受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

学習院女子中等科

2021年6月19日(土)

緑豊かな都心のキャンパスで伸び伸びと学び、高い品性と知性を養う

 1885年に華族女学校として設立された学習院女子中・高等科は、創立以来、一貫した教育方針として「その時代に生きる女性にふさわしい品性と知性を身につけること」を掲げてきました。卒業後は6割程度が併設の学習院大学、もしくは学習院女子大学に進学しますが、東京大学、東京芸術大学などの国公立大学のほか、早慶上智などの難関私立大学にもたくさんの合格者を輩出しています。

 SAPIX代々木ホールで行われた説明会では、初めにサピックス教育情報センター部長の広野雅明先生が学習院女子中等科の入試状況について解説しました。まず、2021年の入試結果から、入試の傾向を分析。「2回実施される一般入試のうち2回目は1回目より倍率が高く、難度も少し上がりますが、合格者の平均偏差値(合格力判定サピックスオープンの9~12月の平均偏差値)を見ると、1回目と2回目に極端な差はありません。もし1回目が残念な結果となっても、倍率を恐れることなく、最後まであきらめずにがんばってください」とエールを送りました。

 続いて、教頭の加茂亜紀子先生が登壇し、教育内容や学校生活について紹介。その冒頭で「わたしたちは、生徒一人ひとりを『ダイヤモンドの原石』と捉えています。それぞれが自己研鑽し、仲間同士で切磋琢磨して互いに高め合いながら、力を伸ばしていくのが本校の教育です」と語りました。同校では生徒にきめ細かく対応するため、クラス担任制ではなく、主管(担任)がチームを組んで学年全体を担当する「学年主管制」を採るなど、複数の教員の視点からていねいな指導が行われています。

 学習面では、国語(古文・表現)、数学、英語のほか、技術・家庭などの時間にも、1クラスを2分割して行う少人数制授業を実施。「意識しているのは“進度”ではなく“深度”」と話すように、『掘り下げる授業』を徹底し、学ぶことの楽しさを伝えています。また「本物に触れる」「感性を豊かに育む」「深みと広がりのある知性を育てる」「過程を重視する」「表現する力を育む」という基本方針の下、教育指導を進めているのも特徴です。少人数教育のほか、各教科で調べ学習、ディベート、ディスカッションなどを積極的に取り入れ、思考力や表現力を養うことで、基本方針の五つを育んでいます。

 学習環境についても紹介しました。都心にありながら、緑豊かなキャンパスには、同校の前身である華族女学校をイメージした風格ある造りの校舎、13万冊以上の蔵書を備えた図書館、1周200mのトラックを備えたグラウンド、二つの体育館、温水プール、理科4分野の実験室と講義室などがあります。「生徒たちは恵まれた環境の下で、好きなことに伸び伸びと打ち込んでいます。特に、部活動や八重桜祭(文化祭)、運動会などは生徒主体の運営なので、みんな積極的に取り組んでいます」と加茂先生は話しました。

 語学教育については、英語の授業でグループワークやスピーチなどを行う機会を多く設けて、4技能をバランス良く伸ばしています。一方、海外語学研修にも力を入れています。中3・高2・高3では希望者を対象にした、イギリスの名門のパブリックスクール、イートン校での約3週間の夏期講習プログラムを用意。このほか、オーストラリア・メルボルン郊外にある姉妹校、メソディスト・レディーズ・カレッジ(MLC)での、2週間の研修や6週間の交換留学もあり、さまざまな機会を通して、国際感覚を磨いています。

 最後に入試についてのアドバイスがありました。「どの教科にも共通するのは、読み手に伝わる解答を心掛けること」「国語は文章を客観的かつ論理的に読むこと。解答には主語をしっかりと書き、わかりやすくまとめることが大事」「算数は考える過程を評価するため、途中式は必ず書く」「理科は4分野より出題。身近なことやニュースにふだんから疑問を持ち、自分なりに追究する」「社会は地理・歴史・公民から出題。因果関係やしくみを理解し、漢字は正確に書く」など、具体的に伝えられました。

イメージ写真 都心にありながら、キャンパス内に様々な施設を備えています。そこで生徒たちは自分の場所を見つけ、充実した活動を行っています。左手本館の奥に見えるのが総合体育館です

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