受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

江戸川学園取手中学校

2021年7月7日(水)

生徒の将来を見据えたコース制度の下、「心力・学力・体力」の三位一体の教育を実践

 1978年に高校が、1987年に中学が創立されて以来、「心豊かなリーダーの育成」を教育理念として、将来、国際社会に貢献できる有為な人材の育成をめざしている江戸川学園取手中・高等学校。「誠実・謙虚・努力」を校訓に、「心力・学力・体力」の三位一体の教育を推進し、「江戸取」の愛称でも知られています。

 この日、学校紹介動画の上映に続いて、あいさつに立ったのは、今年4月に校長に就任した山本宏之先生です。山本先生は、まず同校の特色の一つであるコース制について説明しました。中学校では「東大ジュニアコース」「医科ジュニアコース」「難関大ジュニアコース」の3コース制をとっています。所属するコースについては、中学入試での出願時に選択する仕組みになっており、入学後のコース変更は、生徒本人が希望し、かつ成績など一定の条件が満たされた場合に限り認められています。

 2014年に江戸川学園取手小学校を開校し、茨城県初の「小中高12年一貫教育校」となった同校では、中学においては、付属小学校からの一貫生を交えたクラスを編成しています。高校からは140名を新しく迎え入れ、「東大コース」「医科コース」では、1年生から中高一貫生と高校からの入学生が合流します。一方、中学の「難関大ジュニアコース」に所属していた生徒は、高校では「難関大コース」に進み、高2以降は高校からの入学生と同じカリキュラムで学びます。ただし、山本先生によると、「先取り授業で最も大きな差が出るのは数学」とのことで、東大コース・医科コースのいずれにおいても、数学については中高一貫生は高校からの入学生とは別に授業を行います。

 続いて、同校が最近力を入れている「探究学習」についても説明がありました。この授業では、SDGs(持続可能な開発目標)を大テーマに据え、17の目標に結びつけた主題を探究するように指導しています。また、希望者対象の「アフタースクール」と呼ばれる有料の課外講座もあります。「模擬国連」といった学習系、「海外とのオンラインスピーキング」などの英語4技能系、理科実験系など、多彩な内容の約150もの講座が開講されています。

 2020年には新体育館「Sakura Arena」が完成。Wi-Fiも中等部校舎に完備されるなど、学習環境がさらに充実しました。

 最後に山本先生は「本校は面倒見の良い教員が多い学校です。わたしは本校に勤めて30年になりますが、卒業生が生徒の保護者になって学校に戻ってきてくれた例がたくさんあります」と、同校のアットホームな魅力にも触れました。

 入試については、中等部入試担当の遠藤実由喜先生が説明しました。同校では2022年度より、算数・国語・社会・理科・英語の5科目入試を実施します。適性型入試も、適性A・Bと集団面接に英語を加えた内容に変更となります。5科目型と適性型の場合、英語はリスニングのみで、試験時間は20分、配点は50点です。出題レベルは検定教科書と同等で、記号や数字で答えを記入する方式をとるとのこと。遠藤先生は「小学校の学習指導要領に変更があり、2020年度より英語が教科化されました。その年から英語を学んできた児童たちが受験する2022年度入試から、英語を必須科目として導入します」と前置きしたうえで、「多くの学校がまだ5科目入試になっていない分、負担を感じてしまうかもしれませんが、塾では4科目を中心にしっかりと学力をつけ、英語は小学校での授業を大切にしてください。易しい英文を聞くことに慣れていただきたいと思います」と話し、リスニングの例題を放送しました。また、従来の第1回、第2回、第3回のほかに、適性型入試のみを行う日程が1月6日に新設されることも発表されました。

イメージ写真 2020年春より使用されている新体育館「Sakura Arena」。このほかにも、コンサートや講演会などを行う文化施設「オーディトリアム」、最新機器を備えた「自然科学棟」など、充実した設備が整っています

www.e-t.ed.jp/ 別ウィンドウが開きます。

ページトップ このページTopへ