受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

市川中学校

2021年7月6日(火)

時代を見据えたリベラルアーツ教育で
「みずから学び続ける力」を伸ばす

 1937年に開校した旧制市川中学校を前身とする市川中学校・高等学校。国公立大学や最難関私立大学へ多くの合格者を輩出する千葉県有数の進学校として知られる一方、新しい時代に活躍できる人材の育成をめざした教育が評価され、県外からもたくさんの受験生を集めています。

 オンライン説明会の冒頭で、広報部長の高田敏行先生は、建学の精神の一つである「第三教育」について、「家庭における『第一教育』、学校で受ける『第二教育』に対し、『第三教育』とは自分で自分を教育することです。新しいことに挑戦する意欲を持ち、生涯学び続ける力を養うことが大切だと考えています」と説明しました。その実現に向けて、同校では独自のリベラルアーツ教育を展開。広く教養を身につけ、進学力にとどまらない「真の学力」を育てていきます。「これからの時代に必要なのは、答えのない問題に対処し、自分の考えをしっかりと持って行動する人材です」と高田先生。そうなるために伸ばしておきたい力として、「論理的思考・記述力」「科学力」「教養力」「国際力」「人間力」を挙げ、それぞれを養成する取り組みを紹介しました。

 このうち「論理的思考・記述力」では、自分の考えを書いて伝える力を重視。「校外学習や研修の後にはレポート提出が必須で、定期試験でも記述問題が多く出題されるため、おのずと書くことに慣れる」とのことです。さらに論文や英文を書く機会を与える講座を開講し、アカデミックな記述力を伸ばしていきます。

オンラインでの国際交流
生徒が変える新しい学校行事

 今年度で3期目となるスーパーサイエンスハイスクール(SSH)に指定されている同校では、「科学力」を伸ばす取り組みも確立されています。理科では中学段階から実験を中心とした探究的な授業を展開。高2では、理系を選択した生徒全員が課題研究に取り組みます。また、同校は科学の知識や技術を競う「科学の甲子園ジュニア」の入賞常連校としても知られています。この日の説明会では、出場した生徒の活動や、熱い思いを伝える動画も流れました。

 一方、「教養力」については、各界の第一線で活躍する著名人を招いて開講する「土曜講座」、古典の哲学書をテキストにした対話型セミナー「市川アカデメイア」、生徒自身が主体となって少人数で行う「リベラルアーツゼミ」など、視野を広げ、能動的な学びにつなげる試みが行われています。

 「国際力」を培うための国際交流プログラムも充実しています。ケンブリッジやオックスフォードをはじめとする名門大学での研修や、姉妹校との交流など、多くの機会を設けています。昨年度は新型コロナの感染拡大ですべてが中止となりましたが、「国内で実施可能なさまざまなプログラムを用意し、生徒たちは積極的に取り組んでいます」と高田先生。SDGs(持続可能な開発目標)課題解決などに取り組み、英語による研究発表を行う「Global Issue探究講座」や、芸術・言語・医療・歴史を専門とするイギリス人講師の指導で日本の高校生がディベートやプレゼンテーションに取り組む「Double Helix」など、オンライン開催のプログラムへの参加を挙げました。

 「人間力」に関しては、生徒が大きく成長する場として欠かせない行事や部活動を紹介。アイデアを出し合い、協力しながら実現させた中学体育大会、中3の演劇祭、クラス単位で取り組む新しいなずな祭(文化祭)など、新型コロナの影響をものともしない生徒主体の活動の様子が語られました。

イメージ写真 44ある部活動! 学び合う仲間がいるのが市川の特徴です!

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