受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

日本女子大学附属中学校

2021年5月18日(火)

多摩丘陵に建つ「森の中の学校」
緑豊かな環境で探究心を育む

 日本女子大学附属中学校は、創立者・成瀬仁蔵が唱えた「自念自動」の精神の下、「自ら考え、自ら学び、自ら行動する」という教育目標を掲げ、自立して社会に貢献できる人間性豊かな女性を育成しています。

 川崎市の日本女子大学西生田キャンパスにある同校は、緑豊かな多摩丘陵の雑木林に囲まれています。説明会であいさつに立った中学校長の椎野秀子先生は、この特徴を「森の中の学校」と表現しました。東京ドーム6個分を超える広大な自然を生かし、理科では観察や植物採集、美術では樹木の写生など、多彩な授業が展開されています。

 続いて、椎野先生は開校120年を迎える同校の歴史を紹介。新しい1万円札の肖像やNHK大河ドラマで話題の渋沢栄一は創立者の盟友でもあり、同校が推進する女子教育の重要性に賛同して、第3代校長を務めたそうです。当時の生徒のノートを資料としてスライドに映しながら、「当時から、授業ノートを通じて学生と教員が濃密なやりとりを行い、考える力を育てています。こうした細やかな教育こそ、創立から脈々と続く本校の日常的な指導の根幹です」と強調しました。

 そのうえで、椎野先生は「生徒に身につけてほしい力」として、「しなやかに変化に対応する力」「したたかに情報を読み解き、価値を見つける力」「大らかに異質な存在を受け入れ、助け合う力」の三つを挙げました。「本校はこうした力を磨く『人間教育』を軸とし、生徒による自治活動でリーダーシップを培います。各教科の授業では『あなたはどう考えるか』を問い掛けて、生徒が主役の学びを実践しています。伸び伸びと学問にいそしみ、豊かな探究心を持って実り多き人生を構築してほしいのです」と語りました。

「本質的な学び」を経験し
表現力・発信力・協働力を養う

 続いて、各教科の先生から学習内容の説明がありました。国語では、読解力を高める学びに力を入れるとともに、意見文や感想文などを書く機会を数多く設け、記述力や思考力を身につけます。また、授業冒頭では3分程度の「スピーチ」を実施して発信力を高めています。数学では論理的思考力を養うことを重視し、プリントやワークを使って基礎・基本を定着させます。社会では校外授業も多く取り入れて「本物」に触れる機会を設け、さまざまな視点から事象を考察します。音楽ではバイオリンを必修とし、初心者でも3年間で弾けるように指導します。こうした「本質的な学び」を経験することで、表現力・発信力・協働力を養うのです。

 この日は、説明会の会場となった講堂と校舎内をオンライン中継で結んで、中1の授業見学も行われました。国語の授業冒頭でのスピーチ、流ちょうな英語が飛び交う英会話の授業のほか、美術では精密な自画像など、自由な表現力にあふれた多彩な作品が紹介されました。

 例年、高校卒業生の約75%が日本女子大学に内部進学し、他大学受験者の多くは鍛え上げた文章力で推薦型の入試制度を利用しています。4学部14学科を擁する日本女子大学は今年度より全学部が目白キャンパスに集約されました。同校からは内部進学枠も十分に確保されている一方、他大学を受験する生徒にも、一定の条件下で日本女子大学に推薦で進学できる併願制度が用意されています。

イメージ写真 広大な里山の自然にあふれたキャンパス。蔵書5万2000冊の図書館、広いグラウンド、二つの体育館、天体望遠鏡、屋内プールなどがそろっています

www.jwu.ac.jp/hsc/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ