受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

吉祥女子中学校

2021年7月6日(火)

多様性を認め合う伸び伸びとした校風の下、主体的に学び、幅広い進路を実現

 緑豊かな武蔵野市の、アクセス至便な地にキャンパスを置く吉祥女子中学・高等学校。難関大学への合格実績が高く、理工系・医歯薬系のほか芸術系学部への進学者もいるなど卒業生の進路が幅広いことでも知られています。建学の精神「社会に貢献する自立した女性の育成」の実現のため、「知的探究心を育みましょう」「言葉と行動に責任を持ちましょう」「互いの価値観を尊重しましょう」を校是とし、女子教育に特化した6年間のカリキュラムを展開しています。

 オンラインで開催されたこの日の説明会の冒頭で、校長の赤沼一弘先生は、昨年春の新型コロナウイルス感染症の流行による休校期間を振り返りました。同校では4月の早い段階からオンラインを活用し、遠隔授業を開始したそうです。また、オンラインでの海外留学や、昨今力を注いでいる高大連携の取り組みについても触れ、「新型コロナウイルス感染症の影響下においても、生徒たちの学びを止めることなく、幅広く奥深い教養を身につけるための教育活動を積極的に行っています」と語りました。

 続いて、広報部長の杉野荘介先生が同校の特色について紹介しました。学校生活の基盤として、杉野先生は「自由闊達な空気」「多様性を認める文化」を挙げ、「6年間じっくりと物事を考えながら成長できる環境の中で、生徒同士で互いに刺激を与え合い、また受け合いながら、さまざまなことに挑戦するので、仲間との一体感が得られます」と語りました。さらに、同校に受け継がれているものとして、「生徒一人ひとりの『ありのままの個性』を尊重し合う校風」を紹介し、「自分をさらけ出せるという安心感があるからこそ、日々の学習、クラブ活動、行事運営など、何事にも全力投球できるのです」と強調しました。

 その一例として杉野先生が紹介したのは、オンラインを活用した「リモート運動会」です。これは昨年、感染を防ぐために中止となった運動会の代わりに、高2の体育部に所属する生徒たちが企画したイベントで、種目の決定からルールづくり、そして運営に至るまですべてを自分たちで担当しました。また、在校生の登校が認められなかった高校の卒業式では、先輩に感謝の気持ちを伝えようと、有志が寄せ書きのオブジェを作成し、展示したそうです。

 2021年度から入試回数が3回から2回に減り、各回の募集人員が増えましたが、発表された合格者数は2020年度と大きくは変わりませんでした。その理由について杉野先生は「第1回と第2回の両日とも出願した受験生が全体の約8割と多く、また、合格点のボーダーライン上の同点者の人数が多かったことから、想定したほど合格者数は増えませんでした」と説明します。年々増えている複数回受験者にも、加点などの優遇はないものの、追加合格の対象にはなるそうです。

 続いて、進路・学習部長の明石里恵先生から、進路指導とキャリア教育についての紹介がありました。中1・2は「自己理解」「学びの土台」、中3・高1は「自己伸長」「探究的学び」、高2・3は「自己実現」「主体的学び」というテーマをそれぞれ設け、成長段階に応じて主体的に自分の進路を考えられるよう指導しているのが特徴です。また、夏期講習や教養講座の充実ぶりについても触れた明石先生は、「夏期講習は中1から高3まで115の講座があるほか、国際基督教大学・東京学芸大学・東京外国語大学などとの高大連携によるオリジナル講座も開講し、生徒の学びたいという意欲に応えています」と説明しました。

 今春の卒業生のうち、国公立大学に進学したのは25.4%で、これに早慶上理ICU、そして医学部を合わせると47.3%となっています。現役進学率は77.4%とのことです。また、総合型選抜や学校推薦型選抜でも多数の難関大学合格者を輩出したそうです。

イメージ写真 互いの価値観を尊重し、一人ひとりの個性と自主性が発揮される校風です。国際交流も盛んで1年留学の制度もあります。現在、五つの大学と高大連携の協定を結んでいます

www.kichijo-joshi.jp/  別ウィンドウが開きます。

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