受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

神奈川大学附属中学校

2021年7月12日(月)

ICT教育とグローバル教育、高大連携のSTEAM教育で学び続ける生徒を育てる

 神奈川大学附属中学校・高等学校は、神奈川大学の附属の男子校として1985年に開校。3年後の1988年に共学化し、2004年には併設型の中高一貫校に移行しました。神奈川大学と同じ「質実剛健」「積極進取」「中正堅実」を建学の精神に掲げ、自由で伸び伸びとした校風が特徴です。

 説明会の冒頭で、校長の中野宏一先生から同校の教育方針について説明がありました。中野先生は、「中学・高校時代は、物事の表面に惑わされず、世の中の真理をしっかり学ぶことが大切です」と述べ、みずから考え、解決に導く力を養うための教育プログラムを今年度から本格的に始動させたことを紹介しました。それまでの前期・後期に分けた2学期制から3学期制への移行や、週2回の7時限設置、タブレット端末を活用したICT教育などで知力を育み、同時にSDGs(持続可能な開発目標)につながる思いやりや優しさといった人間力も養っていくとのことです。最後に中野先生は、「多様性を認められる心と、知力、人間力を養い、社会に役立つ人材を育成することが本校の目標です」と結びました。

 次に、副校長の小林道夫先生が、教育内容について説明しました。同校は、「真剣な学習をしよう」「健康な心と体をつくろう」「信愛の心をもとう」の三つの校訓を基礎とした教育を行っています。学び続ける生徒を育てるために注力しているのが、ICT教育やグローバル教育です。ICT教育では全教室に電子黒板とWi-Fi環境を完備し、生徒全員が所有するタブレット端末をフルに活用します。教科ごとに最適なアプリケーションを教員が選択し、協働学習やプレゼンテーション、タイピングやプログラミングなどを学ぶツールとして活用するほか、自習や課題提出にも使用することで、より効率的で主体的な学習を実現しています。

 グローバル教育では、多彩な「他者」との交流を通して、生徒一人ひとりに「世界」とのつながりのなかで生きているという自覚を持たせ、自己のアイデンティティー確立に導きます。「世界の中で生きる力」を育むことが目標です。英会話の授業は中1から高1まで、クラスを2分割して少人数制で行うほか、「BEC(Breakthrough English Camp)」では4日間の英語漬け研修を行い、発言力の育成も図っていきます。また、海外大学への進学を希望する生徒は、協定大学推薦制度(UPAA)を利用して、英米の指定校18大学のなかから最大4大学までの推薦を受けることが可能です。国内の大学との併願もできるため、生徒の選択の幅もより広がっています。

 同校は大学附属校でありながら、卒業生の9割以上が他大学に進む進学校ですが、大学附属校のメリットを活用した高大連携プログラムも充実しています。大学の施設を見学する「神奈川大学見学会」、学部の研究分野について話を聞く「学部学科説明会」、講義を体験する「1日神大生」などに参加することで、将来の進路選択に役立てています。

 理数系と芸術の両分野を横断的に学ぶSTEAM教育も盛んです。大学教授のサポートの下、遺伝子組み換え実験を行う「DNA講習」、工学部と共同研究を行う「宇宙エレベータープロジェクト」などの高大連携プロジェクトによって、問題解決能力の向上を図ります。小林先生は、「自然に囲まれたキャンパスで、生徒たちは勉強と部活動に一生懸命取り組んでいます。『ずっと学び続ける生徒を育む教育』と『生徒がみずから主体的に取り組む力を身につけさせる教育』を通して、自己肯定感を高め、自分の将来を描ける生徒を育てていきます」と強調しました。

 2022年度入試では変更点が二つあります。まず、2月1日の第1回入試の募集人員を40名から60名に増員し、4日の第3回入試の募集人員を40名から20名に減員します。これは、2021年度入試の結果に対応した変更とのこと。2日の第2回の募集人員は120名で変更はありません。また、第1回入試の出願締め切りを当日の午前6時までに延長します。詳細は9月以降に発表される募集要項をご確認ください。

イメージ写真 自然に囲まれた広大なキャンパスで、生徒はホタルをはじめ、さまざまな動植物と触れ合う学校生活を送ります。全天候型の陸上グラウンドやサッカー・ラグビー場など、施設も充実しています

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