受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

香蘭女学校中等科

2021年6月25日(金)

神から与えられた賜物を磨き、社会に有為な女性として生きる力を育む

 1888年に英国国教会の宣教師エドワード・ビカステス主教によって創立された香蘭女学校は、キリスト教の教えに基づく女子教育を行うミッションスクールです。東急線「旗の台」駅から徒歩5分の閑静な住宅街にあるキャンパスの敷地には、小川や池・緑豊かな築山などがあり、四季折々の花を見ることができます。

 この日の説明会は、入試広報室長の桜井千枝先生による開会のお祈りから始まりました。続いて登壇した校長の鈴木弘先生は、聖書の教えに基づいた、生徒一人ひとりに与えられた「賜物」を伸ばす教育について、「優秀なリーダーは、優秀なフォロワーと共にあります。抜きん出た存在になるよりも、他者のために自分を役立てることに生きる喜びを感じる女性となってほしいのです」と話します。日本の伝統文化を生かした情操教育にも注力していることに触れ、「イギリスの宣教師たちがたたえた日本文化を守るのも私たちの使命です。中1では礼法の授業を週1回行い、豊かな教養と品性を育みます。本校での6年間を通して、女性としてのライフデザインを描いてほしいと心から願います」と結びました。

 論理力・表現力・創造力を備えた「有為な女性」の育成をめざした教育プログラムは、「Experience×Education(体験×教養)」「Diversity×Empathy(多様性×共感力)」「Life Design×Talent(ライフデザイン×賜物)」の三本柱で構成されています。

 まず、本物と出合うことで未知の世界への興味・関心を喚起し、知恵へと昇華させていくのが「Experience×Education」です。定評のある英語教育では週6コマの授業を通じて4技能をバランス良く伸ばします。週3回の「英語Full」では、検定教科書を使った音読トレーニングや問題演習で基礎を固め、週3回の「英語Half」ではクラスを二つに分けて、ネイティブ教員による授業や、ネイティブ・日本人教員のチームティーチングによる授業を展開します。ここでは、スピーキングや多読などに取り組みます。さらに、国際交流の場として、短・中・長期の三つから期間を選択できるカナダのプリンスエドワード島での留学プログラムもあります。昨年に続き、渡航がかなわない今年は、オーストラリアやニュージーランドの中高生や、アイルランドの語学学校の先生方と、オンラインによる異文化交流を実施しています。

 「Diversity×Empathy」は、毎日の礼拝、キリスト教の暦にのっとった季節の宗教行事、「ヒルダ祭」と呼ばれる文化祭やバザーといったイベントなどが中心です。6年間の祈りの日々を通して自分のミッションに気づき、異なる価値観を持つ他者と歩む協働性や、まだ見ぬ隣人のために心を寄せる共感性を育むとともに、みずから行動する力を養います。伝統的な取り組みとしては「ビッグシスター制度」が特筆されます。これは中1生のお世話係として高3生が学校生活をサポートするもので、上級生へのあこがれがフォロワーシップを育み、5年後には自分たちが手本となるべくリーダーシップの醸成につながっていきます。

 神様から授かった「賜物」を生かして生きていく道を探究するのが「Life Design×Talent」です。プロテスタント系団体「日本聖公会」に属する同校は、関係校の立教大学と、聖路加国際大学への推薦入学制度があります。立教大学へは全学部・学科に、定員160名の約6割に相当する97名が進学可能で、出願資格は「高等科3年間の評定平均値が3.5以上」「CEFRのB1レベル(英検®2級相当)の英語力」です。ほかにも、高大連携の教育プログラムや、進学内定者向けのTOEIC特別講座、企業でのインターンシップなども実施されています。高3の秋以降は、生徒同士で教え合う勉強会が自主的に開かれているほか、一般入試で他大学をめざす生徒には、希望する進路に合わせた受験対策も行われているとのことです。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 全生徒がiPadを所有。校内全域をカバーするWi-Fi環境が整備され、授業や部活動だけではなく、あらゆる場面でICTが活用されています

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