが主体的に学ぶことで、論理的思考力・判断力・表現力が高まり、自分のことばでプレゼンテーションができるようになるそうです。

 三つ目のICTリテラシーについては、1人1台のタブレット端末を使って、PBL型授業を行うなど、さまざまな分野でICTを活用しているとのことです。新型コロナウイルス感染症の流行により休校期間があった昨年は、4月から双方向型のオンライン授業を開始するなど、どのような状況下においても学びを継続できるシステムが確立されています。

 続いて、生徒に人気の連携型体験授業「CONNECTED SCHOOL」の紹介がありました。同校では、「最高の体験こそ成長の礎」という考えの下、長野県の農村で民家に宿泊しながら農業を体験し、地域活性化のプランを考える「地方創生プログラム」を高1で実施しています。また、学校近隣の企業や大使館を訪問し、科学・技術・工学・リベラルアーツ・芸術・数学を統合的に学ぶSTEAM体験や、文化学習も行っています。SDGs(持続可能な開発目標)についても本格的に学び、2019年には中3生有志が「SDGs探究AWARDS 2019」の中高生部門で優秀賞を受賞しました。また、2020年には朝日新聞、慶應義塾大学とSDGs 特別講座を開講しています。中込先生は「このような恵まれた環境は本校の宝です。多くの団体との連携により、生徒の新しい価値観が生み出され、真のグローバルマインドが育成されているように思います」と結びました。

イメージ写真 JR「飯田橋」駅から徒歩8分、東京メトロ・都営地下鉄「九段下」駅から徒歩3分という好アクセス。恵まれた環境での多彩な学びが成長の原動力となります

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