受験ライフをサポートする 進学情報誌 さぴあ

さぴあは、進学教室サピックス小学部が発行し、内部生に配布している月刊誌です。

学校説明会レポート

東京女子学園中学校

2021年8月5日(木)

未来を創造する探究型の学びで、「世界とつながる女性(ひと)」を育てる

 1903年、初代校長に棚橋絢子先生を迎え、東京府で最初の私立高等女学校となる東京高等女学校として開校した東京女子学園。「人の中なる人となれ」を教育理念に掲げ、教養と行動力を兼ね備えた女性(ひと)の育成をめざす伝統校です。

 この日のオンライン説明会であいさつに立った校長の河添健先生は、「2023年に創立120周年を迎えるに当たり、本校を世界でも注目される中高一貫校にしたいと考えています」と語りました。同校では、国際的な人材を育てる教育に力を注ぐとともに、問題解決力を養う探究型学習を推進しています。河添先生は「今後は、大学入試でも総合型選抜や指定校推薦が増え、蓄えた知識の量ではなく、学習した内容を生かす能力が評価される時代になります」と述べました。そして、必要となる五つのスキル“Global Vision” “Basis” “Creative Thinking” “Data Science” “Design & Arts”のなかでも、“Data Science”と“Design & Arts”を重視した教育システム「DSDA」を導入していることを強調しました。

 中学では基礎学習を充実させ、高校では国際教養コースと未来創造コースに分かれて、6年一貫の文理融合型教育を行います。河添先生は日本のジェンダーギャップ指数が世界でも低いことにも触れ、「生徒自身がこうした社会を変えようという大きな志を持つことが大切です。本校では、都心の立地を生かした産学連携や探究ゼミなどを通して、教科書だけではない学びを実践しています。6年間で『生きた知識』を身につけ、大学生、社会人となってからも女子力を爆発させて、日本の社会や世界を変える人材となってほしいと考えています」と力強く語りました。

 次に、広報部長の鶴内小百合先生から具体的な教育内容の説明がありました。鶴内先生が最初に紹介したのは、毎年4月に1週間にわたって開催される「東京女子学園スタートアッププログラム(TSP)」です。「教科の枠を超えたワークショップを実施し、すべての基本となる“学ぶ力”を育てるプログラムに取り組みます。TSPを通して、生徒たちは多面的に物事を見る重要性も学んでいます」と鶴内先生は話します。

 探究型学習では、生徒全員がiPadを活用しながら楽しく学んでいます。鶴内先生は、デジタルツールを使って浮世絵を描いたり、音楽の編曲や「味噌造り」に挑戦したりするなど、各教科で行われているDSDAのプログラムを挙げ、続いて中1から高2まで一緒に活動する「探究ゼミ」の多彩なテーマを紹介しました。校長先生が主催する「数学とアート」をはじめ、社会貢献やSDGs(持続可能な開発目標)に関連するゼミ、進行中の新校舎建築に参加するゼミなどがあります。アフリカのウガンダとオンラインで交流しながら発展途上国の課題を研究するゼミもあるそうです。

 グローバル教育にも力を入れており、中3の夏にはアメリカ・シアトルに全員で行く「海外教育研修」があり、高2ではフィンランド・エストニア、シンガポール・マレーシア、国内(九州)のなかから自分で行き先を選択できる「体験型国内外研修旅行」を実施。新型コロナウイルス感染症の流行により、今年の高2は九州での実施が予定されているそうです。このほか、オーストラリア3カ月留学(高1・高2希望者対象)などの海外プログラムもあります。

 2022年度の一般入試は、2月1日午前・午後、2日午前・午後、5日午前の計5回です。国語・算数・英語・ICT探究(スマホ持ち込み可)からいずれか一つを選択する1科入試のほか、2科(国語・算数)、適性検査型(データサイエンス)など、さまざまな形式のテストが行われます。1科入試の面接は合否に影響しないことや、適性検査型入試のサンプル問題が学校ホームページに掲載される予定であることなども伝えられました。

イメージ写真 2023年には、地上12階の新校舎が竣工予定。プレゼンテーションが可能なオープンスペースなども設置され、グローバル化・デジタル化に対応した最新の学習環境となります

www.tokyo-joshi.ac.jp 別ウィンドウが開きます。

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