受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

獨協中学校

2021年6月23日(水)

社会を牽引する「優等生」を育成。来年度から獨協医科大への「系列校推薦枠」を新設

 1883年に設立された獨逸学協会学校を前身とする獨協中学校・高等学校は、完全中高一貫の男子校です。学園の中興の祖ともいえるのが、大正・昭和期の哲学者・教育者で、文部大臣を務めた天野貞祐。1952年に第13代校長に就任した天野は、教育理念に「学問を通じての人間形成」を掲げ、さまざまな改革を断行しました。「獨協生が社会に出ればみんな社会の優等生になれる」という天野のメッセージは、同校の教育のなかで繰り返し生徒に伝えられてきました。難関大学、特に医学部医学科への合格実績には定評があります。2022年度からは獨協医科大学への「系列校推薦枠」が新設されることに伴い、教育連携の計画も進められています。

 校長の上田善彦先生は「中高の6年間は、人間性・知性・感性をバランス良く伸ばす大切な時期です。本校では学年団の教員、各教科の担当者はもとより、進路指導部と情報センターも一丸となって、知性と豊かな人間性を持った人材を育てるための教育を行っています」と話します。特に中学では「きちんとしたあいさつ」と「積極的な部活動への参加」を推奨。上田先生は「あいさつは円滑なコミュニケーションの第一歩であり、部活動は多様な仲間と同じ目標に向かって協力することを学ぶ場です。ともに、社会に出る準備として欠かせないものだと考えています」と述べました。

 教育内容については、教頭の坂東広明先生が説明します。同校では、6年間を2年ずつの3ブロックに分け、成長段階に合わせた指導を行っていますが、「基礎学力養成期」に当たる中1・2では、学習習慣を身につけさせることを徹底。みずからスケジュール管理を行うための「獨協手帳」を用いての時間管理の仕方やノートの採り方を指導し、自立した学びに導いていきます。また、学習の遅れが目立つ生徒へのフォローとして、指名制の補習を実施する一方、発展的な学習を望む生徒には、長期休暇中に講習を行っています。このほか、テーマ選びから調査・研究までを1年かけて行うことで論理的思考力を養成する中3の「研究論文」、蔵書数8万冊以上の図書館を利用した「読書会」、学校の近隣の史跡を巡る「学校周辺文学散歩」など、生徒の興味・関心を引き出す取り組みについて紹介がありました。

 同校では環境への興味・関心を育てる教育にも力を入れています。明るく開放的な校舎には、屋上生態園やビオトープなど、日常的に自然と向き合える施設もあります。それらを使って、野菜の栽培や生態系の再現を行っているのが、中1から高2までの50名ほどで構成される「緑のネットワーク委員会」です。植物の生育実験、ホタルをはじめとする生物の観察、小学校への出張授業など、地域とつながるファシリテート活動も盛んです。

 充実した外国語教育プログラムも特色の一つです。英語は発信型の力を身につける授業を展開し、4技能をしっかりと伸ばします。中1~3の各学年で行われるコンテストでは、語学力だけではなくパフォーマンスの内容も評価し、表現力の向上を促します。創立時からドイツ語教育にも注力しており、高1からはドイツ語を第2外国語として選択することもできます。受講者を対象にしたドイツ短期留学制度もあります。グローバルな視野を身につける機会も豊富で、ブリティッシュヒルズ研修(中3)、ハワイ修学旅行(高2)のほか、イエローストーンサイエンスツアー(高1・2の希望者対象)、ドイツ研修旅行(中3~高2の希望者対象)なども実施しています。

 同校の入試は2月1日の午前(算数・国語・理科・社会)と午後(算数・国語)、2日午前(算数・国語・理科・社会)、4日午前(算数・国語・理科・社会)の計4回行われます。このうち2021年度に新設された2月1日の午後入試は、募集定員約20名に対して615名の応募者を集めました。「応募倍率は30倍に達しますが、合格者も多く出したので、実質倍率は2.4倍でした。1日午前(2.5倍)と差はありません。各回とも合格者平均点は7割前後となっています。特に算数で差がつくので、がんばってください」と激励のことばが送られました。

イメージ写真 運動部・文化部のほとんどが中高合同で活動。その合間に、緑のネットワーク委員会の一員として、環境教育の課題に取り組む生徒も多くいます

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