受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

宝仙学園中学校共学部理数インター

2021年7月2日(金)

一人ひとりの「自己ベストの更新」を支え、自己肯定感を育む

 幼稚園から大学までを擁する宝仙学園は、真言宗豊山派の宝仙寺を運営母体とする歴史ある総合学園です。中学・高校はかつて女子校でしたが、2007年、高校に女子部を残しながら、中高一貫教育を行う共学部「理数インター」を新設しました。そこでは、国際社会で必須となる理数的思考力、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力の育成をめざしています。

 この日のオンライン説明会では、校長の富士晴英先生があいさつに立ち、「本校では、『自己ベストの更新』をキーワードとして、他者と比べるのではなく、自分のベストを尽くすことを大切にする教育を行っています」と語りました。その成果は難関大学への合格実績にも表れており、今春は既卒生を含め、東京大学・京都大学・一橋大学をはじめとする国公立大学(大学校含む)に41名が合格。東京藝術大学(2名)など、進学先がバラエティに富んでいることも特徴の一つです。

 富士先生は「中学受験という12歳でのチャレンジは、『偏差値よりも学習歴』が重要」と指摘したうえで、「個人の成長段階に差がある12歳では、相対評価である偏差値は指標の一つではありますが、すべてではありません。それよりも、あきらめずに最後までやり切った経験こそが、その後の人生に生きるのです」と話しました。中学では、最初から全力疾走させるのではなく、まず学校を生徒にとって居心地の良い場所にしたうえで、失敗を恐れずに高い目標に挑戦できるよう、「なぐさめ、はげまし、きたえる」ことが必要だと考えているそうです。富士先生は、「本校が望む中学生像は、『明るく、楽しく、一生懸命』な生徒です。学習だけではなく、行事やクラブ活動など、さまざまなことに積極的にチャレンジしてほしいのです。生徒たちが失敗を克服しようと努力を重ねる日々を送るなかで自信をつけさせ、自己肯定感を持てるように手助けをすることが、教員と保護者の役目です」と強調しました。

 次に、入試広報部の氷室薫先生が、作法室をリニューアルした和室の「ICT3教室」から、中2の教科「理数インター」の授業の様子を中継しました。同校では、「答えのない学びをしよう」という目的で、中学で週1時間、独自の科目「理数インター」を設けており、中1は「コラボレーション」、中2は「プレゼンテーション」、中3は「ラーニング」をテーマに、生徒が主体となって探究力を培います。中1ではチームビルディングに力を入れて発想力を育み、中2からは、企業のミッションに応えて課題解決を提案する「クエストエデュケーション」のプログラムに挑戦します。

 この日は、その前段階としてアメリカの新しい教育についてDVDで学んでいたとのこと。氷室先生は「多角的な視点や多面的な考え方を養うという点において、理数インターの教育方針はサピックスの授業とも共通するところがあります」と説明したうえで、「企業から出されるミッションは大人にとっても難しいものですが、生徒たちは仲間と考え抜いて取り組み、昨年度はその全国大会『クエストカップ』にも出場しています」と語りました。

 最後に、入試広報部長の中野望先生から、2022年度入試について説明がありました。「多様な個性を持った生徒を受け入れ、学校を活性化したい」という思いから、同校ではさまざまな入試を用意しています。4科入試に向けて学習してきた受験生を対象とする入試としては、2月1日午前と2日の午後に行う「2科・4科入試」に加えて、1日午後に実施される「新4科特別総合入試」があります。これは60分間で総合問題を解くもので、中野先生によると、「受験生の負担が少なく、利用しやすい方式」だそうです。ほかにも、適性検査に対応した学習をしてきた受験生向けの「公立一貫型入試」や、日本語リスニングとプレゼンテーションを組み合わせた「リベラルアーツ入試」「グローバル入試」「読書プレゼン入試」「入試『理数インター』」などがあります。

イメージ写真 東京メトロ丸ノ内線・都営大江戸線「中野坂上」駅より徒歩3分という恵まれた立地にある校舎。高校生は午後8時まで利用できる自習室、生徒の憩いの場「宝仙Marché」(食堂)などがそろっています。

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