受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

西武学園文理中学校

2021年7月30日(金)

新時代に求められる「グローバルな視野」と「問題解決能力」を育むための改革がスタート

 埼玉県を流れる入間川のほとりに緑豊かなキャンパスを構える西武学園文理中学・高等学校。「すべてに誠をつくし最後までやり抜く強い意志を養う」という教育方針の下、高い知性と人間力を備えた、国際社会に貢献できる人材の育成をめざしています。

 オンラインで開催されたこの日の説明会の冒頭、校長の柴田誠先生は、「日本人としてのアイデンティティを大切にしながらも、グローバルな視野を持った人、みずから課題を発見し、多様な仲間と協働してそれを解決・発信できるトップエリートを育てます」と述べました。そのための学校改革が今年度からスタートしました。まず、高校では、「幅広く学ぶ教育課程の設定」「英語・数学の徹底した習熟度別授業」「探究プログラムの導入」「中高一貫生と高校からの入学生の混成クラス編成」を実行。それに伴い、中学においても、従来の「特別選抜クラス」と「中高一貫進学クラス」を廃止し、今年度の入学生から、「グローバル選抜クラス(難関国公立文理進学コース)」と「グローバルクラス(文理進学コース)」の2コース体制となりました。これまでは「グローバルクラス(中2進級時に志望)」のみを対象としていたオンライン英会話や外国人英語講師による授業も、すべての生徒を対象に中1から実施されています。タブレット端末を使った洋書の多読、レシテーション(暗唱)コンテスト、英語4技能を測定するGTECの受検といった従来の取り組みについては、今後もすべてのクラスで継続していくとのことです。

 具体的な教育内容については、教頭の稲生先生が説明しました。同校では、課題設定と合意形成の力をつけることを目標に、「進学教育」「グローバル教育」「人間教育」を中核に据えた教育を実践しています。たとえば、大学での学びに向けた学力を養成するために、中学3年間で公立校の約1.6倍の授業数を確保し、基礎学力の定着を図るとともに、中3からは高校内容の先取りも行っています。また、朝のホームルーム前には、確認テスト(英語・数学・国語)を週3回実施し、基準点に満たなかった生徒に対しては補習や再テストを行い、徹底的に基礎力の定着を図っています。さらに、中学生は午後7時まで、高校生は午後8時まで自習室として利用できる「学習サポートセンター」を設置。そこでは、担当教員による指導や個別面談を受けることができ、一人ひとりに合わせた学習計画づくりのサポートなども行われています。

 人間力を育成するためのプログラムも充実させています。中1ではさまざまな職業の方を招いての「職業研究」があり、中2では生徒みずから企業の担当者に依頼することから始める「職業体験」を行います。そして中3では、企業や地域に向けて課題解決のためのプレゼンテーションをする「地域協働探究学習」に取り組みます。また、20講座のなかから興味のあるものを一つ選択し、1年間かけて活動する総合的探究学習「CA(Creative Activity)」では、学年の枠を超えて共に研究することで、自主性・協働力・創造性を育みます。生徒自身がテーマを設定し、1年半かけて調査・実験を繰り返して、最終的に1万字程度の卒業論文を仕上げることが、高校進学の条件となっています。

 国際理解教育にも力を入れています。中3生が全員参加するイタリア研修では異文化を体験することで自分たちのアイデンティティを見直します。英語力の向上を図るセブ島語学研修(中2~高2希望者対象)について、稲生先生は「コロナ禍のため、今年度は同様のプログラムを国内で開催しましたが、海外大学への進学をめざすようになるなど、幅広い視野が芽生えるきっかけにもなる研修です」と説明しました。さらに今年度からは、外部の外国人講師と同校のネイティブ教員・日本人教員の3人体制でオールイングリッシュによる授業「GLOBAL COMPETENCE PROGRAM」を始めました。事前に出された課題について、「予習→授業(グループワーク・ディスカッション)→復習」のサイクルを繰り返し、実用的な語学力、幅広い知識、思考力・行動力といった、グローバル社会で求められる資質を養っています。

イメージ写真 今年度より始まったGLOBAL COMPETENCE PROGRAMの様子。タブレットをフル活用し、オールイングリッシュで授業を行っています

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