受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

三田国際学園中学校

2021年6月29日(火)

可能性を限りなく広げ、どんな社会でも貢献できる「発想の自由人」を育成する

 2015年度に、前身の戸板中学・戸板女子高校から改称・共学化した三田国際学園中学・高校は、グローバル社会に活躍する「真の国際人」の育成をめざす進学校です。同校で6年間を過ごし、この春に卒業した中学入学の1期生の多くは、国公立大学や早慶上理といった最難関の私立大学や海外大学にも多数合格し、先進的な教育の成果を証明しました。

 オンラインで開催されたこの日の説明会で、副校長兼広報部長の今井誠先生は、「教育改革を進めるに当たり、まず念頭に置いたのは『どのような時代でも、社会で活躍する人材に共通して備わる資質』でした。目まぐるしく変わっていく時代においても、不変の資質を、12のコンピテンシー(探究心・創造性・責任感・異文化理解・リーダーシップ・共創・率先・社会参画・問題解決能力・コミュニケーション・革新性・生産性)として教育目標に定め、学校生活のあらゆるシーンで意識しながら活動しています」と話します。

 世界標準の教育を目指し、2022年からは「インターナショナルサイエンスクラス(ISC)」「インターナショナルクラス(IC)」「メディカルサイエンステクノロジークラス(MSTC)」での3クラス制が始まります。今井先生によると、「新設の『ISC』は、これまでの本科クラスの特徴である基礎ゼミナールと、インターナショナルクラスの帰国生と共に多様性を受け入れ合う学びを併せた新設のクラスです。来年度から刷新される『IC』は、多くの帰国生の在籍した国際性豊かな環境が特徴です。あたかも海外に留学しているような環境で、『英語0ベーススタートの生徒』も、主要教科は段階的にオールイングリッシュで学べるプログラムが組まれます」とのこと。さらに高校からは、国内初の西オーストラリア州と提携してのデュアルディプロマプログラムで学びます。一方の「MSTC」は、医療従事者や研究者を志す生徒を対象としたクラスです。理系科目の授業が充実しているだけでなく、他教科でも生命倫理や医学上の諸問題などを扱います。「ISC」からも中2進級時に「MSTC」への移動は可能ですが、2科(算数・理科)のMST入試で入学した生徒が優先されるそうです。

 「自律的な学び」を促すために、全クラスに共通するキーワードとして掲げているのが「THINK & ACT」「INTERNATIONAL」「SCIENCE」です。「THINK & ACT」は、「習得した知識で深く思考し、行動する力」を伸ばす教育で、その柱となるのが「相互通行型授業」です。さらに、学びは一つではなく、教科横断型などさまざまな学びを工夫するアクションへと高められています。「授業を進めるに当たっては、ICTを使いこなすことも不可欠です。本校ではすでに生徒全員がiPadを所有して、校舎内はWi-Fi環境を整備しているため、生徒たちはすぐに情報を収集、分析して、考えを構築・共有しながら発表へと発展させいきます。おかげで新型コロナウイルス感染症の流行による休校時も、滞ることなく学習を進めることができました」と説明しました。

 「INTERNATIONAL」は、「使える英語」の習得をめざした英語教育環境を指します。中学では英語の授業時間数を週8時間から9時間設け、4技能をバランス良く養成していきます。さらに、27人のネイティブ教員が「International Teachers」として、授業だけではなく、学級担任を務め、学校行事・課外活動・進路指導にもかかわり、実践的な英語力を養う学習環境を提供しているのも特筆すべき点です。その一方で、文理の垣根を越えて論理的思考のプロセスを習慣づける「SCIENCE」にも力を入れています。中学の理科では毎週実験を行い、疑問→仮説→実験→考察というプロセスを軸にした授業を展開。大学の研究室レベルの設備を整え、遺伝子組み換え操作などの高度な実験ができる二つの「サイエンスラボ」もあります。

イメージ写真 27名の専任のインターティーチャーは、正副担任業務やホームルーム活動をはじめ、学校行事、部活動、進路指導など生徒の指導に携わります

www.mita-is.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

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