受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

本郷中学校

2021年6月29日(火)

縦のつながりを通して切磋琢磨し、「文武両道」「自学自習」「生活習慣の確立」をめざす

 1922年に高松藩松平家第12代当主の賴壽(よりなが)氏により創立され、来年、創立100周年を迎える本郷中学校・高等学校。今春は国公立大学に120名以上の合格者を輩出した進学校である一方、部活動もとても盛んです。なかでもラグビー部は、スポーツ推薦で選手を獲得していないにもかかわらず、高校の全国大会に何度も出場している強豪です。

 この日の学校説明会の冒頭、校長の佐久間昭浩先生は、建学の精神「個性を尊重した教育を通して国家有為の人材を育成する」と、校訓「強健・厳正・勤勉」に触れ、同校が貫く三つの教育方針として「文武両道」「自学自習」「生活習慣の確立」を紹介しました。そのうち「自学自習」については、「本校では『勉強しなさい』と言うのではなく、『勉強したくなる』刺激を用意しています」とのことです。その一例として、英検®3級以上の面接対策指導を、先にその級を取得した生徒が担っていることを挙げ、「先輩が後輩のために準備をする様子を見て、自分もこうなりたいと思うようになります」と説明しました。

 続いて佐久間先生は、内閣府が提唱する「Society5.0」が描く未来社会について語りながら、「混とんとした世の中を力強く生き抜くためには、学び続ける力が求められています。本校は、生徒たちが『安心して失敗を経験できる』場所です。勉強だけではなく、さまざまなことに挑戦し続け、心・体・頭をバランス良く成長させていってほしいと考えています」と語りました。

 次に入試広報部長の野村竜太先生から、佐久間先生からも説明があった三つの教育方針を実現させるための具体的な取り組みが紹介されました。たとえば「文武両道」では、二つのつながりを意識しているそうです。一つ目は、「文(勉強)」で学んだことを「武(部活動など)」に、「武」で学んだことを「文」に生かすという相乗効果です。二つ目は、生徒たちの「縦のつながり」です。その代表は部活動ですが、ラグビー部や陸上部など体育系のクラブだけではなく、近年は科学部や社会部など文化系のクラブも同様に、縦のつながりを培いながら全国規模の大会で活躍しています。

 また、中1にとって初めての中間テスト前に行われる合同授業では、中1と中2がペアになり、先輩が後輩に、勉強や生活習慣に関するアドバイスをします。野村先生が「この時期の男子は、大人の言うことよりも、先輩のことばのほうが刺さることが多いのです」と話すように、男子の特性を熟知した同校ならではの取り組みといえます。なお、この合同授業については、新型コロナウイルス感染症の予防対策のため昨年度は実施できませんでしたが、後輩へのアドバイスをまとめた動画を中2の生徒が制作し、中1の生徒たちに配信したそうです。

 続いて「自学自習」の代表的な取り組みとして、「本数検」が紹介されました。これは「本郷数学基礎学力検定試験」の略で、同校が独自に実施する数学の検定試験です。学校の成績に直接は影響しませんが、取得級一覧は職員室前に張り出され、優秀者は全校生徒の前で表彰されます。これによって「先輩や後輩に負けたくない!」という気持ちが生まれ、自学自習が促されるそうです。実際に、高1が中3の問題にチャレンジし、満点を取った例もあります。

 「生活習慣の確立」では、手帳を活用したスケジュール管理ができるように、その書き方の指導からスタートします。生徒は課題の内容とともに期日も記入し、自己管理能力を高めます。最後に野村先生は「皆さんは『縦のつながりを重視している』と聞くと、『上下関係が厳しい学校なのではないか』と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。中1から高3までの生徒が互いに刺激し合い、高め合える環境です」と結びました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 都心にありながら広々としたキャンパスには、人工芝のグラウンドがあり、サッカーやラグビーの公式試合も行われています

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