受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

女子学院中学校

2021年6月8日(火)

キリスト教の精神を基盤に
自律の精神を育む女子進学校

 1870年、築地居留地内に創立されたA六番女学校を起源の一つとする女子学院中学校・高等学校。全国有数の女子進学校として知られ、キリスト教の精神を基盤に、一人ひとりの自由と個性を尊重しながら主体性を養う教育活動が行われています。

 この日の学校説明会は、SAPIX代々木ホールで、会場内のソーシャルディスタンスを保つなどの対策をとったうえで開催されました。

 説明会の冒頭、あいさつに立った学院長の鵜﨑創先生は、聖書に記されている「タラントンのたとえ」に触れました。これは、主人から預かった財産(タラントン)を倍にした家来は称賛され、減らさないようにと土に埋めておいた家来は追い出されてしまったという話です。この話を踏まえて鵜㟢先生は、「それぞれが生まれながらに与えられている才能(タレント)を社会のために生かし、神様にお返ししていくというのが、本校の教育の根幹にあるキリスト教の考え方です」と話しました。

 続いて、教育理念については、初代学院長である矢嶋楫子先生の「あなた方は聖書を持っています。だから自分で自分を治めなさい」ということばを紹介し、「本校では聖書を軸として、校則で縛ることなく、自律の精神を育み、自由な校風を保っています。生徒には、誰かに言われて方向性を定めるのではなく、自分自身で考える大切さを伝えています」と強調しました。

協働とディスカッションで
多様性を認め、柔軟性を養う

 次に、学校生活について説明がありました。週5日制で、朝は15分の礼拝から始まります。1コマ50分の授業は、生徒たちが話し合いながら結論を導くアクティブ・ラーニング型のものが多いのが特色です。

 生徒同士の話し合いを促す機会は、宿泊行事にも組み込まれています。たとえば、中1の「オリエンテーション・キャンプ」、中2の「ごてんば教室」、中高生の有志が参加する「春の修養会」などでは、テーマに基づいて協働とディスカッションを重ね、他者の意見に耳を傾ける「聴く力」を養うとともに、視野を広げます。また、「戦争体験の聞き書き」をはじめとする平和学習や、各界で活躍する社会人から話を聞く講演会などでも多様な考えに触れるそうです。

 さらに、リベラルアーツによって教養を高めることも重視しています。生徒の興味・関心の幅を狭めず、将来どんなことにも対応できるように基礎学力を充実させるという方針なのです。生徒が主体的に取り組む体験・実習による学びにも力を入れ、進路については「自分自身で決める」という指導を徹底しているそうです。

 最後に、鵜﨑先生は「本校の生徒は好奇心にあふれ、とても積極的です。また、互いの個性を認め合い、多様性と自由を尊重しています。中高時代の6年間は、人間としての根幹がつくられる大切な時期です。本校ならではの伸び伸びとした環境のなかで、生徒たちは自分の価値観や判断する力、何事にも適応できる柔軟性を身につけています」と結びました。

イメージ写真 昨年、創立150周年を迎えた歴史ある女子学院中学校・高等学校。パイプオルガンの荘重な音色が響く毎朝の礼拝から一日が始まります

www.joshigakuin.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ