受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

広尾学園小石川中学校

2021年7月5日(月)

「広尾学園と同等同質」の教育をめざし、小石川の地に開校

 村田女子高等学校が広尾学園と教育連携を開始したのは、2018年のことです。以来、「広尾学園と同等同質の教育」の実現に向けて改革を推進し、2021年4月に男女共学化とともに、広尾学園小石川中学校・高等学校として生まれ変わりました。

 オンラインで開催されたこの日の説明会の冒頭で、副校長の奥田克己先生は2021年度の中学入試について次のように報告しました。「募集人員120名のところ、全日程の延べ出願者数が3801名でした。特に午後入試は高い競争率となりましたが、合格者も多めに出したので、実質倍率はそれほど高くありませんでした。第一志望の受験生が多い2月1日午前も、本科・SGの平均は2.3倍でした」と述べました。

 同校では、広尾学園で実績を挙げているコースのうち、「本科コース」と「インターナショナルコース」が設置されています。今春入学した1期生198名の内訳は男子87名、女子111名で、難関大学をめざす「本科コース」が3クラス、英語力を生かし国内外の難関大学をめざす「インターナショナルコース」が2クラスという編成でスタートを切ったとのことです。

 同校では「自律と共生」を教育理念に掲げ、「本物に触れ、本物をめざす」をモットーに教育改革に取り組んでいます。広尾学園で培ってきた教育プログラムとシステムを導入するに当たっては、松尾廣茂校長をはじめとする16名の教員・理事を迎え、教員研修で指導力を高めるとともに、指導方針を共有しています。教育のビジョンは「問題解決能力とコミュニケーション能力の養成」「グローバルな視野と高度な英語力の習得」「デジタルネイティブ世代としての最先端ICTスキルの獲得」の三つです。奥田先生は「このうち先の二つは早々に実現できていると実感しています。本校の在校生のうち高い割合を占めるインターナショナルコースの生徒は、異文化を認め合う環境で暮らした経験から、とてもフレンドリーです。さらに、自分の考えを発言したり、行動に移したりすることをためらいません。それが一般の生徒たちにとっても大いに刺激となり、授業はもちろん、学校全体の流れを活性化させていると日々感じています」と語りました。加えて、Wi-Fiを完備するなど、ICT環境も整備されており、生徒全員が持つ情報機器は、授業やさまざまな教育活動に活用しているとのことです。

 各コースの特色についても説明がありました。インターナショナルコースは、各専門分野の外国人教員が英語で授業を行うアドバンストグループ(AG)と、入学してから英語力を伸ばしていくスタンダードグループ(SG)とに分かれます。広尾学園で指導経験のある外国人教員と日本人教員とのダブル担任制を導入し、授業はディスカッションやプレゼンテーションを組み合わせて展開されます。「AGでは、国語・日本史・地理と、一部の実技教科以外の授業はすべて英語で行われています。広尾学園の実績ではSGで入学した生徒も日々英語のシャワーを浴びることで、中1の終わりには英検®2級を、高校進学時には英検®準1級を取得するだけの力がつく生徒も少なくないので心配はいりません」と奥田先生。一方の「本科コース」は中1から本格的なキャリア教育プログラムを受けて視野を広げていくのが特徴です。中1から高1までは、「読解力」と「発信力」を育成するために、教科学習、教科外のさまざまな活動を通じて、プレゼンテーションや論文作成に取り組みます。また、主要科目の学習については、中学校の範囲を中2で、高校の範囲を高2で終えることをめざしています。奥田先生は「演習を通して実践力を高め、生徒一人ひとりが希望する進路を実現できるような学力を養成していきます」と語りました。

※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。

イメージ写真 閑静な住宅街にある校舎から、校外のさまざまな教育機関と連携しています

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