受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

開成中学校

2021年6月11日(金)

生徒主体の運動会、豊富なクラブ
誰もが自分の居場所のある学校

 開成中学校・高等学校は今年で創立150周年を迎えました。その記念事業として2019年から始まった高校校舎の建て替え工事も間もなく竣工予定で、今年9月からは、新しい校舎での授業が始まります。

 SAPIX代々木ホールで開催されたこの日の説明会は、サピックス教育情報センター部長の広野雅明先生による同校の入試解説から始まりました。広野先生は実際の解答用紙を示しながら、「国語は記述式が中心です。登場人物の心情を掘り下げるなど、男子が苦手な内容も扱われます」「算数は途中式や考え方も採点対象になるので、ていねいに書きましょう」などと、出題傾向や注意点について説明しました。そして、合格の目安や併願パターンにも触れ、「偏差値56~60でも可能性は十分あります。正月特訓以降に伸びる生徒も多いので、最後まであきらめることなく、がんばってください」とアドバイスしました。

 続いて登壇した校長の野水勉先生は、長い歴史のなかで培われてきた学園の精神として、「質実剛健」「自主自律」「進取の気性と自由の精神」「ペンは剣よりも強し」の四つを挙げました。そして、「本校では、強い精神力を持ち、飾らない人柄によって多くの人の信頼を集め、率先して新しい分野を切り開いていく自立した人材の育成をめざしています」と語りました。

 それを体現するものとして紹介したのが、例年5月に開催される運動会です。中高6学年を縦割りした8チームで競い合う運動会は、すべてが生徒主体で運営され、1年かけて準備が行われます。新型コロナのため、昨年は中止となりましたが、今年は生徒のたっての希望により、感染対策を徹底したうえで、無観客で開催しました。

 ご自身も卒業生という野水先生は、「騎馬戦や棒倒しといった肉弾戦を見て、尻込みする受験生もいると思いますが、心配は無用です。競技だけでなく、応援歌作りや会場の装飾・審判など、個性や能力に合わせて、さまざまな活躍の場があるのが開成の運動会だからです。わたしもそれほど運動能力は高くなかったので、棒倒しは、棒にしがみついて支える側でがんばりました」と、在校時のエピソードを交えて説明しました。

 部活動も盛んで、全国大会や各種コンテストで入賞するようなクラブもあります。これについては、「どんな生徒にも自分の居場所があります。だからこそ、満足度アンケートでは毎年95%以上の生徒が『学校が楽しい』と答えるのです。もちろん、わたしたち教員が注意を配るべきなのは、残り数パーセントの生徒たちだと心得ています。カウンセラーを交え、その悩みをすくい上げていく体制を整えています」と述べました。

旺盛な学習意欲をかきたてる
ハイレベルな授業を展開

 学習面の特色は「個性豊かな教員によるレベルの高い授業」にあります。ほとんどの教員が自主教材を用意し、大学で扱う内容や、自身の研究に触れることもあります。一方で、理解度が不足している生徒には、個別の指導や、大学生チューターによるフォローも行っています。英語教育にも力を注ぎ、中3対象の英語学校や高校英語特別講座を通じて、実践的英語力を養成しています。さらに、海外の大学について知ることができる「カレッジフェア」も開催しており、海外大学に進学した卒業生はこの5年で30名を超えました。

 最後に野水先生は、受験生に向けて次のように語り掛け、この日の説明会を終えました。

 「わたしたちは、世界で起こっている事象に関心を持ち、異なる文化を理解し、弱者に対して何ができるかを考え、意見を言える人を育てたいと考えています。失敗や困難を乗り越え、努力することが糧になります。皆さんが開成に入ってくださることを心より歓迎いたします」

イメージ写真 体育館や図書館もある地下1階・地上6階建ての新校舎。生徒の交流の場としてオープンスペースやテラスが随所に配置されています

kaiseigakuen.jp/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ