受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

桜蔭中学校

2021年6月12日(土)

各界に有能な女性を輩出する
全国有数の女子進学校

 桜蔭中学校高等学校は1924年、東京女子高等師範学校(現在のお茶の水女子大学)の同窓会である桜蔭会の会員によって設立されました。早くから完全中高一貫校として女子教育を実施し、各界に有能な女性を輩出してきた全国有数の女子進学校です。

 SAPIX代々木ホールで行われたこの日の説明会では、最初にサピックス教育情報センター部長の広野雅明先生が入試傾向を解説。「桜蔭は算数が難しいという印象ですが、多くは『努力が点数につながる』タイプの問題です。根気良く実力を高めてください」「国語は文章そのものが難しく、高度な読解力と記述力が必要です」「理科・社会は基礎固めを強化して、しっかり得点を重ねましょう」「4科をバランス良く勉強することが大切です」などと話しました。

 続いて登壇した校長の齊藤由紀子先生は、学校の歴史を紹介。桜蔭は関東大震災の翌年に「社会報恩」という理念の下、女子教育の理想の実現をめざして開校しました。当時の写真などをスライドに映しながら、齊藤先生は「桜蔭会の会員は向学心にあふれ、学ぶことへの真摯な情熱を持っていました。その思いを受け継ぎ、本校では机上の学びに偏ることなく、バランスの取れた『良き社会人』となるために礼法・保健体育・芸術・家庭科・音楽・美術・書写も重視しています」と語りました。そのうえで、「桜蔭は女性同士の友情や協力・連帯といった『シスターフッド』の精神によって運営されてきた学校です。生徒たちには、学園で過ごす6年間で自己肯定感を育み、一生の友人を見つけてほしいと願っています」とも話しました。

来年度も面接は受験生本人のみ
出願・合格発表はウェブ上で

 齊藤先生によると、今年度の学校行事は新型コロナウイルス感染拡大防止に配慮しつつ、例年どおり実施していますが、群馬県北軽井沢・浅間山荘での夏休み宿泊行事は中止とするそうです。一方、「修学旅行は行き先を変更し、期間を短縮してでもぜひ実施したい」とのことです。文化祭は9月24日から26日までの3日間にわたって開催される予定で、来場は25日と26日のみ。午前・午後の入れ替え制となります。

 また、同校では創立100周年記念事業として新校舎を建設する予定です。プールと体育館がある東館の解体工事は、今年8月に始まり、完成予定は2023年です。「体育館・プール・理科教室が新しくなり、ICT環境も充実します」と齊藤先生は話しました。

 続いて、教務主任の井上瑞穂先生が実際の学校生活を紹介しました。主要教科は基礎・基本を大切に学び、毎日の予習・復習が重視されています。中学では自由研究に取り組みます。これは、50年以上続くもので、生徒は中2から準備を始め、自由なテーマで原稿用紙20~40枚の論文を書きますが、その論文は学年ごとに1冊の本に製本されます。「これを機に将来の夢を見つける生徒も少なくありません」と井上先生は言います。

 全学年とも5クラス編成で、クラス変えは毎年行われます。各学年にクラス担任5名と2名の副担任を配置し、担任の先生たちは「3年あるいは6年を通して持ち上がる」場合が多いそうです。また、授業は週6日制で、土曜日は4時間目までですが、平日の6時間目は通常、午後3時10分に終わり、その後、担任の先生との終礼、掃除を行います。放課後はクラブや委員会活動のほか、図書館で過ごす生徒も多いとのこと。クラブ活動は中1から高2まで全員が参加します。

 最後に、2022年度入試について。4科の筆記試験と、受験生本人の面接(5名ずつのグループ)が実施されます。今年度に引き続き、保護者面接はありません。出願および合格発表はウェブで行われます。

イメージ写真 創立100周年記念事業として、プールのある東館の建て替えが計画されています。体育館・プール・理科教室が新しくなり、ICT環境も一層充実します。完成は2023年の予定です

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