受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

鎌倉女学院中学校

2021年5月27日(木)

「つなげて」「つかえて」「つくりだす」女性を育成する新カリキュラムがスタート

 1904年、漢学者で、東京開成中学校(現在の開成中学校・高等学校)の校長も務めた田辺新之助が設立した鎌倉女学校を前身とする鎌倉女学院中学校・高等学校。校訓「真摯沈着」「尚絅(しょうけい)」は、田辺先生が日ごろから生徒に諭していたことばで、「何事にも落ち着いて取り組む女性であってほしい。また、外見ではなく内面がすぐれた女性であってほしい」という思いが込められています。

 説明会の冒頭、校長の錦昭江先生は、今年度改訂された中学の新カリキュラムについて触れ、「グローバル化への対応」「思考力・判断力・表現力の涵養」「情報活用能力の育成」の3点を最重要課題とし、新たな教育を展開すると宣言。「この教育プログラムは、知識や技能を『つなげて』新しい価値を生み出し、その価値を『つかえて』、新たな未来を『つくりだす』ことができる女性を育成するものです。これを、“鎌女のつつつ”という合言葉で表しています。既成の価値観にとらわれず、柔軟に対応できる人間力が求められる時代が来ています。皆さんには、鎌女のセーラー服を着て、この若宮大路を歩き、わたしたちと一緒に、充実した6年間を過ごされることを願っています」と呼び掛けました。

 続いて、入試広報委員長の石井美咲先生から、探究学習について説明がありました。同校では「学びに向かう意欲や態度を育てる」「生涯学び続けるための基礎をつくる」ことを目的とした教科横断型の探究学習を実践しています。その一つ、中3の「環境」の授業は、国語・社会・理科の教員のチームティーチングにより、環境問題というグローバルな課題に目を向けるものです。仲間との協働作業を通して考えを深め、ICTを活用してリサーチやプレゼンテーションを行います。生徒全員がスライド作成や発表に取り組むことで、章立て・グラフ挿入・考察といったレポート作成の一連の流れも自然に身につくそうです。今年度はSDGs(持続可能な開発目標)をテーマとし、1人1台配布されるノートパソコンを活用したディスカッションなども行っていく予定です。高校ではこの探究学習をさらに発展させ、高2では生徒が自分でテーマを設定したうえで1年間かけてデータ収集や検証を行い、レポートに仕上げます。この内容は大学で論文として認められるくらいのレベルで、大学入学後の学びにもつながっているということです。

 また、高1では、クリティカルシンキングを実践する場として、日本語によるスピーチ指導を行っています。選抜された生徒は、創設者を同じくする逗子開成中学校・高等学校との合同で行う弁論大会「田辺杯スピーチコンテスト」に出場します。今年3月には第2回が開催され、AIや環境問題、SDGsなどについて発表しました。

 説明会の最後に、現在、お茶の水女子大学大学院に在籍する、卒業生の川戸翔子さんが登壇し、中高時代の学校生活についてスピーチしました。大学院では情報科学を専攻し、AIや機械学習に関わる研究を行っている川戸さん。高校在学中、学校が主催する「卒業生による大学紹介」というイベントに参加し、鎌女と雰囲気が似ているお茶の水女子大学に魅力を感じ、第一志望に決めたそうです。川戸さんは「在学中は宿題が多くて大変でしたが、英語については、宿題だけで大学受験に耐えられるだけの力がつきました。鎌女は生徒と先生の仲が良く、先生が生徒一人ひとりの性格をよく理解してくれる学校です。皆さんも最後まであきらめず、ぜひ鎌女に入学してください」と締めくくりました。

イメージ写真 由比ガ浜から鶴岡八幡宮に向かって延びる参道・若宮大路沿いにあるキャンパスは、古都鎌倉の歴史を肌で感じられる立地。伝統的なセーラー服も人気です。

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