受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

海陽中等教育学校

2021年7月10日(土)

全寮制の集団生活を通して人間力を育み、将来の日本を牽引するリーダーを育てる

 愛知県蒲郡市にある海陽中等教育学校は、日本の未来をリードする人材の育成を目的に、トヨタ自動車・JR東海・中部電力をはじめとする大手企業約80社の賛同を得て、2006年に誕生した全寮制の男子校です。きめ細かいサポート体制の下、学力とともに規則正しい生活習慣や自律心、協調性など、リーダーとしての資質を育んでいます。

 SAPIX代々木ホールで開催されたこの日の説明会では、今年校長に着任した西村英明先生が登壇。「日本を代表する企業の経営者は、日本国内の教育について『社会で活躍できる人になるための教育が不十分』だという危機感を持っています。そして、社会で活躍できる人になるための教育とは、中高時代に、対人能力・問題解決能力・自己管理能力を養うことであると考えました。そこで創立されたのが海陽学園です。イギリスの名門パブリックスクール、イートン校をモデルに、全寮制の集団生活のなかで生徒の志を大きく育て、コミュニケーション力や、粘り強くやり切る力、自律心などを養成しています」と、同校が設立された経緯や教育指針について述べました。

 同校の最大の特徴は、学校と、ハウスと呼ばれる学生寮とが一体となった生活です。キャンパスには12棟のハウスが並び、そこで生活する寮生たちのサポートは、ハウスマスター(社会経験が豊富な教職員)とフロアマスター(企業から派遣された若手社員)が全面的に担っています。ハウスはすべて個室で、プライバシーが確保されている一方、パブリックラウンジなどの共用スペースでは仲間と過ごします。生活面では、ハウスマスターやフロアマスターが生徒に寄り添いながらきめ細かく指導し、学習面では、専門の教員がハイレベルな授業を展開することで、基礎学力と人間力をバランス良く鍛えています。

 続いて、西村先生は「全寮制の環境が生み出すメリット」を二つ挙げました。一つ目は、時間を有効に使えることです。全国の高校生の平均通学時間は1時間33分、スマートフォンの平均利用時間は1日当たり4時間8分という調査結果が出ているとのことですが、同校では「通学時間ゼロ、スマートフォンは利用禁止」のため、その時間を有効活用できるそうです。二つ目のメリットは「ミニ社会」を築けることです。西村先生は「寮には北海道から沖縄までの全国から生徒が集まります。また、帰国生もいるので、ことばや食べ物、文化などが少しずつ異なり、多様性を実感できます。さらに、教員やハウスマスター、フロアマスターのほか、ケアサポーターや食堂スタッフなど、さまざまな大人たちとコミュニケーションをとる機会があるため、寮の中で『ミニ社会』が出来上り、そこで人間力が育成されるのです」と話しました。

 また、同校では、授業や部活動だけでなく、生徒主体で企画・運営されるスポーツフェスタ(体育祭)や海陽祭(文化祭)をはじめとする学校行事、ハウスイベントなど、仲間と共に「実体験」する行事も大切にしています。加えて、キャリア教育にも力を注ぎ、さまざまな分野の第一線で活躍する専門家を招いての特別講義を実施したり、賛同企業の協力を得て企業訪問・工場見学を行ったりしています。「こうしたビジネスの最前線で働く人との触れ合いは、自分の失敗体験を次の成功のために生かすきっかけにもなっています。『こうすれば成功したのか』と気づくことで、視野も広がるはずです」と西村先生。続けて、「建学の精神である『将来の日本を牽引する、明るく希望に満ちた人材の育成』を実現するために、本校は今後も進化し続けます。そのために、企業と連携したSTEAM教育や、芸術面に高い関心を持ってもらうための演劇教育の導入など、独自の教育指導も考えています。本校に興味のある方はぜひ、首都圏でも行う学校説明会などにもいらしてください」と話を結びました。

イメージ写真 東京ドーム2.8個分の広さを誇る敷地には、オーシャンビューの屋上プールをはじめ、アメリカンフットボール・サッカー・野球が同時にできるグラウンドなどがそろい、好環境のなか、充実した生活を送れます

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