受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

法政大学第二中学校

2021年6月24日(木)

10年一貫教育で多様な仲間と文化に出会い、他者と協力して未来を切り開く力を育てる

 法政大学の付属校として旧制法政大学第二中学校が開校したのは1939年。戦後、新制の中学校・高等学校になりました。長く男子校でしたが、2016年に中高が同時に共学化され、新たな歴史を刻み始めています。

 説明会の冒頭で、副校長の下川禎先生は「出会い、向き合い、『自分』をつくる」という教育方針に触れ、学びの大きな特徴として「多様な仲間との出会い」「多様な文化との出会い」を挙げました。同校では高校からの入学者も多いため、中学から一般入試で入学した生徒、帰国生入試で入学した生徒、さらに高校から書類選考や学科試験で入学した生徒が一緒に学びます。また、生徒が中心となって取り組む国際交流も盛んです。生徒で組織する「国際交流委員会」の活動内容は、海外の中高生との交流から、留学生のサポート、イベントの開催まで多岐にわたり、国内外の同世代の仲間との出会いの場となっています。

 さらに下川先生は、実物に触れて興味・関心と問題意識を喚起する「主体性」、話し合って仲間とともに取り組む「共働性」、答えのない課題に取り組む「総合性」を育むことを「学びの柱」としていることを紹介しました。そのうえで、「本校で育てたいのは、『将来の主権者としての基本を獲得し、多様化する社会及び課題に対して、他者と共働・協力しつつ、自分たちの未来をみずから切り開いていこうとする生徒』です。今年は共学化から6年目に当たり、中高一貫の6年間の一つのサイクルが完了する年です。この6年間の成果を生かしながら、今後もより良い学校教育を行っていきます」と話しました。

 次に、入試広報副主任の小林究先生が、具体的な教育内容について説明しました。同校では中高大の10年一貫教育において、ディスカッションやプレゼンテーションなどを通して知識や思考を深めることを大切にしています。そのためには、英語・数学の高いレベルの能力を獲得することが必要であるという考えから、中1・2の英語・数学の一部では、1クラスを半分にした約15名で授業を行い、わからないことをすぐに教員に質問できる環境を整えています。さらに週1回の「定着」の時間では、その週に学んだ内容のテストを実施します。つまずきを早期に把握・解消し、10年間の土台となる確かな学力を積み上げていくのです。

 また、理科を担当する小林先生は、「中学受験を突破して入学した生徒は、知識はあっても『実物を見たことがない』という弱点があります。屋外で植物や動物を見たり、触れたりする経験が乏しく、自分の知識と、日常生活における現象や社会の出来事を結びつけることができないのです」と話します。こうした弱点をサポートするため、中学では体験を重視した教科教育を実践しています。たとえば理科では、八つの理科室を活用して3年間で70回以上もの実験を行います。実験結果は毎回、「実験ノート」にまとめて、教員に提出します。このほか、さまざまな動植物の標本を展示する自然科学室、高度な実験装置を有する実験室など、設備も充実しています。このように、大学受験のための学習にとらわれず、より深く、ていねいに学べるのが同校の強みです。

 卒業生は、例年90%以上が法政大学に進学します。高校から法政大学へは一定の条件を満たしていれば、法政大学への入学が認められる有資格者となります。今春の有資格者率は98%でした。

 最後に、2022年度入試とその傾向について、入試広報主任の望月則男先生から、「苦手教科や分野をなくすこと、簡単なミスをしないことが合格のポイントになります」とのアドバイスがありました。日程・科目などは、これまでどおりの予定で、詳細は9月以降にホームページに掲載されるとのことです。

イメージ写真 時計塔校舎を中心としたキャンパスには、蔵書数が約6万5000冊の図書館、全国レベルの部活動を支えるグラウンド、冷暖房完備の体育館などがあり、施設・設備がとても充実しています

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