受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

フェリス女学院中学校

2021年6月4日(金)

キリスト教を基盤とした一貫教育で
“For Others”の精神を育む

 1870年、キリスト教宣教師のメアリー・E・キダーによって設立された、キリスト教に基づく日本で最初の女子教育機関の一つであるフェリス女学院中学校・高等学校は、豊かな知性と教養を備えた、自由で自立した女性を育成しています。

 横浜・はまぎんホールで開催された説明会の冒頭で、校長補佐の安東努先生は同校の教育理念である「For Others(他者のために)」と、「キリスト教信仰」「学問の尊重」「まことの自由の追求」という三つの教育方針を挙げ、「生徒たちは、毎朝の礼拝でキリスト教の中心にある『愛』を学び、世界中の人々の幸福を考えられるようになるために学問に取り組んでいます。また、“For Others”の実現を妨げるさまざまなものから自由になることも追求しています」と述べました。

 続いて、生徒の特徴を表すエピソードが紹介されました。同校では、実行委員会の生徒たちが中心となり、毎年5月に外部会場で体育大会を開催しています。昨年度は新型コロナウイルス感染症の影響で中止となりましたが、今年は内容を見直して行う予定でした。しかし、感染の拡大を受け、直前で外部会場利用の見送りが決定。準備を進めてきた生徒たちのことを考えて、教員が「会場を学校のグラウンドに変更しては?」と実行委員会に提案し、校内での開催にこぎつけました。安東先生は、「生徒たちにとって、校内で体育大会を行うのは初の試みです。まったくノウハウがないなか、生徒たちは短期間で構成を見直し、知恵を絞り、結果としてすべてのプログラムを実施できました」と語り、「人は困難にぶつかったとき、その真価が問われます。本校の生徒は、学校生活での多くの経験を通して、芯の強さと自信を身につけていると感じます」と続けました。

一人ひとりの個性を紡ぐ
自由を尊重する学びの環境

 次に、募集広報委員長の近藤華子先生から、学習や学校生活について説明がありました。同校では、「自ら学び、自ら考える」をキーワードに、「自立」「主体性」「自由」の三つを柱とした指導を行っています。近藤先生は「あらゆる場面において、みずから疑問を持つところから出発し、答えを導き出す過程では、みずから考えることが求められます。生徒が社会や他者のために自分自身は何ができるのかを考える機会として、伝統的に続けられてきた行事があります」と話しました。

 1985年から続く高1の「広島研修旅行」は、新型コロナウイルス感染症の影響により、昨年度は内容を大幅に変更したものの、平和学習という本質が揺らぐことはなかったそうです。近藤先生は「一方、小規模ながら自由で濃密な学びの場が、いろいろなところで生まれることも特徴です。こうした多様な学びの〝横糸〟と、伝統という〝縦糸〟が絡み合う環境で、個性豊かな生徒たちが生き生きと活動しています。生徒たちが生きるこれからの時代には、深刻な課題が山積しています。だからこそ自分の芯をしっかりと持ち、しなやかに生きていける女性をこれからも育成していきたいと思います」と力強く語りました。

 最後に、4名の卒業生をオンラインでインタビューした映像が上映されました。同校での学校生活や学びがその後の人生にいかに生かされたかが語られ、会場の保護者は真剣に耳を傾けていました。

 なお、2022年度入試では21年度と同様、面接は行われませんが、筆記試験終了後に10分程度の筆記による人物考査を実施するとのことです。

イメージ写真 港を望む横浜・山手の丘の上にあるキャンパス。毎朝の礼拝から一日が始まり、生徒が集う講堂にはパイプオルガンの音色が響きます

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