受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

成城中学校

2021年6月16日(水)

完全中高一貫校化により、「知・仁・勇」を備えたリーダー育成をさらに

 1885年に設立された文武講習館を前身とする成城中学校・高等学校。「知・仁・勇」を備えた、次代を切り開くグローバルリーダーの育成をめざしています。2019年度から高校募集を停止し、完全中高一貫校になりました。現在、中高6年間を見通したを行う新カリキュラムを導入するなど、さまざまな改革が進行中です。

 今年度より校長に着任した岩本正先生は、説明会の冒頭で「男子校の良さ」に触れました。学校生活に関するアンケートで、中1生の98%が「楽しい」と回答したというデータを示した岩本先生は、「多様な個性を持つ生徒同士が互いを認め合い、伸び伸びと学べる環境です」と述べました。次に、校章に描かれている三光星について、確かな知識・教養・賢明な知性を意味する「知」、思いやりの心と、チームワークを得意とする柔軟さを意味する「仁」、果敢に挑戦する勇気と、前例のない課題に挑戦する強靭な力を意味する「勇」という教育理念を表していると説明。そのうえで、「本校がめざしているのは、この『知・仁・勇』をバランス良く備えた、人間力の高いリーダーの育成です」と強調しました。

 そんな同校のリーダー教育の象徴となるのが、中1で行われる3泊4日の臨海学校です。100年近く続く伝統行事で、選抜された高2の生徒が修泳指導に当たります。高2生は後輩をサポートすることでリーダーシップを学び、中1は先輩の頼もしい姿をロールモデルとして影響を受けるというもので、岩本先生は「縦のつながりによる学びがあります」と語りました。

 同校では完全中高一貫校になったことに伴い、新カリキュラムを導入しました。中学では、プログラミングにつながる「数学統計」や、言語技術の向上をめざす「国語表現」が、高校では、ネイティブ教員がライティング指導を行う「英語表現」などが、それぞれ新設されたとのことです。

 次に、教頭の中島裕幸先生が学校生活と行事について説明しました。中高6年間を男子の発達段階に合わせて、「基礎学力養成期」(中1・2)、「進路決定期」(中3・高1)、「実力完成期」(高2・3)の3期に分け、学習効果を高めています。中1・2では学習習慣の定着を図り、中3・高1ではキャリア教育やグローバル教育に力を入れています。キャリア教育では「未来の履歴書」というオリジナルの課題がありますが、これは架空の履歴書を作成することで、キャリア形成に必要な力を考えるきっかけにするというものです。グローバル教育では、「エンパワーメント・プログラム」(中3~高2の希望者対象)があります。これはカリフォルニア大学など、海外から学生を招き、1日6時間・5日間の研修を行うもので、英語で議論・企画・発表することを通して、英語の向上と自己理解や異文化理解を促します。このほかにも、希望者を対象に、台湾やオーストラリアへの海外研修を用意しています。

 本格的な受験態勢に入る高2・3の生徒に対しては、受講料無料の進学講習があります。岩本先生は「高1~3で約150という、予備校並みの多様な講座を用意しています。特に高3は大学別対策などがあるので講座数が多くなりますが、積極的に受講して難関大学に合格する者がたくさんいます」と話します。なお、同校では、成績上位の生徒を集めた「特進コース」を設置していませんが、これは「みんな等しく、勉強だけでなくいろいろなことに興味を持ち、やり抜いてほしい」という方針からだそうです。

 説明会の途中では、校舎内の様子が会場に中継もされました。参加者は、休み時間には伸び伸びと過ごし、授業には集中する、生徒たちの生の姿を見ることができました。

イメージ写真 都営大江戸線「牛込柳町」駅より徒歩1分。2015年完成の校舎にはチューターが常駐する自習室「自修館」があります。地下体育館、人工芝のグラウンドなど、運動施設も充実しています

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